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わが命つきるとも A Man for All Seasons 1966

わが命つきるとも
A Man for All Seasons
(イギリス 1966)

[製作総指揮] ウィリアム・N・グラフ
[製作] フレッド・ジンネマン
[監督] フレッド・ジンネマン
[原作] ロバート・ボルト
[脚本] ロバート・ボルト
[撮影] テッド・ムーア
[音楽] ジョルジュ・ドルリュー
[ジャンル] ドラマ
[受賞]
アカデミー賞 主演男優賞(ポール・スコフィールド)/撮影賞/衣装デザイン賞/監督賞/作品賞/脚色賞
英国アカデミー賞 男優賞(ポール・スコフィールド)/美術監督賞/撮影賞/衣装賞/作品賞/脚本賞/オリジナル作品賞
ゴールデン・グローブ賞 作品賞/主演男優賞(ポール・スコフィールド)/監督賞/脚本賞
モスクワ国際映画祭 主演男優賞(ポール・スコフィールド)
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 主演男優賞(ポール・スコフィールド)/監督賞/作品賞
NY批評家協会賞 主演男優賞(ポール・スコフィールド)/監督賞/作品賞/脚本賞

キャスト

ポール・スコフィールド
(サー・トーマス・モア)

ウェンディ・ヒラー
(アリス・モア)

レオ・マッカーン (トーマス・クロムウェル)

ロバート・ショー
(ヘンリー8世)

オーソン・ウェルズ
(ウォルジー枢機卿)

スザンナ・ヨーク
(マーガレット・モア)

ナイジェル・ダヴェンポート (ノーフォーク公爵)

ジョン・ハート
(リチャード・リッチ)


コリン・レッドグレイヴ (ウィリアム・ローパー)

ヴァネッサ・レッドグレイヴ
(アン・ブーリン)



概要

『わが命つきるとも』(A Man for All Seasons)はフレッド・ジンネマン監督による歴史ドラマで、16世紀のイングランドを舞台に、トマス・モアが信念を貫き、ヘンリー8世の離婚問題をめぐる政治的・宗教的圧力に立ち向かう姿を描く。

ポール・スコフィールドが主演を務め、信仰と良心をテーマにした深い人間ドラマとして高く評価された。



ストーリー

物語は、イングランド王ヘンリー8世(ロバート・ショー)が、王妃キャサリンとの離婚を希望し、ローマ教皇の認可を得られないことから始まる。王は国教会を設立して離婚を実現しようとするが、それに反対したのがトマス・モア(ポール・スコフィールド)だった。モアは国王の側近でありながら、信仰と良心に従い、この離婚と教会分裂に反対の姿勢を示す。

ヘンリー8世やその側近たちはモアに妥協を求めるが、彼は沈黙を守りつつも態度を変えない。国王の離婚を承認しないモアは次第に孤立し、友人や家族までもがその立場に危機感を抱くようになる。彼の信念は揺るがず、ついに国王への反逆罪で裁判にかけられる。

裁判ではモアが国王に対する忠誠心を証明しようとするが、彼の元秘書リチャード・リッチ(ジョン・ハート)の偽証により有罪となる。モアは断頭台へと送られ、最後まで信念を貫いて命を落とす。その姿は、多くの人々に尊敬と感動を与えるものだった。




エピソード

  • 舞台版でも同じ役を演じていたポール・スコフィールドは、この役で舞台と映画の両方で絶賛される稀な例となった。彼の静かながらも圧倒的な存在感は、観客に強い印象を与えた。

  • ロバート・ショーは、王としての威厳と短気さをバランスよく演じ、限られた出演時間ながら強烈な印象を残した。

  • オーソン・ウェルズは枢機卿役で出演。圧倒的なカリスマ性と重厚な演技が物語の序盤を支える重要な要素となった。

  • 若きジョン・ハートが演じたリチャード・リッチは、野心に溢れる裏切り者として物語の中核を担う存在。彼の演技が、モアの悲劇性をさらに際立たせている。

  • 多くのシーンは実際のイングランドの歴史的な場所で撮影され、リアリティと壮大さを映画に与えた。

  • この映画は原作が脚本家ロバート・ボルトによる戯曲であり、文学的な深みがあると評価されることが多いが、特に「人間の信念」を描く点でヘミングウェイの作品とよく比較される。

  • スコフィールドはアカデミー賞を受賞しながらも、映画界よりも舞台での活動を重視し、ハリウッドの派手さとは一線を画したキャリアを築いた。

  • 舞台版の成功を受けて映画化されたが、舞台の持つ緊張感を映画にどう移植するかが大きな課題だった。監督のジンネマンは巧妙な脚色と演出でその課題を克服した。

  • 映画の中で描かれる宗教的な葛藤は、当時の社会情勢や信仰の在り方を考えさせる普遍的なテーマとして評価された。






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