哀愁
Waterloo Bridge
(アメリカ 1940)
[製作] シドニー・フランクリン/マーヴィン・ルロイ
[監督] マーヴィン・ルロイ
[原作] ロバート・E・シャーウッド
[脚本] S・N・バーマン/ハンス・ラモウ/ジョージ・フローシェル
[撮影] ジョゼフ・ルッテンバーグ
[音楽] ハーバート・ストザート
[ジャンル] ドラマ/恋愛/戦争
ヴィヴィアン・リー
(マイラ・レスター)
ロバート・テイラー
(ロイ・クローニン)
ルシール・ワトソン (マーガレット・クローニン)
ヴァージニア・フィールド (キティ・メレディス)
マリア・オースペンスカヤ (オルガ・キロワ)
C・オーブリー・スミス (公爵)
ジャネット・ショー (モーリン)
ジャネット・ウォルド (エルザ)
ステフィ・ドゥナ (リディア)
ヴァージニア・キャロル (シルヴィア)
リーダ・ニコワ (マリー)
フローレンス・ベイカー (ベアトリス)
マージェリー・マニング (メアリー )
フランシス・マッキナーニー (ヴァイオレント・‘ヴィー’)
エレノア・スチュワート (グレイス)
『哀愁』は1940年に公開されたアメリカのロマンティックドラマ映画。監督はマーヴィン・ルロイ、主演はヴィヴィアン・リーとロバート・テイラー。映画は、第一次世界大戦中のロンドンを舞台に、恋人たちの切ないラブストーリーを描いている。エイ・J・クローニンの舞台劇を原作とし、戦争と社会の中で翻弄される男女の姿を描く。
物語は、ロンドンのウォータールー橋で中年のロイ・クローン卿(ロバート・テイラー)が思い出に浸る場面から始まる。彼は、第一次世界大戦中にここで出会った恋人マイラ(ヴィヴィアン・リー)との過去を振り返る。
戦時中、若き軍人ロイはバレリーナのマイラと偶然出会い、互いに惹かれ合う。二人は急速に親密になり、結婚を約束するが、ロイは戦場へ戻らなければならなくなる。彼の出発後、マイラは彼が戦死したとの誤報を受け、深い悲しみに陥る。
中盤では、マイラが生活の困窮と精神的な苦痛に耐えながら、ダンスの仕事を失い、絶望の中で売春に手を染める様子が描かれる。彼女はロイへの愛を捨てられないが、社会的な偏見と自身の選択による絶望感から、二人の再会を諦めかける。
原作舞台劇:
映画はエイ・J・クローニンの舞台劇を原作としており、1931年にも同名の映画が製作されているが、1940年版はより有名になった。
ヴィヴィアン・リーのキャスティング:
ヴィヴィアン・リーは『風と共に去りぬ』の成功後、この映画で主役を演じ、彼女の演技は非常に高く評価された。
ロバート・テイラーの役柄:
テイラーは当初、この役に適任ではないと感じていたが、最終的に彼の演技が映画の感動を深めることになった。
撮影場所:
映画の舞台であるロンドンのウォータールー橋は、スタジオセットとカリフォルニアのロケーションで再現された。
監督の手腕:
マーヴィン・ルロイは、感動的な物語を視覚的に美しく描き、キャラクターの感情を深く掘り下げた演出で知られる。
ヴィヴィアン・リーの演技:
リーの繊細で力強い演技が、特にマイラの苦悩と絶望を見事に表現している。
興行成績:
映画は公開当時、商業的にも成功し、多くの観客を感動させた。
批評家の評価:
映画はその時代のラブストーリーの名作として評価され、批評家からも高い評価を得た。
原作との違い:
映画は舞台劇と異なり、特に結末においてより悲劇的な要素を強調している。
ファッション:
ヴィヴィアン・リーが着用した衣装は、当時のファッションにも影響を与えた。
口ひげ:
ロバート・テイラーが口ひげを生やして登場した最初の映画だった。
『哀愁』は、ヴィヴィアン・リーの感動的な演技とマーヴィン・ルロイの優れた演出によって、深い感情を呼び起こす作品として評価されている。映画は、戦争の影響や社会的な偏見が人々の人生にどのように影響するかを繊細に描いており、特にマイラとロイの悲劇的な愛の物語が観客の心に響く。映画のビジュアルと音楽もまた、感情的な影響を増幅させ、全体として時代を超えたクラシックなラブストーリーを形成している。『哀愁』は、今なお多くの人々に愛され続けている。
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