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ウィキッド ふたりの魔女 Wicked 2024 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】

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魔法は、二人の出会いから始まった。誰も知らない「西の悪い魔女」の真実。

不朽の名作『オズの魔法使い』の裏側に隠された、緑色の肌を持つ少女エルファバと、人気者のブロンド娘グリンダの出会いと友情、そして彼女たちが進む運命の分かれ道を描く壮大なファンタジー。

ウィキッド ふたりの魔女
Wicked
(イギリス・アメリカ・カナダ 2024)

[製作総指揮] ダナ・フォックス/ウィニー・ホルツマン/ジャレッド・ルボフ/デヴィッド・ニクセイ/スティーヴン・シュワルツ
[製作] マーク・プラット/デヴィッド・ストーン/ジョーン・シュナイダー
[監督] ジョン・M・チュー
[原作] グレゴリー・マグワイア/ウィニー・ホルツマン/スティーヴン・シュワルツ
[脚本] ウィニー・ホルツマン/ダナ・フォックス
[撮影] アリス・ブルックス
[音楽] ジョン・パウエル/スティーヴン・シュワルツ
[ジャンル] ファンタジー/ミュージカル/恋愛
[シリーズ]
ウィキッド ふたりの魔女(2024)
ウィキッド 永遠の約束(2025)



キャスト

シンシア・エリヴォ (エルファバ・スロップ)
カリス・ムソンゴレ (幼少期のエルファバ)

アリアナ・グランデ
(ガリンダ・アップランド/グリンダ)

ジョナサン・ベイリー (フィエロ・ティゲラー)
イーサン・スレイター (ボック・ウッドスマン)
ボーウェン・ヤン (ファニー)
マリッサ・ボーディ (ネッサローズ・スロップ)
セシリー・コレット・テイラー (幼少期のネッサローズ)
ピーター・ディンクレイジ (ディラモンド教授) (声)

ミシェル・ヨー
(マダム・モリブル)

ジェフ・ゴールドブラム
(オズの魔法使い)

ブロンウィン・ジェームス (シェンシェン)
アンディ・ナイマン (スロップ総督)
コートニー・メイ=ブリッグス (スロップ夫人)
キアラ・セトル (ミス・コドル)
アーロン・テオ (アヴァリック)
シャロン・D・クラーク (ダルシーベア) (声)
ジェナ・ボイド (オオカミ医師) (声)
コリン・マイケル・カーマイケル (ニキディク教授)

受賞・ノミネート

賞名部門結果
第97回 アカデミー賞 (2025)美術賞受賞
衣裳デザイン賞受賞
作品賞ノミネート
主演女優賞(シンシア・エリヴォ)ノミネート
助演女優賞(アリアナ・グランデ)ノミネート
視覚効果賞 / 作曲賞 / 音響賞 / メイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネート
第82回 ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
監督賞(ジョン・M・チュウ)ノミネート
主演女優賞(シンシア・エリヴォ)ノミネート
助演女優賞(アリアナ・グランデ)ノミネート
第30回 クリティクス・チョイス・アワード美術賞 / 衣裳デザイン賞受賞
作品賞 / 監督賞 / 主演女優賞 / 助演女優賞ノミネート
第78回 英国アカデミー賞美術賞 / 衣裳デザイン賞 / 特殊視覚効果賞受賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞トップ10 / 監督賞受賞

評価

2024年11月に世界公開されると、ミュージカル映画としては異例の興行収入を記録しました。シンシア・エリヴォの魂を揺さぶる歌声と、アリアナ・グランデのコメディエンヌとしての才能が高く評価され、特に代表曲「Defying Gravity」のシーンは「映画史に残る名場面」と絶賛されました。第97回アカデミー賞では、美術賞と衣裳デザイン賞を受賞するなど、技術面でも最高峰の評価を得ています。


あらすじ:シズ大学での出会い

オズの国にあるシズ大学に、生まれつき緑色の肌を持つ少女エルファバ(シンシア・エリヴォ)が入学する。妹の付き添いとして現れた彼女だったが、学長のモリブル夫人(ミシェル・ヨー)に秘められた魔力を見出され、魔法の特別授業を受けることになる。一方、誰もが憧れる華やかな少女グリンダ(アリアナ・グランデ)もまた同じ大学に通っており、正反対の二人は最悪の出会いを経てルームメイトとなる。

