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[男優] ローレンス・オリヴィエ Laurence Olivier 出演作品一覧|プロフィール|エピソード | 嵐が丘

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ローレンス・オリヴィエ
Laurence Olivier

1907年5月22日、イギリス・サリー・ドーキング生まれ。
1989年7月11日、イギリス・ウエストサセックスで死去(腎不全)。享年82歳。
15歳で「じゃじゃ馬ならし」のヒロイン役で舞台デビューし、シェイクスピア俳優として活躍。
23歳の時映画デビュー。
ヴィヴィアン・リーと大恋愛の末結婚したが、その後彼女が精神不安定になり、やがて破局した。
その後はジョーン・プローライトと連れ添った。

今回は、20世紀最高の俳優と称えられ、演劇界と映画界の頂点に君臨したローレンス・オリヴィエをご紹介します。

彼はシェイクスピア劇の権威として、舞台俳優としての圧倒的な技術を映画に持ち込み、格調高い名作を数多く遺しました。しかし、その輝かしいキャリアの裏側には、完璧主義ゆえの激しい気性や、当時のハリウッドを騒がせたヴィヴィアン・リーとの美しくも悲劇的なロマンスなど、人間味あふれるドラマが隠されています。気高い王から狡猾な悪役まで、変幻自在に演じ分けた彼の真髄に迫ります。


演劇界の太陽。ローレンス・オリヴィエが築いた「究極の演技」

オリヴィエの演技は、徹底的な計算と肉体的な訓練に基づいた「技巧の極致」です。

彼は、台詞の一言一句、身のこなしの一つ一つにこだわり、役になりきるために鼻の形を変えるメイクを施すなど、外見的な変装も厭いませんでした。そのあまりに完璧な技術は、時に「技巧に走りすぎている」という批判を招くこともありましたが、彼がスクリーンで見せた爆発的な感情の噴出は、観客の魂を激しく揺さぶりました。名声に甘んじることなく、常に新しい挑戦を続けたその姿勢は、今もすべての俳優にとっての北極星です。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:ローレンス・ハド・オリヴィエ
  • 生涯:1907年5月22日 ~ 1989年7月11日(享年82歳)
  • 出身:イギリス・サレー州ドーキング
  • 背景:牧師の家庭に育ち、幼少期から演劇の才能を発揮しました。ロンドンの舞台で頭角を現し、ハリウッド進出後、端正な容姿と確かな演技力で世界的なスターとなりました。
  • 功績:アカデミー主演男優賞、特別賞など計4回受賞。1947年には俳優として初めてナイトの称号を授与されました。


1. 文学的な情熱の極み:嵐が丘

エミリー・ブロンテの名作をウィリアム・ワイラー監督が映画化した本作で、オリヴィエは愛と復讐に燃える主人公ヒースクリフを演じました。

当初、舞台的な大げさな演技をワイラーに厳しく矯正され、現場では激しい衝突もあったと言われていますが、完成した映像の中の彼は、荒野の風のような荒々しさと繊細さを併せ持つ、史上最高のヒースクリフとなりました。この作品の成功により、彼は「二枚目の大スター」としての地位を不動のものにしました。

2. シェイクスピア映画の金字塔:ハムレット

オリヴィエ自らが監督・主演を務めた、映画史に残るシェイクスピア映画です。 舞台劇をそのまま撮るのではなく、深い霧や影を強調したフィルム・ノワール的な演出を取り入れ、「悩める王子」の内面を視覚的に表現しました。

自らの声を録音して心の声として流すなど、当時の映画技術を駆使した挑戦的な試みが評価され、非アメリカ映画として初めてアカデミー作品賞を受賞するという快挙を成し遂げました。

3. 晩年の怪演と執念:マラソン マン

キャリア晩年、ナチスの残党である歯科医ゼルを演じ、若き日のダスティン・ホフマンと対峙した一作。 「安全か?(Is it safe?)」と問いかけながら拷問を行うシーンの冷酷さは、観客にトラウマを植え付けるほどの衝撃を与えました。

メソッド演技(役の感情を実体験として追体験する手法)を用いるホフマンに対し、技術で役を作るオリヴィエが「君、演技をしてみたらどうだい? そのほうがずっと楽だよ」と皮肉ったエピソードは、あまりにも有名です。


🎭 ローレンス・オリヴィエを巡る珠玉のエピソード集

1. ヴィヴィアン・リーとの「世紀の恋」と破滅

オリヴィエの人生を語る上で欠かせないのが、女優ヴィヴィアン・リーとのロマンスです。二人は互いに配偶者がいながら激しい不倫関係に落ち、泥沼の末に結婚しました。美男美女のカップルとして羨望を集めましたが、ヴィヴィアンの精神的な病や、お互いのキャリアへの嫉妬、激しい愛憎の果てに、20年後の離婚という悲劇的な結末を迎えました。彼の人生で最も輝かしく、同時に最も苦しい恋でした。

2. 「鼻」への異常なこだわり

彼は自分の容姿が役柄を限定することを嫌い、出演作ごとに付け鼻やメイクで顔を変えることを楽しみました。「鼻の形が決まれば、その役の半分は完成したようなものだ」と語るほど、外見の変装を演技の入り口として重要視していました。

