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ボギー!俺も男だ Play it Again, Sam 1972

ボギー!俺も男だ
Play it Again, Sam
(アメリカ 1972)

[製作総指揮] チャールズ・H・ジョフィ
[製作] アーサー・P・ジェイコブズ/フランク・キャプラJr.
[監督] ハーバート・ロス
[原作] ウディ・アレン
[脚本] ウディ・アレン
[撮影] オーウェン・ロイズマン
[音楽] ビリー・ゴールデンバーグ/マックス・スタイナー
[ジャンル] コメディ/恋愛


キャスト

ウディ・アレン
(アラン)

トニー・ロバーツ
(ディック)


ジェリー・レイシー (ボガート)
スーザン・アンスパック (ナンシー)
ジェニファー・ソルト (シャロン)
ジョイ・バン (ジュリー)
ヴィヴァ (ジェニファー)




概要

『ボギー!俺も男だ』は、ウディ・アレンが脚本・主演を務め、ハーバート・ロスが監督したロマンティック・コメディ映画。

ハンフリー・ボガート主演の名作『カサブランカ』をモチーフに、恋愛に不器用な男性が妄想の中でボガートに助言を受けながら、自分らしい愛を見つけていく物語。

ウディ・アレンらしい独特のユーモアとセンチメンタルな感情が交錯する作品。


ストーリー

アラン・フェリックス(ウディ・アレン)は、ニューヨークに住む映画評論家。彼は妻に捨てられたばかりで、自信を喪失し、恋愛に臆病になっている。孤独な日々を送る彼の心の支えは、大好きな映画『カサブランカ』。彼はその主人公リックを演じたハンフリー・ボガートを理想の男性像として崇め、しばしば妄想の中でボガート(ジェリー・レイシー)に恋愛アドバイスをもらう。

友人のディック(トニー・ロバーツ)とその妻リンダ(ダイアン・キートン)は、アランを元気づけるために新しい女性を紹介しようとするが、アランはその度に失敗。女性にアプローチする際、緊張のあまり奇妙な行動を取ってしまうのだ。

そんな中、アランはリンダとの交流を深めていく。リンダはアランの繊細な性格とユーモアを理解し、彼にとって唯一気兼ねなく話せる存在となる。次第に、アランはリンダに惹かれるようになるが、彼女は親友ディックの妻であり、アランはその感情に戸惑う。

やがて、リンダもアランに対して特別な感情を抱いていることが明らかになる。2人はお互いに惹かれながらも、ディックへの友情とリンダの結婚生活への罪悪感が立ちはだかる。

物語のクライマックス、アランはリンダとの関係を進展させるべきかどうか、ボガートにアドバイスを求める。最終的に、アランは「男らしさ」や「理想像」に縛られず、自分の道を選ぶ決意をする。彼はリンダを愛しているものの、彼女の幸せを尊重し、関係を進めない選択をする。

映画のラスト、アランは『カサブランカ』の名台詞を引用しつつ、リンダと別れる。彼は新たな自信を手に入れ、未来に向けて歩き出す。


エピソード

  • 本作は、ウディ・アレンとダイアン・キートンの初共演作。2人のコンビネーションが高く評価され、後の『アニー・ホール』などの名作に繋がる。

  • 映画はウディ・アレンの同名舞台劇が原作。アレン、キートン、トニー・ロバーツは舞台版でも同じ役を演じていた。

  • ジェリー・ランシングは、ハンフリー・ボガートの特徴的な声と雰囲気を巧みに模倣し、観客に「ボガートそのもの」を感じさせる演技を見せた。

  • キートンは、リンダのキャラクターに自然な魅力を与え、彼女の親しみやすさが物語の感情的な核となった。

  • アレンの脚本には、恋愛への不安や自己イメージに関するウィットに富んだ台詞が散りばめられており、彼の個性が際立つ。

  • ハーバート・ロスはアレンの脚本を忠実に映像化し、コメディとドラマのバランスを取ることに成功した。

  • アレン自身の神経質で不器用な性格をそのまま投影したアラン役は、彼の個性を存分に活かしたもの。

  • 作中で何度も登場する『カサブランカ』の引用やオマージュは、映画ファンにとって特別な意味を持つ。

  • 映画の舞台はニューヨークで、都会生活の孤独感と温かさがリアルに描かれている。

  • トニー・ロバーツとの掛け合いはテンポ良く、アレンの得意とする会話劇を盛り上げた。




感想

アランの恋愛の不器用さには共感せざるを得ないし、彼がボガートに助けを求める妄想シーンには思わず笑ってしまった。それでも、リンダとの交流が進む中で、彼が少しずつ自分らしさを見つけていく様子は意外と感動的だった。特に、最後にリンダを諦める選択をする場面は、「本当の大人の愛ってこういうものかも」と思わせられる。

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