教授と美女
Ball of Fire
(アメリカ 1941)
[製作] サミュエル・ゴールドウィン
[監督] ハワード・ホークス
[原作] トーマス・モンロー/ビリー・ワイルダー
[脚本] チャールズ・ブラケット/ビリー・ワイルダー
[撮影] グレッグ・トーランド
[音楽] アルフレッド・ニューマン
[ジャンル] コメディ/恋愛
ゲイリー・クーパー
(バートラム・ポッツ教授)
バーバラ・スタンウィック
(シュガーパス・オシェイ)
オスカー・ホモルカ (ガーカコフ教授)
ヘンリー・トレイヴァーズ (ジェローム教授)
S・Z・サケール (マゲンブラック教授)
トゥリー・マーシャル (ロビンソン教授)
レオニッド・キンスキー (クィンタナ教授)
リチャード・ヘイドン (オドリー教授)
オーブリー・メイザー (ピーグラム教授)
ダナ・アンドリュース
(ジョー・ライラック)
キャスリーン・ハワード (ミス・ブラッグ)
『教授と美女』は1941年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画。監督はハワード・ホークス、主演はゲイリー・クーパーとバーバラ・スタンウィック。映画は、言語学者の教授とナイトクラブの歌手が、言語の研究を通じて出会い、予期せぬロマンスに発展する物語を描いている。ハワード・ホークスの軽妙な演出と、クーパーとスタンウィックの魅力的な演技が光る作品。
物語は、8人の学者たちが共同で百科事典を執筆している大邸宅から始まる。教授のバークリー・ポッツ(ゲイリー・クーパー)は、俗語に関する項目を執筆中であり、新しい言葉や表現を調査するためにナイトクラブを訪れる。そこで彼は、魅力的な歌手シュガーパス・オシェイ(バーバラ・スタンウィック)と出会う。
シュガーパスは、ギャングのジョー・ライラック(ダナ・アンドリュース)と関係があり、彼女自身もトラブルを抱えている。シュガーパスは、教授たちの大邸宅に隠れ家を求めてやって来るが、彼女の存在が学者たちの生活を一変させる。彼女の生き生きとした個性は、学者たちに新しい視点を提供し、特にバークリーにとっては、彼の堅物な性格を和らげるきっかけとなる。
中盤では、シュガーパスとバークリーの間にロマンスが芽生え始めるが、彼女の過去とギャングの問題が二人の関係に影を落とす。バークリーは、シュガーパスを守るために行動を起こし、彼女の過去のトラブルを解決しようとするが、その過程で自らも危険に巻き込まれていく。
アカデミー賞:
映画は第14回アカデミー賞で4部門にノミネートされ、脚本賞を含む複数の部門で評価された。
ビリー・ワイルダーの脚本:
脚本はビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラックが共同で執筆し、そのウィットに富んだダイアログが映画の魅力を引き立てている。
ナイトクラブのシーン:
映画にはリアルなナイトクラブのシーンが含まれており、当時のジャズ文化を反映している。
スタンウィックのパフォーマンス:
スタンウィックはこの映画で歌手役を演じ、その演技力と歌唱力が高く評価された。
タイトルの由来:
原題の「Ball of Fire」は、スタンウィック演じるシュガーパスの生き生きとしたキャラクターを象徴している。
ゴシップ:
撮影中、クーパーとスタンウィックの親しい関係がゴシップの対象となり、映画の宣伝にも利用された。
ハワード・ホークスの演出:
ホークスは、コメディとロマンスのバランスを巧みに取り、観客に楽しい体験を提供した。
文化的な影響:
映画は、当時のアメリカ社会における言語の多様性と文化の交差を描いており、言語学的なテーマが特徴。
衣装デザイン:
シュガーパスの華やかな衣装は、スタンウィックのキャラクターを一層魅力的に見せた。
批評家の評価:
映画はその軽妙なタッチとキャストの素晴らしい演技で批評家から絶賛された。
撮影セット:
学者たちが住む大邸宅のセットは、詳細にわたり作り込まれ、映画の雰囲気を盛り上げた。
即興の会話:
一部のシーンでは、俳優たちが即興で会話を追加し、自然な会話を生み出した。
音楽:
映画の音楽は、物語のリズムとテンポを補完し、特にナイトクラブシーンで効果的に使われている。
興行成績:
『教授と美女』は公開当初から商業的にも成功し、多くの観客に愛された。
事故:
キャスリーン・ハワードは、バーバラ・スタンウィックのパンチが偶然当たって顎を骨折した。
『教授と美女』は、ゲイリー・クーパーとバーバラ・スタンウィックの魅力的な演技と、ビリー・ワイルダーの巧妙な脚本が融合した作品として高く評価されている。映画は、言語学者とナイトクラブ歌手という異なる世界の二人が出会い、ロマンスとコメディを織り交ぜたストーリー展開が魅力。ハワード・ホークスの軽妙な演出が映画全体に楽しさをもたらし、観客に笑いと感動を提供している。
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