ジャッカルの日
The Day of the Jackal
(イギリス・フランス 1973)
[製作] ジョン・ウルフ/ジュリアン・デロード/デヴィッド・ドイッチ
[監督] フレッド・ジンネマン
[原作] フレデリック・フォーサイス
[脚本] ケネス・ロス
[撮影] ジャン・トゥルニエ
[音楽] ジョルジュ・ドルリュー
[ジャンル] スリラー
[受賞] 英国アカデミー賞 編集賞
キャスト
エドワード・フォックス
(ジャッカル)
マイケル・ロンズデール (クロード・ルベル警視)
デルフィーヌ・セイリグ (モンペリエ男爵夫人)
アラン・バデル (内務大臣)
モーリス・デナム (コルベール将軍)
ミシェル・オークレール (ローラン大佐)
オルガ・ジョルジュ・ピコ (ドニーズ)
デレク・ジャコビ
(キャロン)
トニー・ブリットン (トーマス警視)
バリー・インガム (サンクレール)
ティモシー・ウエスト (ベルティエ刑事局長)
ドナルド・シンデン (マリンソン)
フランソワ・ヴァロルブ (連絡員バルミ)
シリル・キューザック (銃工)
ロナルド・ピックアップ (偽造屋)
エリック・ポーター (ロダン大佐)
デニス・キャリー (カッソン)
デヴィッド・スウィフト (ルネ・モンクレール)
ニコラス・ヴォーゲル (連絡係)
ヴァーノン・ドブチェフ (尋問官)
ジャン・ソレル (パスティアン・ティリー中佐)
エイドリアン・カイラ・レグラン (ドゴール大統領)
概要
『ジャッカルの日』(The Day of the Jackal)は、フレデリック・フォーサイスのスリラー小説を原作に、フレッド・ジンネマン監督が手掛けた緊張感あふれる犯罪ドラマ。
フランス大統領シャルル・ド・ゴール暗殺を狙う謎の暗殺者「ジャッカル」と、それを阻止しようとする警察の追跡劇を描く。
リアリズムと緻密なプロットが特徴のスリラー映画。
ストーリー
1960年代初頭のフランス。アルジェリア独立戦争でのド・ゴール大統領の政策に反発した極右組織OASが、彼の暗殺を計画する。OASのリーダーたちは、プロの暗殺者「ジャッカル」(エドワード・フォックス)を雇い、暗殺計画を極秘裏に進める。
ジャッカルは冷静沈着で、変装や偽造書類を駆使しながら計画を着実に進める。一方、フランス当局は彼の存在を察知し、警察のルベル副警視(ミシェル・ロンズデール)を中心に追跡を開始。彼らは少ない手がかりからジャッカルの正体や計画を突き止めようとする。
ジャッカルは周到に計画を進めるが、途中で警察の包囲網が狭まり、彼の動きにほころびが生じる。最終的に、彼はパリの大統領官邸での軍事パレードを暗殺の舞台とする。しかし、決行直前にルベル副警視が彼の潜伏先を突き止め、対峙する。ジャッカルは抵抗するが射殺され、暗殺計画は阻止される。
物語は、ド・ゴール大統領が暗殺未遂を知らずに日常を続ける姿を映し出し、冷徹で緻密なサスペンスを締めくくる。
エピソード
- ジャッカル役のエドワード・フォックスは、当時ほとんど無名の俳優だったが、その冷静で計算された演技が高く評価され、一躍注目を集めた。
- ルベル副警視役のミシェル・ロンズデールは、地道な警察捜査のリアリティを体現し、彼の控えめながら緊張感のある演技が物語の核を支えた。
- 映画は実際の事件をもとにしているわけではないが、細部のリアリズムを追求。特に、暗殺計画の描写や警察の捜査手法は非常に緻密に作られている。
- ジンネマン監督は、暗殺者と警察の双方を対等に描くことで、観客にどちらの視点にも共感を抱かせるよう工夫した。
- ジャッカルの変装シーンでは、フォックスが巧みに異なるキャラクターを演じ分け、観客を引き込んだ。
- パリの撮影は、フランス政府の全面的な協力を得て行われ、リアルな雰囲気が映画に深みを与えた。
- タイトル「ジャッカルの日」は、暗殺者ジャッカルが自らの目的にすべてを懸けた「運命の日」を象徴している。
- フォックスは役作りのために体重を落とし、ジャッカルの冷徹さやスリムな体型を強調した。
- 原作者フレデリック・フォーサイスは脚本に直接関与しており、映画版の緻密さは彼の協力によるところが大きい。
- 最終的な対決シーンは緊張感を最大限に高めるよう撮影され、編集でも観客を引き込む仕上がりとなった。
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