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あれ It 1927 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】| クララ・ボウ

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磁石のように人を惹きつける、元祖「イット・ガール」の眩い輝き

磁石のように人を惹きつける、抗いがたい魅力――それが『あれ(It)』。デパートの売り子から一躍時代のアイコンへ。クララ・ボウが放つ、モダンでキュートなエネルギーに世界が恋をしたラブコメディの傑作。

あれ
It
(アメリカ 1927)

[製作] クラレンス・G・バジャー/ケヴィン・ブラウンロー/デヴィッド・ギル/エリノア・グリン/ジェシー・L・ラスキー/B・P・シュルバーグ/パトリック・スタンベリー/アドルフ・ズーカー
[監督] クラレンス・G・バジャー/ジョセフ・フォン・スターンバーグ
[原作・脚本] エリノア・グリン/ホープ・ローリング/ルイス・D・ライトン/ジョージ・マリオン・ジュニア
[音楽] カール・デイヴィス/ウィリアム・P・ペリー
[撮影] H・キンリー・マーティン
[ジャンル] 恋愛/コメディ

キャスト

クララ・ボウ
(ベティ・ルー・スペンス)

アントニオ・モレノ (サイラス・ウォルサム・ジュニア)
ウィリアム・オースティン (モンティ・モンゴメリー)
プリシラ・ボナー (モリー)
ジャクリーン・ガッズドン (アデラ・ヴァン・ノーマン)
ジュリア・スウェイン・ゴードン (ヴァン・ノーマン夫人)
エリノア・グリン (本人)

ゲイリー・クーパー
(リポーター)




概要

『あれ(It)』は、1927年公開のサイレント映画で、クララ・ボウが主演を務めた作品。エリノア・グリンの短編小説を原作に、「It」という言葉が「魅力」「魅惑」といった意味を持つスラングとして広まるきっかけとなった。現代的な女性像を描き、クララ・ボウを一躍スターに押し上げたロマンティックコメディ。


ストーリー

巨大デパート「ウォルサム」のランジェリー売り場で働くベティ(クララ・ボウ)は、デパートの若き御曹司サイラス(アントニオ・モレノ)に恋をする。サイラスの友人であるウォルサム(ウィリアム・オースティン)は、ベティこそがグリン夫人の説く「It(あれ)」を備えた女性だと確信し、彼女に興味を持つ。

ベティはウォルサムを利用してサイラスをデートに誘い出し、その天真爛漫な魅力でサイラスの心を掴む。しかし、ベティが同居人の隠し子を自分の子供だと嘘をついて守っていたことから、サイラスは彼女を未婚の母だと誤解してしまう。サイラスが自分を「遊びの相手」としてしか見ていないと感じたベティは激怒し、復讐のために彼のヨットパーティーに乗り込む。

ベティは別人になりすましてサイラスを翻弄するが、最終的に誤解が解け、二人はお互いの真実の愛を確認する。最後はヨットから海へ落ちるというハプニングに見舞われながらも、二人は結ばれ、幸せな結末を迎える。


エピソード・背景

  • 「イット・ガール」の誕生
    本作の成功により、クララ・ボウは世界初の「イット・ガール」と呼ばれました。これは単なる美人ではなく、内側から溢れ出す圧倒的な生命力と魅力を備えた女性を指す言葉として流行しました。
  • 原作者の特別出演
    概念の提唱者であるエリノア・グリン本人が劇中に登場し、「Itとは何か」を解説するシーンがあります。彼女の存在が作品に説得力と「ハク」を与えました。
  • クララ・ボウの即興性
    彼女は台本通りに演じるよりも、その場のインスピレーションで動くことを好みました。その自由奔放な動きが、サイレント映画でありながら躍動感あふれる映像を生んでいます。
  • ゲイリー・クーパーの端役出演
    後に大スターとなるゲイリー・クーパーが、デパートの記者役でわずかに出演しています。彼の若々しい姿を確認できる貴重な作品でもあります。
  • フラッパー文化の象徴
    短い髪、短いスカート、自立した精神。ベティのキャラクターは、当時の保守的な女性像を打ち破る「新しい女性(フラッパー)」の理想像として熱狂的に支持されました。
  • ヨットでの撮影
    クライマックスのヨットのシーンは、実際に海上で撮影されました。当時の技術では困難な撮影でしたが、その臨場感が物語の爽快なフィナーレを演出しています。

まとめ:作品が描いたもの

本作が描いたのは、身分や家柄に関係なく、個人の持つ「輝き」が運命を切り開くという、極めてアメリカン・ドリーム的な楽観主義です。ベティというキャラクターは、ただ守られるだけのヒロインではなく、自らチャンスを掴み、誤解には真っ向から立ち向かう強さを持っています。

「It(あれ)」という抽象的な言葉を、映画という視覚メディアを通じて具体化したこの作品は、その後のエンターテインメントにおける「スター性」の定義を形作りました。100年近く経った今でも、クララ・ボウの瞳の輝きが色褪せないのは、彼女自身がまさに「It」そのものだったからに他なりません。

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