ロバート・テイラー
Robert Taylor

1911年8月5日、アメリカ・ネブラスカ・フィリー生まれ。
1969年6月8日、アメリカ・カリフォルニア・サンタモニカで死去(肺ガン)。享年57歳。
本名スパングラー・アーリントン・ブルー。
身長177cm。
23歳の頃映画デビューし、美男スターとしてクラーク・ゲーブルと人気を二分した。
バーバラ・スタンウィックと離婚。
今回は、ハリウッド黄金期に「世界で最もハンサムな男」と称えられ、その完璧な横顔で全世界の女性を虜にしたスター、ロバート・テイラーをご紹介します。
彼は単なる二枚目俳優にとどまらず、MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)という巨大スタジオの看板を四半世紀にわたって背負い続けた、驚異的な持久力を持つ俳優でした。グレタ・ガルボやヴィヴィアン・リーといった伝説的女優たちの相手役を務め、甘いラブシーンで一世を風靡した一方で、後半生はタフなアクションや西部劇にも挑戦。端正な顔立ちの裏に、生真面目でストイックなプロフェッショナリズムを秘めた、ハリウッドの良心とも呼べる存在でした。
完璧な横顔、不滅のスター。ロバート・テイラー、黄金期の象徴
ロバート・テイラーの魅力は、彫刻のように整った顔立ちと、誠実さが滲み出る優雅な物腰にありました。
あまりの美男子ぶりに、当初は演技力を疑問視する声もありましたが、彼は誰よりも早く現場に入り、誰よりも熱心に役を研究することでその評価を覆しました。自分を過信せず、常に謙虚に仕事に向き合う姿勢は、気難しい大物女優たちからも絶大な信頼を得る要因となりました。銀幕で見せる彼の情熱的な眼差しは、観客にとって「理想の恋人」そのものであり、その輝きは今なお古典映画の中で色褪せることがありません。
✦ PROFILE & BACKGROUND
- 本名:スパングラー・アーリントン・ブルー
- 生涯:1911年8月5日 ~ 1969年6月8日(享年57歳)
- 出身:アメリカ・ネブラスカ州フィリー
- 背景:医者の息子として生まれ、大学では音楽(チェロ)を専攻。学生劇団で活動中にスカウトされ、1934年にMGMと契約。その後、24年間にわたって同スタジオの専属スターとして君臨するという、ハリウッド史上稀に見る記録を樹立しました。
- 功績:1930年代のロマンチック・ヒーローから、50年代の歴史スペクタクルや西部劇まで幅広く活躍。特に『哀愁』や『クォ・ヴァディス』などの大ヒット作により、ハリウッド黄金期の「顔」として世界中に記憶されています。
1. 究極の悲恋:哀愁
ヴィヴィアン・リーと共演した、恋愛映画の不朽の名作です。テイラーが演じたのは、第一次世界大戦下のロンドンで、霧のウォータールー橋で若き踊り子と運命的な出会いを果たす貴族出身の将校ロイ。彼の凛々しい軍服姿と、愛する女性を一途に想い続ける情熱的で誠実な瞳は、当時の世界中の女性を陶酔させました。
単なる甘い二枚目役に留まらず、戦争という抗えない力によって引き裂かれる男の苦悩と深い哀しみを、静かながらも重厚な演技で表現。彼自身も「自分のキャリアの中で最も気に入っている作品」として生涯大切にしていた、代表作中の代表作です。
2. 伝説の相手役:椿姫
「世紀の神話」と呼ばれた大女優グレタ・ガルボの相手役に大抜擢された記念碑的作品です。パリの社交界を舞台に、美貌の高級娼婦マルグリットに全霊の愛を捧げる世間知らずな青年アルマンを演じました。
ガルボが放つ圧倒的な神秘性と退廃的なオーラに対し、テイラーは若々しく純粋なエネルギーと、彫刻のような気品ある美しさで見事に呼応しました。この共演によって、彼は「ただの新人」から「ガルボに匹敵する風格を持つトップスター」へと昇華し、ハリウッドのあらゆる大女優たちが共演を熱望する「最高のパートナー」としての地位を確立したのです。
3. 歴史の動乱:クォ・ヴァディス
1950年代、テレビの普及に対抗してハリウッドが総力を挙げた歴史スペクタクル映画の先駆けとなった超大作です。暴君ネロが支配する古代ローマで、キリスト教徒の娘を愛した軍人マーカス・ヴィニシウスを演じました。
それまでの繊細な貴公子像から一転、鍛え上げられた肉体と力強い眼差しで、野性味溢れる軍人の勇猛さと、信仰と愛に目覚めていく魂の変遷をダイナミックに表現。製作費とスケールの巨大さに負けない圧倒的なスターの威光を見せつけ、世界的な大ヒットを記録しました。これにより、彼はアクション俳優としても再評価され、第二次黄金期を築くこととなりました。
🎭 トップスター同士の華麗なる恋愛遍歴
📜 ロバート・テイラーを巡る珠玉のエピソード集
1. 「世界一美しい男」の苦悩
デビュー当時はあまりの美貌ゆえに「ただの顔だけの俳優」と評されることもありました。彼はそのレッテルを剥がすため、誰よりも努力しました。台本を完全に頭に入れ、スタントが必要な場面でも極力自分でこなす姿勢は、周囲の偏見を実力でねじ伏せていきました。
2. MGMへの深い忠誠心
テイラーはMGMというスタジオを心から愛し、24年間一度も移籍することなく専属スターを全うしました。これは当時のハリウッドでも最長記録の一つです。スタジオ側も彼を「最も信頼できる俳優」として重用し、彼はまさに「MGMの息子」のような存在でした。
3. バーバラ・スタンウィック:伝説の「パーフェクト・カップル」
