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友情ある説得 Friendly Persuasion 1956

友情ある説得
Friendly Persuasion
(アメリカ 1956)

[製作] ウィリアム・ワイラー/ロバート・ワイラー
[監督] ウィリアム・ワイラー
[原作] ジェサミン・ウエスト
[脚本] ジェサミン・ウエスト/マイケル・ウィルソン
[撮影] エルスワース・フレデリックス
[音楽] ディミトリー・ティオムキン
[ジャンル] ドラマ/戦争
[受賞]
カンヌ映画祭 グランプリ
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 主演女優賞(ドロシー・マクガイア

キャスト

ゲイリー・クーパー
(ジェス・バードウェル)

ドロシー・マクガイア
(エリザ・バードウェル)

アンソニー・パーキンス
(ジョッシュ・バードウェル)

リチャード・エアー (リトル・ジェス)
ロバート・ミドルトン (サム・ジョーダン)
フィリス・ラヴ (マーサ・‘マティ’・トゥルー・バードウェル)
ピーター・マーク・リッチマン (ガードナー・‘ガード’・ジョーダン)
ウォルター・カトレット (ウォルド・クィグリー教授)


概要

『友情ある説得』(Friendly Persuasion)は、1956年公開のアメリカ映画。監督はウィリアム・ワイラー、主演はゲイリー・クーパー、ドロシー・マクガイア、アンソニー・パーキンス。19世紀のアメリカ、南北戦争の時代を背景に、クエーカー教徒の一家が戦争と信仰の狭間で揺れる姿を描く。戦争映画というよりも、家族の絆や価値観の違いを優しく描いたヒューマンドラマとして評価されている。

ストーリー

1860年代、南北戦争が激化するアメリカ。ペンシルベニア州に住むクエーカー教徒の一家、バードウェル家は、信仰に従い「非暴力・非戦」を貫く平和主義者だった。家長のジェス・バードウェル(ゲイリー・クーパー)は、農場を営みながら妻エリザ(ドロシー・マクガイア)や3人の子供たちと穏やかに暮らしている。

しかし、長男のジョシュア(アンソニー・パーキンス)は、戦争の影響を受け、南軍の襲撃に備えようとする近隣の住民たちに心を動かされる。クエーカーの教えでは武器を持つことすら禁じられているが、ジョシュアは「家族や故郷を守るためには戦わなければならないのではないか」と悩む。

一方で、父ジェスは穏やかな性格ながらも、家族の安全を守るためには信仰だけでは済まされない現実を目の当たりにする。南軍の襲撃が迫る中、ジョシュアは家族に内緒で軍隊に参加し、戦場へと向かう。ジェスとエリザは、彼の決断を受け入れるしかなかった。

やがて、戦争はバードウェル家のすぐ近くまで迫り、ジェス自身も敵兵と対峙することになる。彼は銃を手にすることを拒むが、家族や村人を守るためにどう行動すべきか苦悩する。

戦争が終わり、ジョシュアは家に戻るが、彼は変わっていた。戦場の現実を経験した彼は、家族の元に戻ったものの、かつてのような純粋なクエーカーの信念に戻ることはできなかった。それでも、家族の愛と理解が彼を包み込み、バードウェル家はそれぞれの信念を尊重しながら再び歩み始めるのだった。


エピソード

ウィリアム・ワイラーのこだわり
監督のワイラーは戦争の悲惨さを描くのではなく、家族の視点で戦争を捉えることにこだわった。


ゲイリー・クーパーのキャスティング
クエーカーの厳格な教えに従う穏やかな父親役は、もともとクーパーのイメージとは異なっていたが、彼の持つ威厳が役柄に深みを与えた。


アンソニー・パーキンスのブレイク作
若き日のアンソニー・パーキンスが演じたジョシュア役は、彼のキャリアを飛躍させるきっかけとなった。


クエーカーの文化を忠実に再現
撮影にあたり、クエーカー教徒の文化や生活習慣を徹底的にリサーチし、衣装や話し方などにもこだわった。


南北戦争のリアルな描写
戦争のシーンは比較的控えめに描かれているが、当時の戦争の混乱と人々の恐怖はしっかりと表現されている。


映画のメッセージ性
戦争映画でありながら、「戦うべきか否か」という道徳的な問いを中心に展開する点が特徴的。


ジェスとエリザの夫婦関係
映画では、ジェスとエリザの関係が温かく描かれており、夫婦の対話が作品の重要な要素となっている。


ディミトリ・ティオムキンの音楽
映画音楽の巨匠ティオムキンが手掛けたスコアは、物語の優しさと葛藤を見事に表現している。


撮影中のユーモア
クーパーは真面目な役柄ながら、撮影の合間にはユーモアのある行動で共演者たちを和ませていた。


ウィリアム・ワイラーの演出スタイル
監督は役者に対して細かく指示を出すことで知られており、本作でも繊細な演技を求めた。


戦争映画としての異例の評価
戦争映画でありながら、「戦わないことの勇気」をテーマにした点がユニークだった。


南軍の描写に配慮
敵として描かれる南軍兵士たちも単なる悪役ではなく、戦争の現実に巻き込まれた人々として描かれている。


興行的成功
当時の観客にも受け入れられ、興行的にも成功を収めた。


撮影場所
物語の舞台であるペンシルベニア州を忠実に再現するため、田舎のロケーションを厳選。




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