3. ライバル、ジョン・ギールグッドとの絆

同時代の名優ジョン・ギールグッドとは、常に「どちらが最高のシェイクスピア俳優か」を競い合うライバル関係にありました。しかし、二人はお互いの才能を深く尊敬し合っており、オリヴィエが自らの演出に悩んだ際には、ギールグッドの助言を仰ぐなど、英国演劇界を支える二本の柱として美しい友情を保ちました。

4. 作家性への批判と「技巧」の壁

一部の批評家からは、その演技が「あまりに技巧的で、心に響かない」と批判されることもありました。特に晩年、派手なメイクやアクセントを強調する演技が続くと、「オリヴィエは演技をしている自分に恋をしている」と皮肉られることもありましたが、彼は最期まで「技術こそが俳優の武器である」という信念を曲げませんでした。

5. ナショナル・シアターの創設

彼は俳優としてだけでなく、イギリス国立劇場の初代監督として、後進の育成と劇場の基盤作りに尽力しました。自らが病に侵されながらも、舞台の質を維持するために奔走したその姿は、英国演劇界の「父」としての責任感に満ちていました。

6. 戦火の中の愛国心

第二次世界大戦中、彼は海軍の予備役として空軍の訓練を受け、航空部隊の士官を務めました。また、プロパガンダ映画『ヘンリー五世』を監督・主演し、戦時下のアメリカやイギリスの人々を鼓舞しました。戦地へ向かう兵士たちのために最前線でシェイクスピアを演じ続けたその勇気は、国民から深い尊敬を集めました。


📝 まとめ:技巧に命を吹き込んだ王道の名優

ローレンス・オリヴィエは、演技という技術を芸術の域まで高めた不世出の巨匠です。

ヴィヴィアン・リーとの波乱に満ちた私生活や、時に批判を浴びた完璧主義的な演出スタイルは、彼という人間がどれほど激しい情熱と苦悩を抱えていたかの証でもあります。

王から犯罪者まで、あらゆる役柄をその「技術」で支配し、観客を魅了し続けた彼の歩みは、映画と舞台という二つの世界に消えることのない大きな足跡を残しました。彼が遺した名作の数々は、今もなお「本物の演技とは何か」を問い続けています。



[出演作品]

1930   23歳

Too Many Crooks
The Temporary Widow

1935   28歳

勇気ある男     Moscow Nights

1936   29歳

お気に召すまま     As You Like It

1937   30歳

無敵艦隊     Fire Over England
淑女は離婚がお好き     The Divorce of Lady X

1939   32歳

スパイは暗躍する     Q Planes
嵐が丘     Wuthering Heights

1940   33歳

21日間     21 Days
レベッカ     Rebecca



1941   34歳


潜水艦轟沈す     49the Parallel

1944   37歳

ヘンリィ五世     Henry V (製・監)

  アカデミー賞主演男優賞


1948   41歳

ハムレット     Hamlet (製・監・脚)



1952   45歳

1953   46歳

三文オペラ     The Beggar’s Opera (製)

1955   48歳

リチャード三世     Richard III(監)

1957   50歳

王子と踊子     The Prince and the Showgirl (製・監)


1959   52歳

悪魔の弟子     The Devil’s Disciple

1960   53歳

寄席芸人     The Entertainer
スパルタカス     Spartacus

1962   55歳

可愛い妖精     Term of Trial

1965   58歳


オセロ     Othello

1966   59歳

カーツーム     Khartoum
栄光の座     The Shoes of the Fisherman

1968   61歳

ロミオとジュリエット     Romeo and Juliet (声)


1969   62歳

素晴らしき戦争     Oh! What a Lovely War


さすらいの旅路     David Copperfield

1970   63歳

三人姉妹     Three Sisters

1971   64歳

ニコライとアレキサンドラ     Nicholas and Alexandra

1972   65歳

探偵スルース     Sleuth


レディ・カロライン     Lady Caroline Lmb

1975   68歳

恋の旅路     Love Among the Ruins

1976   69歳

シャーロック・ホームズの素敵な挑戦     The Seven-Per-Cent Solution
マラソンマン     Marathon Man

1977   70歳

遠すぎた橋     A Bridge Too Far

1978   71歳

ベッツィー     The Betsy
ブラジルから来た少年     The Boys from Brazil

1979   72歳

リトル・ロマンス     A Little Romance


ドラキュラ     Dracula

1980   73歳

ジャズ・シンガー     The Jazz Singer

1981   74歳

インチョン!     Inchon


華麗なる貴族     Brideshead Revisited  (TV)

1983   76歳

ミセス・アン/殺しのシナリオ     A Talent for Murder  (TV)
リア王     King Lear  (TV)
ワーグナー/偉大なる生涯     Wagner  (TV)

1984   77歳

わが父を巡る航海     A Voyage Round My Father  (TV)
バウンティ 愛と反乱の航海     The Bounty
ジグソーマン     The Jigsaw Man

1985   78歳

ワイルド・ギースII     Wild Geese II
画家と美女の奇妙な生活     The Ebony Tower

1986   79歳

愛と闘いの日々 ロマノフ王朝大帝ピョートルの生涯     Peter the Great  (TV)

1989   81歳

ウォー・レクイエム     War Requiem

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