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[女優] アンジェラ・ランズベリー Angela Lansbury  出演作品一覧|プロフィール|エピソード

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アンジェラ・ランズベリー
Angela Lansbury

1925年10月16日、イギリス・ロンドン・リージェントパーク生まれ。
2022年10月11日、アメリカ・カリフォルニア・ロサンゼルスで永眠。享年96歳。
本名アンジェラ・ブリジット・ランズベリー。
身長173cm。
祖父、父は著名な政治家、母はアイルランドの女優。
映画、TV、舞台で幅広く活躍。
TV「ジェシカおばさんの事件簿」でも活躍。
ピーター・ショー夫人。

今回ご紹介するのは、弱冠17歳でオスカー候補となった神童であり、後に「ミステリーの女王」として世界中の茶の間を虜にした大女優、アンジェラ・ランズベリーです。

彼女は、ハリウッド黄金期のグラマラスなスターたちとは一線を画す、卓越した「性格俳優」としての才能を持っていました。20代の頃から、実年齢を遥かに上回る母親役や複雑な悪女を演じ分ける老練さを見せ、その演技の幅の広さは共演者たちを驚愕させました。

さらに、舞台ミュージカルでの圧倒的な歌唱力、そして晩年のテレビドラマでの爆発的な成功と、70年以上にわたりエンターテインメントの全ジャンルで頂点を極め続けた、まさに「歩く演技芸術」とも言える存在でした。


輝ける変幻の魂。アンジェラ・ランズベリー、知性と情熱の軌跡

アンジェラ・ランズベリーの魅力は、役柄に完璧に同化しながらも、常にどこか品格と知性を感じさせる佇まいにあります。

イギリスから渡米し、デビュー作でいきなり脚光を浴びた彼女は、型にはまることを拒み続けました。冷酷な毒親から、ユーモア溢れる魔女、そして洞察力鋭い名探偵まで。彼女が演じるキャラクターには、常に血の通ったリアリティと、観客を惹きつけて離さない人間味が宿っていました。

どんな時代、どんなメディアにあっても、彼女の存在は「本物の証」であり、その温かな眼差しは、スクリーンやブラウン管を通じて多くの人々に深い安心感を与え続けてきました。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:アンジェラ・ブリジット・ランズベリー
  • 生涯:1925年10月16日 ~ 2022年10月11日(享年96歳)
  • 出身:イギリス・ロンドン
  • 背景:政治家の祖父と女優の母を持ち、戦火を逃れてアメリカへ移住。17歳で映画デビューし、瞬く間に演技派としての地位を確立しました。1960年代後半からは舞台ミュージカルでもその才能を開花させ、1980年代にはTV界のアイコンとなりました。
  • 功績:アカデミー賞ノミネート3回(後に名誉賞受賞)、トニー賞受賞5回(演劇部門最多記録の一つ)、エミー賞ノミネート18回、ゴールデングローブ賞受賞6回。演劇界への多大な貢献により、イギリス王室から「デイム(Dame)」の称号を授与されています。

🏆 主な功績・活動

出来事備考
1944『ガス燈』で映画デビュー10代でアカデミー助演男優賞にノミネート
1962『影なき狙撃者』公開映画史上最悪の母親役と称される名演
1966舞台『メイム』初演トニー賞主演女優賞を受賞し、ミュージカル界の女王へ
1984『ジェシカおばさんの事件簿』放送開始12年にわたる大ヒットシリーズとなる
1991『美女と野獣』公開ポット夫人の声と歌唱で世界的な愛される
2013アカデミー名誉賞 受賞長年の功績を讃えて授与

1. 鮮烈な初陣:ガス燈

巨匠ジョージ・キューカー監督に見出されたデビュー作です。

イングリッド・バーグマン演じる主人公を心理的に追い詰める生意気なメイド、ナンシーを演じました。わずか17歳とは思えない、計算高い視線と小馬鹿にしたような笑みを浮かべる彼女の演技は、主演を食うほどのインパクトを放ち、いきなりオスカー候補に。ハリウッドに「恐るべき新人」の誕生を告げました。

