舞踏会の手帖
Un carnet de bal
(フランス 1937)
[監督] ジュリアン・デュヴィヴィエ
[脚本] ジャン・サルメ/ピエール・ウルフ/ベルナール・ジマー/ジュリアン・デュヴィヴィエ/アンリ・ジャンソン/イヴ・ミランデ
[撮影] ミシェル・ケルベ/フィリップ・アゴスティーニ/ピエール・ルヴァン
[音楽] モーリス・ジョベール
[ジャンル] ドラマ
[受賞] ヴェネチア映画祭 外国映画賞
マリー・ベル (クリスティーヌ)
フランソワーズ・ロゼー
(オディエ夫人)
アリ・ボール (アラン)
フェルナンデル (ファビアン)
ピエール・ブランシャール (ティエリー)
ルイ・ジューヴェ (ジョー/ピエール)
ライム (フランソワ)
ピエール・リシャール・ウィルム (エリック)
モーリス・ベナール (ブレモン)
ロベール・リネン (ジャック)
「舞踏会の手帖」は、フランスの監督ジュリアン・デュヴィヴィエによるドラマ映画。主演はマリー・ベルで、彼女が演じる主人公が、かつての舞踏会でのパートナーたちを探し出し、過去の思い出を辿る物語が描かれている。
クリスティーヌ・スールマン(マリー・ベル)は、裕福な未亡人。彼女は若かりし頃に参加した舞踏会で、様々な男性たちと踊った思い出を持つ。舞踏会のパートナーたちの名前を記録した手帖を見つけた彼女は、過去の思い出を辿るために、再び彼らに会う旅に出ることを決意する。
クリスティーヌは一人ひとりのパートナーを訪ねていくが、それぞれが異なる人生を歩んでいる。中盤では、彼女が若かりし頃の理想と現実の違いに直面し、彼らの現在の姿を通じて、自分自身の人生についても新たな視点を得る。
マリー・ベルの演技:
ベルは、主人公クリスティーヌの内面的な葛藤と感情を見事に表現し、その演技が高く評価された。
オムニバス形式:
映画はオムニバス形式で、各パートナーとの再会がそれぞれ異なるエピソードとして描かれている。
キャスティングの多様性:
映画にはフランスの著名な俳優たちが多数出演し、各エピソードに個性豊かなキャラクターが登場する。
セットとロケ地:
撮影は主にスタジオセットで行われたが、一部のシーンはフランス各地でロケーション撮影された。
映画の視覚スタイル:
デュヴィヴィエは、視覚的なスタイルにこだわり、特に光と影の使い方が際立っている。
視覚効果:
映画には幻想的なシーンや夢のような映像が含まれており、視覚的な魅力を高めている。
映画のタイトルの意味:
「舞踏会の手帖」は、主人公が過去の思い出を辿るための手掛かりであり、物語の象徴となっている。
キャラクターの描写:
各キャラクターは、それぞれの人生と選択を反映しており、彼らの現在の姿がクリスティーヌの視点を通じて描かれている。
映画の構造:
映画はエピソードごとに異なるトーンとテーマを持ち、観客に多様な視点を提供している。
フランス映画の伝統:
「舞踏会の手帖」は、フランス映画の伝統的なスタイルとテーマを継承しており、その後の作品にも影響を与えている。
時代背景の描写:
映画は1930年代のフランスの社会と文化を反映しており、その時代背景が物語の重要な要素となっている。
公開後の評価:
映画はフランス国内外で好評を博し、特にデュヴィヴィエの演出とベルの演技が称賛された。
「舞踏会の手帖」は、ジュリアン・デュヴィヴィエの繊細な演出と、マリー・ベルの卓越した演技が光る感動的なドラマ映画だ。映画は、過去の思い出と現在の現実の間にあるギャップをテーマにしており、観客に深い共感と感動を与える。オムニバス形式のストーリーテリングは、多様なキャラクターと彼らの人生の選択を描き出し、視覚的にも美しい映像が印象的だ。
特に、マリー・ベルの演技は、主人公クリスティーヌの内面的な葛藤と成長を見事に表現しており、彼女のキャリアの中でも特に評価されるべき作品である。デュヴィヴィエの監督としての才能が遺憾なく発揮されたこの映画は、フランス映画のクラシックとして今なお多くの人々に愛され続けている。
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