レインメーカー
The Rainmaker
(アメリカ 1997)
[製作総指揮] フレッド・ファーカス/マイケル・ダグラス
[製作] スティーヴン・ルーサー/ジョージア・カカンデス/ゲイリー・マーカス
[監督] フランシス・フォード・コッポラ
[原作] ジョン・グリシャム
[脚本] フランシス・フォード・コッポラ/マイケル・ヘア
[撮影] ジョン・トール
[音楽] エルマー・バーンスタイン
[ジャンル] サスペンス/法廷
[受賞] ラスベガス批評家協会賞 有望男優賞(マット・デイモン)
キャスト

マット・デイモン
(ルディ・ベイラー)

ダニー・デヴィート
(デック・シフラー)

クレア・デインズ
(ケリー・ライカー)

ジョン・ヴォイト
(レオ・F・ドラモンド)

メアリー・ケイ・プレイス
(ドット・ブラック)

ディーン・ストックウェル
(ハーヴェイ・ヘイル判事)

テレサ・ライト
(ミス・バーディ)

ヴァージニア・マドセン
(ジャッキー・レマンチック)

ミッキー・ローク
(ブルーザー・ストーン)

アンドリュー・シュー
(クリフ・ライカー)
レッド・ウエスト (バディ・ブラック)
ジョニー・ホイットワース (ダニー・レイ・ブラック)
ウェイン・エモンズ (プリンス・トーマス)
エイドリアン・ロバーツ (ブッチ)

ロイ・シャイダー
(ウィルフレッド・キーリー)
ランディ・トラヴィス (ビリー・ポーター)
マイケル・ジラルディン (エヴェレット・ラフキン)
ランダル・キング (ジャック・アンダーホール)
ジャスティン・アシュフォース (F・フランクリン・ドナルドソン)
マイケル・キーズ・ホール (B・ボビー・ショウ)

ダニー・グローヴァー
(タイロン・キプラー判事)
概要
『レインメーカー』(The Rainmaker)は、ジョン・グリシャムの同名小説を原作としたフランシス・フォード・コッポラ監督による法廷ドラマ。
マット・デイモンが若き弁護士ルディ・ベイラーを演じ、ダニー・デヴィート、クレア・デインズ、ジョン・ヴォイトらが共演。
巨大保険会社を相手に正義を求める法廷闘争を軸に、主人公の成長と社会の不条理が描かれる作品。
ストーリー
ルディ・ベイラー(マット・デイモン)は新米弁護士で、厳しい状況にある依頼人を支援しようと奮闘している。彼の初めての大きな案件は、悪徳保険会社「グレート・ベネフィット」を相手取った裁判だった。この会社は白血病を患う若者ドニー・レイの治療費支払いを不当に拒否し、彼とその家族を窮地に追い込んでいた。
ルディは、経験豊富で風変わりな弁護士デック・シフレット(ダニー・デヴィート)と組み、巨大な企業を相手に孤独な戦いを始める。初めての法廷闘争に臨むルディは、対立する敏腕弁護士レオ・ドラムンド(ジョン・ヴォイト)からの激しい攻撃にさらされるが、正義を信じて引き下がらない。
その過程で、ルディは家庭内暴力に苦しむ女性ケリー・リッカー(クレア・デインズ)とも関わるようになる。彼女を助けたいという思いが、彼の人間性をさらに深く掘り下げる要素として描かれる。
裁判が進むにつれ、保険会社の腐敗や非道な行為が明らかになり、ルディはますます厳しい状況に追い込まれる。それでも彼は、依頼人のために正義を貫こうとする。物語は、個人の力が巨大な権力に立ち向かう可能性を描きつつ、司法制度や倫理観についての問いを投げかける。
エピソード
- マット・デイモンは若き弁護士役を自然に演じるため、実際の法廷での傍聴を行い、細かな動作や口調を研究した。
- ケリー役のクレア・デインズは、家庭内暴力の被害者をリアルに演じるため、心理学的なアプローチで役に深みを与えた。
- ダニー・デヴィートは撮影現場でも独特のユーモアで雰囲気を和らげ、特にデイモンとの掛け合いが注目された。
- 原作者のグリシャムは、映画の脚本とキャスティングに満足し、特にコッポラの監督手腕を高く評価した。
- コッポラは、法廷シーンのリアリティを高めるため、実際の弁護士や裁判所のスタッフをコンサルタントとして起用。
- 保険会社の不正を描く本作は、1990年代のアメリカにおける医療保険制度の問題を鋭く反映している。
- 若手のデイモンとベテランのデヴィートの掛け合いが好評を博した。
- 法廷シーンは綿密なリハーサルが行われ、キャスト全員の演技が緊張感を生み出した。
- 原作のエピソードは実際の事件を参考にしており、映画でもその背景が忠実に再現されている。
- 撮影は南部の実際の法廷や町並みで行われ、地域色が物語に深みを加えた。
感想
ルディのひたむきな姿、経験不足ながらも正義を信じて戦う彼の姿がすごく応援したくなるし、デックとの掛け合いもユーモラスで温かい。法廷ドラマとしての緊張感はもちろん、ケリーとの心の交流が優しさを加えていて、単なる法廷ものではない深さがあった。
特に、巨大な権力に立ち向かうルディの勇気が印象的で、観終わった後に自分も何かを変える力があると感じさせられる。もう少しルディとケリーのエピソードや、裁判後の彼の心情が描かれていたらさらに感情移入できたかもしれない。それでも、希望と挫折のバランスが絶妙で、観終わった後に「自分だったらどう行動するだろう?」と考えさせられる、深い余韻を残す話だった。
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