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インテリア Interiors 1978

インテリア
Interiors
(アメリカ 1978)

[製作総指揮] ロバート・グリーンハット
[製作] チャールズ・H・ジョフィ/ジャック・ローリンズ
[監督] ウディ・アレン
[脚本] ウディ・アレン
[撮影] ゴードン・ウィリス
[衣装] ジョエル・シュマッカー
[ジャンル] ドラマ
[受賞]
英国アカデミー賞 助演女優賞(ジェラルディン・ペイジ)
LA批評家協会賞 助演女優賞(モーリーン・ステイプルトン)
NY批評家協会賞 助演女優賞(モーリーン・ステイプルトン)

キャスト

クリスティン・グリフィス (フリン)

メアリー・ベス・ハート
(ジョーイ)


リチャード・ジョーダン (フレデリック)

ダイアン・キートン
(レナータ)

EG・マーシャル
(アーサー)

ジェラルディン・ペイジ
(イヴ)

モーリン・ステイプルトン
(パール)

サム・ウォーターストン
(マイク)


ミッシー・ホープ (少女ジョーイ)
ケリー・ダフィ (少女レナータ)
ナンシー・コリンズ (少女フリン)
ペニー・ガストン (少女イヴ)
ロジャー・モーデン (少年アーサー)
ヘンダーソン・フォーサイス (バーテル判事)




概要

『インテリア』(Interiors)は、ウディ・アレンが監督・脚本を手掛けた初のドラマ映画で、コメディから一転して深刻な家族ドラマに挑んだ作品。

冷たく静謐な映像美と心理描写を通じて、家族の葛藤や個々の孤独、アイデンティティの模索を描く。

ユージン・オニールやイングマール・ベルイマンの影響を強く受けた作品で、ジェラルディン・ペイジやダイアン・キートンらが出演する。


ストーリー

映画は、成功した一家の母イヴ(ジェラルディン・ペイジ)を中心にした家族の崩壊を描く。

イヴは完璧主義で厳格な性格を持ち、インテリアデザイナーとして家族の生活空間を支配している。彼女の美学と冷徹さは、夫アーサー(E・G・マーシャル)や3人の娘たちに深い影響を与えていた。

ある日、アーサーがイヴに別居を申し出ることで、家族の均衡が崩れる。イヴは精神的に不安定になり、自殺未遂を図る。一方、3人の娘たち、レナータ(ダイアン・キートン)、ジョーイ(メアリー・ベス・ハート)、フィリー(クリスティン・グリフィス)—はそれぞれ異なる形でこの混乱に向き合う。

レナータは詩人として成功しているが、完璧主義の母との関係がトラウマとなり、自己表現に苦悩している。

ジョーイは母の期待に応えられないと感じ、常に劣等感を抱えている。

フィリーは女優として自分の居場所を探すが、家族の緊張感に巻き込まれ、心が揺れている。

物語が進むにつれて、アーサーは新しい女性パール(モーリン・ステイプルトン)と再婚する。パールは明るく奔放な性格で、家族の冷たく緊張した空気を一変させるが、これによりイヴの精神状態はさらに悪化。最終的にイヴは家族の別荘で自殺を遂げる。

映画のラストでは、娘たちが母の死を受け止めながら、それぞれが新たな自分の道を模索する様子が描かれる。冷たいインテリアの中で起きる人間の深い葛藤と再生がテーマとなっている。

エピソード

  • イヴを演じたジェラルディン・ペイジは、その内面の脆さをリアルに表現し、アカデミー賞にノミネートされた。撮影中、役に深く没頭し、共演者たちからも絶賛された。

  • アレンは本作で、コメディからシリアスなドラマに挑戦。ベルイマンの影響を受けた静謐な映像と深い心理描写が特徴となっている。

  • キートンは、自身のキャリアにおいても母との複雑な関係を演じることが多く、本作でもそのテーマが彼女の演技に影響を与えた。

  • タイトルにもある「インテリア」は、登場人物の心の内面を象徴しており、冷たくミニマリスティックなデザインが家族の孤立を強調している。

  • パールを演じたモーリン・ステイプルトンは、冷たく抑圧的な家族の雰囲気を壊す重要な役割を果たし、その演技で助演女優賞にノミネートされた。

  • アレンは、モノクロに近い色調で撮影することで、家族の感情的な冷たさと緊張感を視覚的に表現した。

  • アレンは本作で音楽を一切使用せず、俳優たちの演技と台詞だけで物語を進める大胆な手法を採用した。

  • イヴはアレンの実母や彼が知る強い母親像からインスパイアされており、その完璧主義が子どもたちに及ぼす影響がリアルに描かれている。

  • ベルイマン監督の『仮面/ペルソナ』や『叫びとささやき』が本作のトーンやテーマに大きな影響を与えた。

  • 家族の会話は、抑圧された感情がじわじわと表面化するスタイルで描かれ、観客にリアルな緊張感を与えた。


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