きのうの夜は…
About Last Night…
(アメリカ 1986)
[製作総指揮] アーノルド・スティーフェル
[製作] ジェイソン・ブレット/E・ダレル・ハレンベック/スチュアート・オークン
[監督] エドワード・ズウィック
[原作] デヴィッド・マメット
[脚本] デニース・デクルー/ティム・カズリンスキー
[撮影] アンドリュー・ディンテンファス
[音楽] マイルズ・グッドマン
[ジャンル] 恋愛/ドラマ/コメディ
キャスト

ロブ・ロウ
(ダニー)

デミ・ムーア
(デビー)

ジェームズ・ベルーシ
(バーニー)

エリザベス・パーキンス
(ジョーン)
ジョージ・ディセンゾ (ファビオ)
マイケル・アルドレッジ (マザー・マローン)
ロビン・トーマス (スティーヴ・カーソン)
ドナ・ギブンス (アレックス)
ミーガン・マラリー (パット)
パトリシア・ダフ (レスリー)
サチ・パーカー (キャリー)

キャサリン・キーナー
(ウェイトレス)
ストーリー
シカゴの広告代理店で働くダニー(ロブ・ロウ)と、同じく都会で働くデビー(デミ・ムーア)は、バーで偶然出会い、その夜に一線を越えた。当初は一夜限りの遊びのつもりであったが、互いに惹かれ合った二人はすぐに真剣な交際を始め、周囲の友人たちの冷ややかな目も気にせず同棲生活をスタートさせた。
しかし、自由奔放な独身生活を謳歌する親友のバーニー(ジェームズ・ベルーシ)や、辛辣なアドバイスを送る友人のジョーン(エリザベス・パーキンス)らにかき乱され、二人の関係には徐々に亀裂が生じ始めた。理想と異なる共同生活のストレスや、将来への不安から衝突を繰り返すようになった二人は、ついに激しい口論の末に別れを選んだ。
別離の後、ダニーはバーニーとの刹那的な遊びに虚しさを感じ、デビーもまた自立した生活の中でダニーへの想いを断ち切れずにいた。月日が流れ、ある日二人はシカゴの街角で偶然再会した。過去の過ちや意地を捨て、互いの存在のかけがえのなさを再確認した二人は、再び向き合うことを決意し、新たな一歩を踏み出す。
エピソード・背景
- ブラット・パックの代表作
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったデミ・ムーアとロブ・ロウという、人気若手俳優の共演が大きな話題となりました。二人の瑞々しい演技は、当時の若者の恋愛観に多大な影響を与えました。 - デヴィッド・マメットの戯曲が原作
劇作家デヴィッド・マメットによる舞台劇『シカゴの性(Sexual Perversity in Chicago)』を映画化したものです。原作はより辛辣で皮肉な内容でしたが、映画版ではよりロマンチックなドラマへと脚色されました。 - シカゴの街の魅力
撮影はすべてシカゴで行われました。劇中に登場するバーやグラント・パークなどの風景が、都会的で洗練された物語の雰囲気を引き立てています。 - 豪華な脇役陣
ダニーの親友を演じたジム・ベルーシと、デビーの友人を演じたエリザベス・パーキンスのコミカルかつ毒のある演技が、主役二人のロマンスに対する絶妙なスパイスとなりました。 - 80年代を象徴する音楽
シーナ・イーストンが歌う主題歌「So Far, So Good」をはじめ、当時のヒットチャートを意識したポップなサウンドトラックが作品を彩りました。 - リアルな性的描写への挑戦
当時の恋愛映画としては、男女の性愛や会話を非常に率直かつリアルに描いている点が画期的であると評価されました。 - エドワード・ズウィックの監督デビュー作
後に『グローリー』や『ラスト サムライ』を世に送り出す名匠エドワード・ズウィックの長編映画監督デビュー作であり、彼の卓越した演出力の片鱗を伺わせます。 - リメイク版の制作
2014年には、ケヴィン・ハート主演でキャストを黒人俳優に置き換えたリメイク版が製作されました。このことからも、本作のテーマが時代を超えて普遍的であることが証明されています。
まとめ:作品が描いたもの
本作は、単なるハッピーエンドの恋愛映画ではなく、「恋に落ちる」ことと「共に生きる」ことの間にある大きな隔たりを誠実に描いています。友人関係の変化や、生活の些細な不一致といったリアルな描写は、多くの観客の共感を呼びました。
80年代という華やかな時代背景の中で、孤独を恐れながらも真実の絆を求める若者たちの葛藤は、今観ても色褪せない輝きを放っています。都会で生きる大人たちの、ほろ苦くも温かな成長物語として、青春映画の系譜にその名を刻んでいる一作です。


