ブルーバレンタイン
Blue Valentine
(アメリカ 2011)
[製作総指揮] ダグ・デイ/ライアン・ゴズリング/ジャック・レヒナー/スコット・オスマン/ミシェル・ウィリアムズ/マーク・ブルック/カシアン・エルウェス/レナ・ロンソン
[製作] アレックス・オルロフスキー/リネット・ハウエル・テイラー/ジェイミー・パトリコフ/キャリー・フィックス
[監督] デレク・シアンフランス
[脚本] デレク・シアンフランス/ジョーイ・カーティス/キャミー・デラヴィーニュ
[撮影] アンドリー・パレク
[音楽] グリズリーベア
[ジャンル] ドラマ/恋愛
[受賞] サンフランシスコ映画批評家協会賞 女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)
キャスト

ライアン・ゴズリング
(ディーン・ペレイラ)

ミシェル・ウィリアムズ
(シンディ・ヘラー)
フェイス・ウラジカ (フランキー)
ジョン・ドーマン (ジェリー)
マイケル・フォーゲル (ボビー・オンタリオ)
メアリーアン・プランケット (グレンダ)
ベン・シェンクマン (ファインバーグ博士)
イーニッド・グラハム (教授)
タマラ・トーレス (マリア)
ストーリー
若くして出会い、恋に落ちた男女の輝く時間と、年月を重ねた末にすれ違っていく現在が、交互に描かれていく物語である。
看護師を目指すシンディと、定職を持たず気ままに生きるディーンは、価値観も背景も異なりながら、強い引力に導かれるように結ばれていく。出会った頃のふたりは、未完成で不器用だが、未来を信じる力に満ちている。
やがて結婚し、子どもを持った現在のふたりには、かつてのときめきはない。仕事と家庭に追われるシンディと、変わらないままでいたいディーンの間には、埋めがたい溝が生まれている。関係を修復しようと訪れたモーテルでの一夜は、愛を取り戻す試みであると同時に、互いの失望を浮き彫りにする時間となる。過去の幸福な記憶が鮮やかであるほど、現在の痛みはより深く胸に刺さる。
この映画が突きつけるのは、愛が終わる瞬間の劇的な破綻ではなく、少しずつ積み重なった違和感と疲労の行き着く先である。誰が悪いわけでもなく、それでも一緒にいられなくなる現実。その残酷さを、感情を煽ることなく見つめ続ける視線がある。恋が愛に変わり、やがて形を失っていく過程を、ここまで正直に描いた作品は稀であり、観る者それぞれの記憶を静かに呼び覚ます一本である。


