ラジオ・デイズ
Radio Days
(アメリカ　1987)

[製作総指揮]　チャールズ・Ｈ・ジョフィ／ジャック・ローリンズ
[製作]　ロバート・グリーンハット／ゲイル・シシリア／エズラ・スワードロー
[監督]　ウディ・アレン
[脚本]　ウディ・アレン
[撮影]　カルロ・ディ・パルマ
[ジャンル]　コメディ／ドラマ

キャスト

ジュリー・カーニッツ　（アイリーン）
デヴィッド・ワリロー　（ロジャー）

ポール・ハーマン　（泥棒）
ドン・パルド　（司会者）

概要

『ラジオ・デイズ』は、ウディ・アレンが監督・脚本を手掛けたノスタルジックなコメディドラマ。

1940年代のニューヨークを舞台に、ラジオが家庭の中心だった時代をユーモアと温かさを交えて描く。

アレン自身の少年時代の思い出が色濃く反映されており、家族の絆、夢、そしてラジオが人々の心に与えた影響が描かれている。

ストーリー

物語は、1940年代のニューヨーク郊外に暮らすユダヤ系家庭を中心に展開される。語り手（ウディ・アレンのナレーション）は、少年時代の思い出を回想しながら、ラジオが家庭生活や文化に与えた影響を語る。

主人公の少年ジョー（セス・グリーン）は、ラジオ番組やスターたちに夢中になり、日々その影響を受けながら成長していく。ジョーの家族は、個性豊かなキャラクターが揃っており、親戚が集まる食卓では日常の出来事やラジオ番組の話題で賑やかな時間を過ごす。

映画は、ジョーの家庭生活や近所の人々、そしてラジオ業界の裏側のエピソードを交錯させながら進む。ラジオスターを目指すコートニー（ミア・ファロー）は、明るい性格とちょっとしたドジでさまざまな困難に直面しながらも、スターへの夢を諦めない。

やがて物語は、ラジオというメディアが家庭や地域に結びつきを与えていた一方で、その影響力がテレビへと移り変わっていく過渡期を描く。ジョーにとってラジオは、夢や想像力を掻き立てる大切な存在だったが、時代の変化とともに次第にその役割を失っていく。

ラストでは、ジョーの成長とともに、ラジオが家族に与えた温かい思い出が静かに語られる。

エピソード

• 本作は、アレンの少年時代の体験やラジオへの愛情を反映した作品であり、彼のノスタルジックな視点が色濃く表れている。
  
  
• 主人公ジョーを演じたセス・グリーンは、この映画で注目を集め、以後さまざまな作品で活躍する。
  
  
• ラジオスターを目指すコートニー役のファローは、明るくコミカルな演技で映画に軽やかさを加えた。
  
  
• ダイアン・ウィースト、ジュリー・カヴナー、マイケル・タッカーなど、実力派俳優が脇を固め、映画全体の質を高めた。
  
  
• 1940年代のニューヨークの雰囲気を忠実に再現するため、セットや衣装、音楽に細部までこだわりが詰まっている。
  
  
• 映画の随所で使われるクラシックなラジオ楽曲が、物語に温かさと懐かしさを与えている。
  
  
• アレンは撮影後にナレーションを追加し、映画のストーリーにユーモアと親近感を与えた。
  
  
• 登場する家族は、個性的で時に口論も絶えないが、互いへの愛情と支え合いが温かく描かれている。
  
  
• ラジオスターやスタッフの裏側がユーモアたっぷりに描かれ、業界の現実を垣間見せる要素も含まれている。
  
  
• ラジオからテレビへと移行する時代の変化が背景に描かれ、メディアの影響力の移り変わりがテーマの一つとなっている。