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[女優] マーナ・ロイ Myrna Loy  出演作品一覧|プロフィール|エピソード

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マーナ・ロイ
Myrna Loy

1905年8月2日、アメリカ・モンタナ・ヘレナ生まれ。
1993年12月14日、アメリカ・ニューヨークで死去(術後の合併症)。享年88歳。
本名マーナ・アデル・ウィリアムズ。
ウェールズ・スウェーデン・スコットランド系。
身長168cm。
父は州議会議員の牧場主。高校卒業後はダンス教師をしていた。
20歳の時、ルドルフ・ヴァレンティノ主演の「美人帝国」でスクリーン・デビュー。
「影なき男」等で共演したウィリアム・パウエルとのコンビが人気を呼んだ。

今回は、洗練された「理想の妻」として全米を虜にし、後に「クイーン・オブ・ハリウッド」の称号を授けられた知性派スター、マーナ・ロイをご紹介します。

彼女は、サイレント時代の「異国情緒漂う妖婦(ヴァンプ)」役から脱却し、現代的で自立した、それでいてチャーミングな大人の女性像を確立しました。特に『影なき男』シリーズでのノラ役は、夫と対等に渡り合い、お酒とジョークを愛する新しい時代の女性像として、当時の観客に鮮烈な印象を与えました。

銀幕の中だけでなく、戦時中の献身的な奉仕活動やユネスコでの活動など、社会に対しても強い信念を持ち続けた、真に気高い「クイーン」です。


洗練と知性のクイーン。マーナ・ロイ、微笑みに秘めた強き信念

マーナ・ロイの魅力は、スッと通った鼻筋と、すべてを見通すような聡明な瞳、そして絶妙なタイミングで放たれるユーモアにあります。

彼女は、男性スターの引き立て役に甘んじることなく、独自の存在感を放つことができる稀有な女優でした。どんなに豪華なセットや派手な演出の中でも、彼女の「静」の演技とウィットに富んだ台詞回しは、物語に本物の品格とリアリティを与えました。生涯を通じてアカデミー賞のノミネートには縁がありませんでしたが、それは彼女の演技があまりに自然で、映画の一部として完璧に溶け込んでいた証拠でもあります。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:マーナ・アデール・ウィリアムズ
  • 生涯:1905年8月2日 ~ 1993年12月14日(享年88歳)
  • 出身:アメリカ・モンタナ州レイダーズバーグ
  • 背景:ダンサーとしてキャリアをスタートし、1925年に映画デビュー。初期はアジア系の悪女役などを演じることが多かったのですが、MGM移籍後の1934年、運命の一作『影なき男』に出会います。第二次世界大戦中は赤十字の活動に専念し、戦後は政治・社会問題にも深く関わりました。
  • 功績:1937年の国民投票で「クイーン・オブ・ハリウッド」に選出。1991年には長年の功績を称え、アカデミー名誉賞を受賞しました。


🏆 主な受賞リスト

部門対象作
1937国民投票クイーン・オブ・ハリウッド称号授与
1979ケネディ・センター名誉賞芸術貢献賞生涯の業績に対して
1991アカデミー賞名誉賞映画への生涯にわたる貢献


1. 夫婦像の革命:影なき男

ニック(ウィリアム・パウエル)の妻ノラを演じ、彼女の人気を決定づけた作品です。それまでの映画における「妻」の役割は、夫を待つだけか、あるいは事件の足手まといになる存在が主流でしたが、ロイが演じたノラは夫と共に酒を飲み、事件を楽しみ、知的な会話で夫をサポートする「対等なパートナー」でした。この瑞々しいキャラクターは全世界で愛され、計6作のシリーズが作られる社会現象となりました。

2. 戦後ドラマの最高峰:我等の生涯の最良の年

第二次世界大戦から復員した兵士たちの苦悩と、その家族の絆を描いた不朽の名作です。ロイは、帰還した夫(フレドリック・マーチ)を静かな慈愛で包み込む妻ミリーを熱演しました。

派手なダンスや歌はありませんが、再会シーンで見せた彼女の複雑な表情と深い愛情は、多くの観客の涙を誘いました。彼女がコメディだけでなく、重厚な人間ドラマにおいても最高峰の演技力を持つことを証明した作品です。

3. 軽妙な恋の駆け引き:結婚五年目

ウィリアム・パウエルとの黄金コンビによる、スクリューボール・コメディの傑作です。離婚騒動に揺れる夫婦が、パウエル演じる夫の「記憶喪失」という嘘から始まるドタバタ劇に巻き込まれます。ロイの真骨頂である、呆れながらも夫を深く愛する「しっかり者の妻」ぶりが絶妙で、二人の阿吽の呼吸がもたらす笑いは、まさに職人芸の域に達しています。


📜 マーナ・ロイを巡る珠玉のエピソード集

1. ウィリアム・パウエルとの「純粋な友情」

パウエルとは計14本もの映画で共演し、あまりの息の良さに「本当の夫婦」だと信じているファンが後を絶ちませんでした。実際、二人はお互いに「恋心に近い感情を持った時期もあった」と回想していますが、結果として「寝食を共にするより、一生の親友でいること」を選びました。ロイは「彼と結婚していたら、きっと喧嘩ばかりしてこんなに長く続かなかったわ」と笑って語っています。

2. 社会派としての「もう一つの顔」

彼女はハリウッドスターである以上に、強い社会意識を持った活動家でした。第二次世界大戦中は女優業をほぼ休止して赤十字でフルタイムの奉仕活動に従事。戦後はユネスコの代表団として世界を回り、人種差別に反対する運動にも積極的に参加しました。彼女の気品は、こうした内面的な誠実さから滲み出ていたのです。

