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ニクソン Nixon 1995 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】| アンソニー・ホプキンス | オリバー・ストーン

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強烈な野心と深い劣等感、そして壊滅的な猜疑心。ウォーターゲート事件の闇に葬られた、アメリカ史上最も毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい大統領のリチャード・ニクソン、その孤独な魂の深淵に迫る歴史大作。

ニクソン
Nixon
(アメリカ 1995)

[製作] オリバー・ストーン/クレイトン・タウンゼント/アンドリュー・G・ヴァイナ/ダン・ハルステッド/エリック・ハンバーグ/リチャード・ルトウスキ
[監督] オリバー・ストーン
[脚本] スティーヴン・J・リヴェル/クリストファー・ウィルキンソン/オリバー・ストーン
[撮影] ロバート・リチャードソン
[音楽] ジョン・ウィリアムズ
[ジャンル] 伝記/ドラマ/歴史
[受賞]
LA批評家協会賞 助演女優賞(ジョアン・アレン)
シカゴ批評家協会賞 監督賞/助演女優賞(ジョアン・アレン)
ボストン批評家協会賞 助演女優賞(ジョアン・アレン)
全米批評家協会賞 助演女優賞(ジョアン・アレン)

キャスト

アンソニー・ホプキンス
(リチャード・M・ニクソン)

ジョアン・アレン
(パット・ニクソン)

パワーズ・ブース
(アレクサンダー・ヘイグ)

エド・ハリス
(E・ハワード・ハント)

ボブ・ホスキンス
(J・エドガー・フーヴァー)

E・G・マーシャル
(ジョン・ミッチェル)

デヴィッド・ペイマー
(ロン・ジーグラー)

デヴィッド・ハイド・ピアース
(ジョン・ディーン)

ポール・ソルヴィノ
(ヘンリー・キッシンジャー)

メアリー・スティーンバージェン
(ハンナ・ニクソン)

J・T・ウォルシュ
(ジョン・アーリックマン)

ジェームズ・ウッズ
(H・R・ヘルドマン)

ブライアン・ベッドフォード (クライド・トルソン)
ケヴィン・ダン (チャールズ・ショティナー)

アナベス・ギッシュ
(ジュリー・ニクソン)

トニー・ゴールドウィン
(ハロルド・ニクソン)

トム・バウアー (フランク・ニクソン)

エドワード・ハーマン
(ネルソン・ロックフェラー)

マデリーン・カーン (マーサ・ミッチェル)

ダン・ヘダヤ
(トリーニ・カルドーザ)




ストーリー

1972年、ホワイトハウス。大統領リチャード・ニクソン(アンソニー・ホプキンス)は、民主党本部への盗聴事件、いわゆる「ウォーターゲート事件」の隠蔽工作に追われていた。物語は、深夜に録音テープを聴き返すニクソンの姿を起点に、クエーカー教徒の厳格な家庭で育った少年時代、海軍での経験、そして政界への進出と挫折をフラッシュバックで描き出す。彼は常に、自分をエリート層(東部の名門出身者たち)から疎外されている異端者だと感じ、その劣等感をバネに権力の頂点へと登り詰めていく。

パット(ジョアン・アレン)の支えを受けながら、ケネディとの大統領選での敗北、カリフォルニア州知事選での落選という屈辱を乗り越え、1968年に大統領の座を勝ち取ったニクソンは、外交面で中国訪問やソ連とのデタントを実現するなどの成果を挙げる。しかし、ベトナム戦争への反対運動や反体制派への過剰な恐怖心が、彼の猜疑心を加速させていく。彼は自身の権力を守るために非合法な活動を容認し、それがウォーターゲート事件という致命的な不祥事へと繋がっていく。

事件の調査が進むにつれ、大統領執務室の会話を録音したテープの存在が明るみに出る。ニクソンは最高裁の提出命令に抗うが、逃げ場を失い、側近のハルデマン(ジェームズ・ウッズ)やアーリックマン(J・T・ウォルシュ)を切り捨てざるを得なくなる。精神的に追い詰められ、酒に溺れ、深夜にケネディの肖像画に向かって独白するニクソン。1974年8月、弾劾を避けるために辞任を決意した彼は、涙を浮かべてホワイトハウスを去る。栄光の頂点から失墜した一人の男の孤独を映し出し、物語は幕を閉じる。


受賞・ノミネートデータ

  • 第68回アカデミー賞(1996年)
    • ノミネート:主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、助演女優賞(ジョアン・アレン)、作曲賞、脚本賞
  • 第53回ゴールデングローブ賞(1996年)
    • ノミネート:主演男優賞(ドラマ部門)

エピソード・背景

  • アンソニー・ホプキンスの起用
    外見が似ていないホプキンスの起用に当初は疑問の声もありましたが、オリバー・ストーン監督は彼の「孤独な魂を表現できる演技力」を重視しました。ホプキンスはニクソンの話し方や特有の身振りを完璧にマスターし、観客を圧倒しました。
  • ジョアン・アレンの躍進
    ニクソンを献身的に、時に厳しく支える妻パットを演じたジョアン・アレンは、本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、一躍実力派女優としての地位を確立しました。
  • 複雑な編集技法
    オリバー・ストーン監督特有の、モノクロ映像、16mmフィルム、ニュース映像を混在させる編集スタイルが本作でも多用され、ニクソンの混乱した内面を視覚的に表現しています。
  • ヘンリー・キッシンジャーの描写
    ポール・ソルヴィノが演じたキッシンジャー国務長官は、ニクソンの右腕でありながら、彼を冷静に、時に冷徹に観察する人物として描かれ、権力の中枢にある不気味な均衡を際立たせました。
  • ディズニー(ブエナ・ビスタ)の配給
    政治的に極めてデリケートな内容でありながら、ディズニー傘下のハリウッド・ピクチャーズが製作・配給を担当したことは当時驚きをもって受け止められました。
  • 未公開シーンを含むディレクターズ・カット
    後に公開されたディレクターズ・カット版では、CIAとの関係を示唆するシーンなどが追加されており、監督が描こうとした「影の政府」というテーマがより鮮明になっています。


まとめ:作品が描いたもの

本作は、リチャード・ニクソンを単なる「悪役」としてではなく、激しいコンプレックスに突き動かされ、愛と承認を求めて彷徨う一人の悲劇的な人間として描き出しています。彼が抱いた「自分は決して愛されない」という強迫観念が、いかにして強大な権力を行使させ、そして自滅へと向かわせたのかを鋭く考察しています。

アメリカという国家が抱える「闇」と、一人の指導者の「内なる闇」が交錯する瞬間を捉えた、重厚な人間探求の記録です。

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