カクテル
Cocktail
(アメリカ 1988)
[製作] ロバート・W・コート/テッド・フィールド/ジェフリー・ビダレック
[監督] ロジャー・ドナルドソン
[脚本] ヘイウッド・グールド
[撮影] ディーン・セムラー
[音楽] J・ピーター・ロビンソン/ドク・ポマス
[ジャンル] 青春/ドラマ/恋愛
キャスト

トム・クルーズ
(ブライアン・フラナガン)

ブライアン・ブラウン
(ダグ・コーリイン)

エリザベス・シュー
(ジョーダン・ムーニー)
リサ・ベインズ (ボニー)
ローレンス・ラッキンビル (ムーニー)

ケリー・リンチ
(ケリー・コーリン)

ジーナ・ガーション
(コーラル)
ロン・ディーン (パット叔父)
ロバート・ドンリー (エディ)
エレン・フォーリー (エレノア)
アンドレア・モース (ダルシー)
ダイアン・ダグラス (リフキン夫人)

アンドリュー・シュー
(ウェディング招待客)
ストーリー
軍を退役したブライアン・フラナガン(トム・クルーズ)は、成功を夢見てニューヨークへ降り立つ。就職活動が難航する中、夜間大学に通いながらバーテンダーとして働き始めた彼は、ベテランのダグラス・コグリン(ブライアン・ブラウン)と出会う。ブライアンは、ボトルを自在に操るフレア・バーテンディングの技術をダグラスから学び、二人はコンビとして街で一番の人気を誇るようになる。
しかし、富豪の女性を巡る賭けや価値観の相違からダグラスと衝突し、コンビは解消。ブライアンは自分の店を持つ資金を稼ぐため、ジャマイカのビーチバーへ渡る。そこで彼は、休暇で訪れていた画家の卵ジョーダン(エリザベス・シュー)と恋に落ち、真実の愛に目覚めかける。だが、かつての師ダグラスとの再会や、自らの野心が原因でジョーダンを傷つけ、彼女は去ってしまう。
その後、ニューヨークに戻ったブライアンは、ジョーダンが実は大富豪の令嬢であることを知り、彼女に許しを請うために奔走する。一方で、富豪との結婚で成功を手にしたはずのダグラスは、精神的に破綻し自ら命を絶つという悲劇に見舞われる。恩師の最期と、自身の金銭への執着が招いた失敗を痛感したブライアンは、本当の豊かさとは何かを悟る。彼はジョーダンとの復縁を果たし、ささやかながらも自分自身のバーを開店させ、新たな人生のスタートを切った。
エピソード・背景
- フレア・バーテンディングの流行
本作でトム・クルーズが見せた、シェイカーやボトルを投げたり回したりするパフォーマンスは世界的な注目を集め、バーテンダーを志す若者が急増する社会現象を巻き起こしました。 - サウンドトラックの成功
劇中歌であるザ・ビーチ・ボーイズの「ココモ(Kokomo)」は全米1位を記録する大ヒットとなり、映画本編以上の評価を受けるほどの人気を博しました。 - ロケ地の選定
ジャマイカの美しいビーチや、ニューヨークの喧騒を感じさせるバーのセットなど、コントラストの効いたロケーションが物語の情緒を深めています。 - 脚本の意図
原作・脚本を手がけたヘイウッド・グールドは、自身が実際にバーテンダーとして働いていた経験を基に執筆しており、業界の裏側や成功への焦燥感がリアルに描かれています。 - 主演俳優の特訓
トム・クルーズとブライアン・ブラウンは、役作りのために実際のバーテンダーから数週間に及ぶ特訓を受け、高度な技術を代役なしで演じきりました。
まとめ:作品が描いたもの
本作は、1980年代後半の「成功こそがすべて」という拝金主義的な風潮を背景に、若者が陥りがちな過信と挫折、そして再生を描いています。派手なパフォーマンスやロマンスが前面に押し出されていますが、その根底には、華やかな世界の裏に潜む孤独や、虚飾に満ちた成功の危うさという重いテーマも内包されています。
公開当時は批評家から厳しい声が上がりましたが、時代の空気感を色濃く反映したビジュアルと音楽、そしてスター俳優の魅力が融合した一作として、現在も1980年代を代表するエンターテインメント作品の一つとしてデータベースに刻まれています。


