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ベティ・サイズモア Nurse Betty 2000 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】| レネー・ゼルウィガー

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現実に絶望した主婦が、ドラマの世界へ逃避行――殺し屋さえも魅了する、純粋すぎる狂気と希望が交錯するブラック・コメディ!

ベティ・サイズモア
Nurse Betty
(アメリカ・ドイツ 2000)

[製作総指揮] モリッツ・ボーマン/スティーヴン・ペヴナー/クリス・シーヴァーニッチ/フィリップ・ステアー
[製作] スティーヴ・ゴリン/W・マーク・マクネア/ゲイル・マトラックス/アルバート・M・シャピロ
[監督] ニール・ラビュート
[原作] ジョン・C・リチャーズ
[脚本] ジョン・C・リチャーズ/ジェームズ・フランバーグ
[撮影] ジャン・イヴ・エスコフィエ
[音楽] ロルフ・ケント
[ジャンル] コメディ/スリラー
[受賞]
カンヌ映画祭 脚本賞
ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(レネー・ゼルウィガー)

キャスト

モーガン・フリーマン
(チャーリー)

レネー・ゼルウィガー
(ベティ・サイズモア)

クリス・ロック
(ウェズリー)

グレッグ・キニア
(Dr.デヴィッド・ラヴェル/ジョージ・マッコード)

アーロン・エッカート
(デル・サイズモア)

ティア・テキサダ (ローザ・ヘルナンデス)

クリスピン・グローヴァー
(ロイ・オステリー)

プルート・テイラー・ヴィンス (エルドン・バラード保安官)
アリソン・ジャニー (ライラ・ブランチ)
キャスリーン・ウィルホイト (スー・アン・ロジャース)
エリザベス・ミッチェル (クロエ・ジャンセン)
スーザン・バーンズ (ダーリーン)
ハリエット・サンソム・ハリス (エレン)

クリストファー・マクドナルド
(デュアン・クーリー(カット))




ストーリー

カンザス州の田舎町で、自分勝手な夫デル(アーロン・エッカート)に仕えながら退屈な日々を送る主婦ベティ(レネー・ゼルウィガー)。彼女の唯一の心の支えは、昼ドラ『愛の場所』に登場するイケメン外科医、デヴィッド・ラヴェル(グレッグ・キニア)に恋をすることだった。ある日、ベティは自宅で夫が二人の殺し屋に惨殺される現場を目撃してしまう。あまりのショックに彼女の精神は解離し、「自分は看護師で、元婚約者のデヴィッドが自分を待っている」という妄想の世界に逃げ込んでしまう。

ベティは愛車を走らせ、ロサンゼルスにあるドラマの撮影スタジオを目指して旅に出る。そんな彼女を追うのが、夫を殺したベテラン暗殺者のチャーリー(モーガン・フリーマン)とその弟子ウェズリー(クリス・ロック)だった。彼らはベティの車の中に隠された麻薬を探していたが、追跡を続けるうちに、チャーリーはベティが残した足跡や彼女の純粋な人柄に触れ、いつしか会ったこともない彼女に恋心を抱くようになる。

ようやく憧れのデヴィッド(を演じる俳優)に再会したベティだったが、彼女の「看護師」という設定があまりに完璧だったため、俳優のデヴィッドは彼女を「役作りで潜入している天才女優」だと勘違いし、ドラマに出演させてしまう。しかし、撮影現場でようやく自分が妄想の中にいたことに気づいたベティは、深い失望に襲われる。

そこへついにチャーリーたちが現れる。チャーリーはベティを殺すために銃を向けるが、彼女の瞳の中に自分が抱いていた理想の女性像を見出し、引き金を引くことができない。結局、麻薬を巡るトラブルから銃撃戦となり、チャーリーは命を落とすが、最期に本物のベティに出会えたことに満足げな笑みを浮かべる。事件解決後、自分を取り戻したベティは、誰かの影として生きるのではなく、本物の看護師になるという自分の夢を叶えるため、颯爽と新たな人生へと踏み出す。

エピソード・背景

  • モーガン・フリーマンの「恋する殺し屋」
    殺し屋でありながら、追跡対象であるベティに対して、写真や持ち物から「彼女こそが自分の理想の女性だ」と夢想を膨らませていきます。彼の知的な渋さが、この少し風変わりでロマンチックな設定に絶妙な説得力を与えていました。
  • レネー・ゼルウィガーの出世作
    『ブリジット・ジョーンズの日記』の前年に公開された本作で、レネーはゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しました。現実と妄想の境目がわからなくなった女性の危うさと愛らしさを、見事に演じきっています。
  • カンヌでの評価
    監督のニール・ラビュートは、この毒気のあるコメディでカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞しました。単なるコメディに留まらない、人間の孤独やメディアへの皮肉が効いた物語が高く評価されました。
  • 豪華なサイドキャスト
    モーガンの弟子役にはクリス・ロック、ドラマの俳優役にはグレッグ・キニアと、一癖も二癖もある実力派が揃っています。特にクリス・ロックとモーガンの、噛み合っているようで絶妙なバディ感は必見です。
  • 昼ドラへのオマージュ
    劇中に登場する『愛の場所』は、アメリカの典型的なソープオペラを徹底的にパロディ化しています。その大真面目なバカバカしさが、ベティの置かれた過酷な現実との対比を際立たせています。


まとめ:作品が描いたもの

本作は、残酷な現実に壊れてしまった心が、皮肉にも「妄想」というクッションを経て、真の自立へと向かう姿を描いた再生の物語です。ベティの狂気は一見滑稽ですが、それは現代社会で誰もが抱える「どこか別の場所へ行きたい」という切実な願いの裏返しでもあります。

モーガン・フリーマン演じるチャーリーもまた、殺伐とした裏社会で「ありもしない理想」をベティに投影していました。二人の孤独な魂が、追う者と追われる者という関係を超えて、精神的な次元で共鳴し合う構成が見事です。ブラックな笑いの中に、人間への深い慈しみが感じられる、2000年代を代表する一風変わった傑作と言えるでしょう。

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