50歳の恋愛白書　The Private Lives of Pippa Lee　2009

50歳の恋愛白書
The Private Lives of Pippa Lee
(アメリカ　2009)

[製作総指揮]　ジャン・リュック・ドゥ・ファンティ／ジル・フットリンク／ウォーレン・ゴズ／ジェレミー・クライナー／スチュワート・マクマイケル／ブラッド・ピット／ジェフ・サガンスキー
[製作]　デデ・ガードナー／レモア・シヴァン
[監督]　レベッカ・ミラー
[原作]　レベッカ・ミラー
[脚本]　レベッカ・ミラー
[撮影]　デクラン・クイン
[音楽]　マイケル・ロハティン
[ジャンル]　コメディ／恋愛／ドラマ

キャスト

マリア・ベロ　（スーキー・サーキシアン）
ゾーイ・カザン　（グレイス・リー）

マイク・バインダー　（サム・シャピロ）

ライアン・マクドナルド　（ベン・リー）

シャーリー・ナイト　（ドット・ナドー）
コーネル・ウエスト　（ドン・セクストン）
メアリー・ビューティフル　（スキー・サルキシアン）
ティム・ギニー　（サルキシアン）
ロビン・ワイガート　（トリッシュ）

概要

『50歳の恋愛白書』（The Private Lives of Pippa Lee）は、2009年公開のドラマ映画。監督・脚本はレベッカ・ミラー、主演はロビン・ライト、共演にキアヌ・リーヴス、アラン・アーキン、モニカ・ベルッチ、ジュリアン・ムーアなど実力派が揃う。静かな人生を送る50歳の女性が、過去と向き合いながら新たな一歩を踏み出す姿を描いた、繊細で心理描写に富んだ作品。

ストーリー

ピッパ・リー（ロビン・ライト）は、年の離れた夫ハーブ（アラン・アーキン）と穏やかに暮らす50歳の女性。夫が健康のために郊外の静かな町へ引っ越すことになり、彼女も新しい環境に順応しようとする。しかし、次第に睡眠中に無意識で奇行を繰り返すようになり、自分の人生について疑問を持ち始める。

ピッパは若い頃の自分を振り返る。母親（マリア・ベロ）は神経症的で、ピッパは家庭に馴染めず、10代で家を出る。ニューヨークで奔放な生活を送り、アーティストのカット（ジュリアン・ムーア）と親しくなるが、やがてハーブと出会い、彼の元に落ち着く。

現在の生活では、夫がかつての愛人ジジ（モニカ・ベルッチ）と親しげにしていることや、自分が本当に幸せなのか疑問を抱き始める。そんな中、近所に住む孤独な青年クリス（キアヌ・リーヴス）と出会う。彼もまた心に傷を抱えており、ピッパは次第に彼に惹かれていく。

夫の健康問題が悪化する中、ピッパは自分の人生を見つめ直し、長年の自己犠牲と忍耐に縛られていたことに気づく。最終的に、ピッパは夫との関係に終止符を打ち、クリスと共に新しい人生を歩むことを決意する。

エピソード

ロビン・ライトのキャリア転機
彼女は当時ショーン・ペンとの離婚を経ており、女性の再生というテーマに共感して役を引き受けた。

原作はレベッカ・ミラーの小説
監督・脚本を務めたレベッカ・ミラーは、ダニエル・デイ＝ルイスの妻であり、自らの小説を映画化した。

キアヌ・リーヴスのキャスティング
クリス役は当初、別の俳優が候補だったが、キアヌの持つ静かで優しい雰囲気が役に合うと判断され、起用された。

アラン・アーキンとの再共演
キアヌとアラン・アーキンは、1993年の『ミュータント・フリークス』以来の共演。

ニューヨークとコネチカットで撮影
ピッパの過去と現在を対比するため、都会と田舎のロケーションが慎重に選ばれた。

低予算ながら豪華キャスト
インディーズ映画としては異例の豪華なキャスト陣が集結した。

ロビン・ライトのナレーション
映画の随所でロビン・ライトのナレーションが挿入され、彼女の心情を繊細に表現。

脚本の変更
原作ではピッパの過去がより激しく描かれていたが、映画ではソフトな表現に修正された。

ピッパのファッション
彼女の衣装は、「内面的な変化を表すように」シンプルから洗練されたものへと変化する。

家族関係のリアリティ
ピッパと母親の関係は、監督ミラー自身の体験が反映されていると言われる。

映画のラストシーンは原作と異なる
原作ではピッパの未来がより曖昧に描かれていたが、映画では前向きな印象を強調。