3. 「理想の妻」へのアンチテーゼ

世間から「完璧な妻」と呼ばれることを、彼女自身は少し面白がっていました。実際には4度の結婚と離婚を経験しており、プライベートではなかなか「完璧な家庭」を築くのが難しかったという皮肉な一面も。彼女は「映画の中のノラ・チャールズこそが、私の理想の女性だった」と自伝で述懐しています。

4. クラーク・ゲーブルとの「王と女王」

1937年、ゲーブルと共に「キングとクイーン」の称号を受けた際、ゲーブルは彼女を親愛を込めて「クイニ(Queenie)」と呼び始めました。二人は親友として非常に仲が良く、ゲーブルが悩み事があるとロイに相談に来ることも多かったそうです。

5. 悪役からの脱却

キャリアの初期、彼女はその彫りの深い顔立ちから「オリエンタルな妖婦」や「ハーフの悪女」ばかりを演じさせられていました。当時のハリウッドの偏見に苦しみましたが、MGMのプロデューサーたちが彼女の知性とコメディの才能を見抜き、『影なき男』に抜擢したことで、その後の輝かしいキャリアが開けました。

6. 遅すぎたアカデミー賞への回答

演技力には定評がありながら、一度も演技賞にノミネートされなかったことは「ハリウッド史上最大のミス」の一つと言われてきました。1991年、85歳の時にアカデミー名誉賞が贈られた際、彼女は自宅からの衛星中継で登場し、「非常に光栄です」と短く、気品に満ちたスピーチを行いました。それが、彼女の公の場での最後の姿となりました。


📝 まとめ:誇り高く、しなやかに生きた真のクイーン

マーナ・ロイは、美しさの中に鋭い知性を、優雅さの中に強い自立心を宿した、新しい時代の女性スターの先駆者でした。

彼女が演じた女性たちは、決して誰かに依存することなく、自らのユーモアと勇気で人生を切り拓いていきました。彼女が銀幕に残した微笑みは、時代が変わっても「知的に生きることの美しさ」を私たちに伝え続けています。



[出演作品]

1925   20歳

美人帝国     Pretty Ladies
ベン・ハー     Ben-Hur: A Tale of the Christ

1926   21歳

特製鋼鉄人形     The Caveman
娘は帰る     Why Girls Go Back Home
鉱金広小路     The Gilded Highway
陽炎の夢     Exquisite Sinner
陽気な巴里ッ子     So This Is Paris
ドン・ファン     Don Juan
太平洋横断     Across the Pacific

1927   22歳

指紋名探偵     Finger Prints
純情無敵     Bitter Apples
女丈夫     The Climbers
速成恋愛術     Simple Sis
間諜     The Heart of Maryland
満腹狂奏曲     A Sailor’s Sweetheart
ジャズ・シンガー     The Jazz Singer
市俄古から来た女     The Girl from Chicago
亭主三拝九拝     If I Were Single
戦線膝栗毛     Ham and Eggs at the Front

1928   23歳

母よ愚かなれ     Beware of Married Men
港々に女あり     A Girl in Every Port
ノアの方舟     Noah’s Ark

1929   24歳

黒時計聯隊     The Black Watch
スコール     The Squall
恋の大分水嶺     The Great Divide

1930   25歳

生命の切札     Cameo Kirby
逃走の島    Isle of Escape
曠原の血煙     The Last of the Duanes
反逆者     Renegades
放蕩息子     The Devil to Pay!

1931   26歳

肉と霊     Body and Soul
愉快な武士道     A Connecticut Yankee
影を持つ女     Hush Money
大西洋横断     Transatlantic
摩天楼の悲劇     Skyline
人類の戦士     Arrowsmith

1932   27歳

愛に叛く者     Emma
十三号室の女     The Woman in Room 13


成吉思汗の仮面     The Mask of Fu Manchu

1933   28歳

トパーズ     Topaze
カイロの一夜     The Barbarian
世界拳闘王     The Prizefighter and the Lady
宿命の窓     Penthouse
夜間飛行     Night Flight

1934   29歳

白衣の騎士     Men in White



逆間諜     Stamboul Quest
悪夢     Evelyn Prentice


1935   30歳

盲目の飛行士     Wings in the Dark
諾?否?     Whipsaw

1936   31歳

巨星ジーグフェルド     The Great Ziegfeld



極地の青春     Petticoat Fever
人妻日記     To Mary – with Love



1937   32歳

恋の挽歌     Double Wedding
結婚十字路     Double Wedding

1938   33歳

テスト・パイロット     Test Pilot
地球を駆ける男     Too Hot to Handle

1939   34歳



1941   36歳


1945   40歳


1946   41歳

我等の生涯の最良の年     The Best Years of Our Lives


1947   42歳



1948   43歳


1949   44歳


1950   45歳


1952   47歳


1956   51歳

恋は巴里で     The Ambassador’s Daughter

1958   53歳

孤独の旅路     Lonelyhearts

1960   55歳

孤独な関係     From the Terrace
誰かが狙っている     Midnight Lace

1969   64歳


1972   67歳

刑事コロンボ/黒のエチュード     Columbo: Étude in Black

1974   69歳

恐怖のエレベーター/高層ビルパニック     The Elevator


1977   72歳

キラー・アンツ 蟻/リゾートホテルを襲う人食い蟻の大群     It Happened at Lakewood Manor  (TV)

1978   73歳

ジ・エンド     The End

1980   75歳

Just Tell Me What You Want

1981   76歳

Summer Solstice

1982   77歳

Love, Sidney

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