2. 究極の悪女:影なき狙撃者

映画史に残る「冷酷な母親」の代表格として語り継がれる作品です。

息子を洗脳し、冷徹な政治的野望のために利用するアイズリン夫人を怪演。当時、息子役のローレンス・ハーヴェイとは実年齢で3歳しか違いませんでしたが、その圧倒的な貫貫禄と知的な恐怖によって、観客に強い戦慄を与えました。3度目のオスカーノミネートとなった、彼女のキャリア最高の映画演技の一つです。

3. 異色の冒険:ナイル殺人事件

アガサ・クリスティの名作ミステリーの映画化です。

プライスやティアニーと並ぶ名優たちが集結する中、彼女はアルコール中毒の通俗作家サロメ・オッタボーンをコミカルに演じました。ターバンを巻き、派手な衣装で大げさに振る舞う姿は、それまでのシリアスな役柄とは対極にあり、彼女のコメディエンヌとしての卓越したセンスを世界に知らしめました。

4. 世界のポット夫人:美女と野獣

ディズニー・アニメーションの金字塔において、ポット夫人の声を担当しました。

優しさと知恵に満ちた彼女の声は、物語に深い温もりを与え、主題歌「Beauty and the Beast」の歌唱シーンは、映画史に残る最も感動的な瞬間の一つとなりました。彼女の歌声は、子供から大人まで世代を超えて愛され、彼女の新たな代表作となりました。

5. 最後の輝き:メリー・ポピンズ リターンズ

往年の名作の続編に、風船売りの老婆として特別出演しました。

90代になっても変わらぬ澄んだ歌声と、慈愛に満ちた微笑み。彼女が空へ舞い上がるシーンは、黄金期から現代までを駆け抜けた彼女自身の輝かしいキャリアへのオマージュのようでもあり、映画ファンにとって至福の贈り物となりました。


📜 アンジェラ・ランズベリーを巡る知られざるエピソード集

1. ピーター・ショウとの「70年の愛の物語」

最初の結婚での失敗を経て、1949年に結婚した俳優・エージェントのピーター・ショウとは、2003年に彼が亡くなるまで54年間にわたり、ハリウッドで最も固い絆で結ばれた夫婦として知られていました。彼はアンジェラのキャリアを影で支え、彼女が舞台やTVで自由に才能を発揮できるよう献身的に尽くしました。アンジェラは「彼がいなければ、今の私はいない」と語り、彼への愛を終生大切にしました。

2. 子供たちを守るための「アイルランドへの亡命」

1970年代初頭、彼女の子供たちが当時蔓延していたドラッグ文化や、悪名高いカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーとの関わりに巻き込まれそうになった際、彼女はハリウッドのキャリアをすべて捨てて、家族でアイルランドへ移住するという大胆な決断を下しました。そこで1年近く、映画の仕事を受けずに母親としての役割に専念し、子供たちを立ち直らせました。この「母の強さ」こそが、彼女の演技に深みを与える源泉となりました。

3. 「老け役」を引き受け続けた20代

彼女は20代の頃から、40代や50代の役を依頼されることが非常に多い女優でした。ハリウッドの多くの女優が若さに固執する中、彼女は「役として面白いかどうか」を基準に選び、あえて老け顔のメイクをして複雑な内面を持つ女性たちを演じました。この時期の「性格俳優」としての修行が、後の『ジェシカおばさんの事件簿』などの長寿番組を支える強靭な演技体力の土台となりました。

4. 『ジェシカおばさん』誕生の裏側

彼女がジェシカ・フレッチャー役を引き受けたのは、50代後半になってからでした。当初、周囲からは「TVドラマはキャリアの格を下げる」と反対されましたが、彼女は「普通の知的な女性が活躍する物語が必要だ」と直感し、出演を決めました。結果、番組は世界中で愛され、彼女は「全米で最も信頼される女性」に選ばれるほどの社会的影響力を持つようになりました。

5. 奇跡の歌声、一発撮りの「美女と野獣」

ポット夫人の歌を録音する際、彼女は当初「私の声はこの曲には少し古すぎるのではないか」と心配していました。しかし、作曲家の強い希望でスタジオに入ると、オーケストラをバックにわずか1テイクで完璧に歌い上げました。その場にいたスタッフ全員が涙を流したという伝説のレコーディングは、彼女のプロフェッショナリズムと魂の深さを象徴する出来事です。