1939年、当時すでにトップスターであったバーバラ・スタンウィックと結婚。ハリウッド屈指の美男美女、そしてトップスター同士のカップルとして、その一挙手一投足が世界中の注目を集めました。
二人は約12年間、銀幕の内外で互いを支え合う理想の夫婦として知られましたが、1951年に惜しまれつつ離婚。しかし、その後も互いへの深い尊敬の念は消えず、テイラーが早世した際にはスタンウィックが人目を憚らず号泣したというエピソードは、二人の絆の深さを物語っています。
4. 音楽への情熱
俳優になる前はプロのチェリストを目指していたほど、音楽を愛していました。撮影の合間にも楽器を嗜み、その繊細な音楽的感性が、彼の演じるロマンチックな役どころに独特の深みと気品を与えていたと言われています。
5. 飛行機への憧れ
第二次世界大戦中、彼は海軍航空隊に入隊し、実際に飛行教官として活躍しました。映画の中だけでなく、私生活でも空を飛ぶことに情熱を注いでおり、戦後の作品でもその凛々しい操縦士姿を披露する機会がありました。
6. 誠実な人柄とスタッフへの敬意
彼はスター特有の気取りが一切ない人物でした。撮影現場では裏方スタッフの一人一人に声をかけ、名前を覚えるよう努めていたと言います。そのため、彼が亡くなった際、ハリウッドの多くの関係者が「真の紳士を失った」とその死を悼みました。
7. 親友ロナルド・レーガン
後のアメリカ大統領、ロナルド・レーガンとは若手時代からの親友でした。二人は政治的信条も近く、ハリウッドにおける保守派の重鎮として互いに支え合いました。テイラーの葬儀で弔辞を読んだのも、当時カリフォルニア州知事だったレーガンでした。
📝 まとめ:黄金期の残照、永遠に輝く二枚目スター
ロバート・テイラーは、ハリウッドが最も華やかだった時代をその「美しさ」と「誠実さ」で象徴した俳優でした。
彼のキャリアを振り返ると、常に作品の質を高め、共演者の魅力を引き立てる「最高のパートナー」であったことがわかります。彼が銀幕で見せた気高い微笑みと情熱的なドラマは、今も私たちの心に、失われた良き時代の面影を鮮やかに映し出してくれます。
[出演作品]
1934 23歳
我が家の誇り There’s Always Tomorrow
1935 24歳
歓楽の女王 Times Square Lady
空の軍隊 West Point of the Air
愛と光 Magnificent Obsession
1936 25歳
小都会の女 Small Town Girl
愛の花籠 Private Number
愛怨二重奏 His Brother’s Wife
豪華一大娘 The Gorgeous Hussy
椿姫 Camille
1937 26歳
座り込み結婚 Personal Property
1938 27歳
響け凱歌 A Yank at Oxford
三人の仲間 Three Comrades
群衆は叫ぶ The Crowd Roars
1939 28歳
レディ・オブ・ザ・トロピクス Lady of the Tropics
1940 29歳
1941 30歳
When Ladies Meet
Johnny Eager
1942 31歳
Her Cardboard Lover
Stand by for Action
1943 32歳
The Youngest Profession
Bataan
1944 33歳
Song of Russia
1945 34歳
Primary Flight Training: Taxiing and Take-offs
Primary Flight Training: Before You Fly
1946 35歳
1947 36歳
High Wall
1949 38歳
賄賂 The Bribe
1950 39歳
流血の谷 Devil’s Doorway
1951 40歳
女群西部へ! Westward the Women
1952 41歳
1953 42歳
荒野の疾走 Ride, Vaquero!
兄弟はみな勇敢だった All the Brothers Were Valiant
1954 43歳
王家の谷 Valley of the Kings
悪徳警官 Rogue Cop
1955 44歳
渡るべき多くの河 Many Rivers to Cross
1956 45歳
最後の銃撃 The Last Hunt
あの日あのとき D-Day the Sixth of June
1958 47歳
西部の旅がらす Saddle the Wind
ゴーストタウンの決斗 The Law and Jake Wade
暗黒街の女 Party Girl
決断 The Hangman
1959 48歳
キリマンジャロの決斗 Killers of Kilimanjaro
ミステリー61 (TV)
1963 52歳
第二次大戦秘話・白馬奪回作戦 Miracle of the White Stallions
決闘ブラックヒル Cattle King
1964 53歳
禁じられた家 A House Is Not a Home
ナイト・ウォーカー 夜歩く者 The Night Walker
1967 56歳
ガンファイターが帰って来た Return of the Gunfighter
荒野のアパッチ Hondo and the Apaches
1968 57歳
青春ダイナマイト Where Angels Go Trouble Follows!
Le rouble à deux faces