6. 舞台での圧倒的な存在感

彼女は生涯で5つのトニー賞を獲得しましたが、特に『メイム』や『スウィーニー・トッド』でのパフォーマンスはブロードウェイの伝説となっています。80代を過ぎても3時間近い舞台に立ち続け、若手俳優よりもパワフルに歌い踊る彼女の姿は、演劇界の生ける伝説として畏敬の念を集めていました。「引退」という言葉は彼女の辞書にはなく、常に次のステージを見据えていました。


📝 まとめ:変幻自在の翼で飛び続けた映画人生

アンジェラ・ランズベリーは、その類まれな知性と勇気をもって、女優という職業の可能性を無限に広げ続けた、まさにエンターテインメントの巨人でした。

その歩みは、10代での鮮烈な成功に始まり、家族を守るための決断、舞台での再評価、そしてTV界での世界的な成功という、非常に多角的で誠実なプロセスでもありました。ピーター・ショウとの深い愛や、子供たちのためにキャリアを中断した決断力――それらすべてが彼女の血肉となり、ポット夫人の優しさやジェシカおばさんの鋭い洞察力へと昇華されました。

96歳で幕を閉じたその生涯は、メリー・ポピンズの風船のように軽やかに、そして高く、最後まで人々に夢と希望を届け続けた、ひとつの偉大なる女優としての映画人生でした。






[出演作品]

1944   19歳

ガス燈     Gaslight


緑園の天使     National Velvet

1945   20歳

ドリアン・グレイの肖像     The Picture of Dorian Gray

  ゴールデングローブ賞助演女優賞

1946   21歳


1947   22歳


1949   24歳

赤きダニューブ     The Red Danube

1952   27歳

1955   30歳


ダニー・ケイの黒いキツネ     The Court Jester

1958   33歳

長く熱い夜     The Long, Hot Summer

1960   35歳

17年目の恋の季節     Summer of the Seventheenth Doll


階段の上の暗闇     The Dark at the Top of the Stairs

1961   36歳

1962   37歳

影なき狙撃者     The Manchurian Candidate

1964   39歳

マリアンの友だち     The World of Henry Orient

1965   40歳

偉大な生涯の物語     The Greatest Story Ever Told


モール・フランダースの愛の冒険     The Amorous Adventures of Moll Flanders

1970   45歳

すべての人のもの     Something for Everyone

1971   46歳

ベッドかざりとほうき     Bedknobs and Broomsticks

1978   53歳

ナイル殺人事件     Death on the Nile

1979   54歳

1980   55歳

クリスタル殺人事件     The Mirror Crack’d

1984   59歳

ミセス・アン/殺しのシナリオ     A Talent for Murder  (TV)
フィービー・ケイツのレース     Lace  (TV)


ジェシカおばさんの事件簿     Murder, She Wrote  (TV)

1986   61歳

運命の扉     Rage of Angels: The Story Continues  (TV)
私立探偵マグナム     Magnum P.I. – Novel Connection  (TV)

1988   63歳

シュート・ダウン     Shootdown  (TV)

1990   65歳

秋の旅路     The Love She Sought  (TV)

1991   66歳

1996   71歳

ミセス・サンタクロース     Mrs. Santa Claus  (TV)

1997   72歳

ジェシカおばさんの事件簿/南南西に進路を取れ     Murder, She Wrote: South by Southwest  (TV)


フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム     Frank Capra’s American Dream

1999   74歳

ミセス・シークレット・エージェント/危険な国から愛を込めて     The Unexpected Mrs. Pollifax  (TV)

2000   75歳

ジェシカおばさんの事件簿/記される殺意     Murder, She Wrote: A Story to Die For  (TV)

2001   76歳

ジェシカおばさんの事件簿/二つの墓の謎     Murder, She Wrote: The Last Free Man  (TV)

2003   78歳

ジェシカおばさんの事件簿/ケルトの秘宝     Murder, She Wrote: The Celtic Riddle  (TV)

2005   80歳


LAW&ORDER:性犯罪特捜班     Law & Order: Special Victims Unit  (TV)
LAW&ORDER:陪審評決     Law & Order: Trial by Jury  (TV)

2011   86歳

2018   93歳


2022   96歳

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