最初は反発し合う二人だったが、ある出来事をきっかけに深い友情で結ばれていく。しかし、オズの国では動物たちが言葉を奪われるという不穏な事件が起きていた。真相を確かめるため、二人はエメラルド・シティに住むオズの魔法使い(ジェフ・ゴールドブラム)に会いに行くが、そこで彼女たちは自分たちの信念を揺るがす大きな陰謀に直面する。正義を貫こうとするエルファバと、民衆の期待に応えようとするグリンダ。二人の運命は、激動の渦へと巻き込まれていく。


魔法使いが実は魔力を持たない詐欺師であり、動物たちを弾圧することで自らの権威を守っていることを知ったエルファバは、彼の命令を拒絶して逃亡する。魔法使いは彼女を「邪悪な魔女」として指名手配し、民衆を煽動して敵に仕立て上げる。グリンダは彼女と共に逃げることを望むが、エルファバはグリンダがオズの国で「善い魔女」として民衆を導く役割を担うべきだと考え、一人で戦う決意を固める。

エルファバはホウキにまたがり、追手の手を逃れて大空へと飛び立つ。彼女はもはや周囲の評価に縛られることなく、自分の力を信じて自由へと向かう道を選んだ。一方、エメラルド・シティに残ったグリンダは、親友を失った悲しみを抱えながらも、民衆の希望の象徴としての道を歩み始める。二人の道は完全に分かたれたが、その胸には互いへの深い敬愛と、共に過ごした日々が刻まれていた。


エピソード・背景

  • 主演二人がこだわったライブ歌唱のリアリティ
    通常、ミュージカル映画では事前にレコーディングした音源に合わせて演技をすることが多いですが、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの強い希望により、本作では劇中の歌唱のほとんどをセットで実際に歌いながら撮影しました。これにより、キャラクターの感情の機微が直接歌声に反映され、スタジオ録音では出せない生々しい感動を観客に与えることに成功しています。
  • CGに頼らない「本物」のセット構築
    ジョン・M・チュウ監督は、俳優たちが魔法の世界を肌で感じられるよう、大規模な実物セットを建設しました。マンチキンランドの村へ続く道には、実際に900万本ものチューリップが植えられ、エメラルド・シティへと向かう16トンの巨大な列車も実際に線路の上を走るように製作されました。この徹底したアナログへのこだわりが、映像に圧倒的な説得力をもたらしています。
  • グリンダのドレスに注がれた膨大な時間と情熱
    グリンダが着用する象徴的な「バブル・ドレス」は、衣裳デザイナーのデボラ・L・スコット率いるチームによって制作されました。このドレスを完成させるために費やされた時間は200時間を超え、光の当たり方によって色合いが変わる繊細な素材が幾重にも重ねられています。この豪華な衣裳は、グリンダの華やかさと、その裏に隠された孤独を象徴する重要な要素となりました。
  • シンシア・エリヴォの過酷な特殊メイク
    エルファバの緑色の肌を表現するため、シンシア・エリヴォは毎日数時間をかけて全身に特殊なペイントを施されました。撮影後も、そのメイクを落とすだけで45分以上の時間を要したといいます。また、彼女は自らのピアスの穴を隠すために特製のシリコン製耳パーツを装着しており、指の先まで完璧なエルファバとして存在し続けるために、多大なる忍耐と努力が注がれました。
  • スタンリー・ドーネン作品へのオマージュ
    シズ大学の図書室にある巨大な回転する車輪のセットは、1951年の映画『恋愛準決勝戦』でフレッド・アステアが天井で踊る有名なシーンへのオマージュとして設計されました。この複雑なギミックは手動で操作され、俳優たちの動きに合わせて精密に動かされました。古典的な映画技術と現代の演出を融合させた、本作を象徴する視覚的な仕掛けの一つです。
  • ストライキを乗り越えた絆と完成
    本作の撮影は、ハリウッドでの大規模なストライキによって数ヶ月の中断を余儀なくされましたが、アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォはその間も連絡を取り合い、役への理解を深めていたといいます。撮影再開後、二人の結束力はさらに強まり、クライマックスのデュエット曲「For Good(あなたを忘れない)」の撮影では、スタッフ一同が涙を流すほどのエモーショナルな空間が作り出されました。

まとめ:作品が描いたもの

本作は、善と悪という単純な二元論を超え、自らのアイデンティティと向き合う二人の女性の成長と葛藤を描き出した傑作です。ジョン・M・チュウ監督は、圧倒的なビジュアルと音楽の力を用いて、私たちが知っている『オズの魔法使い』の世界を、より深く、より切ない物語として再構築しました。エルファバとグリンダ、それぞれの正義がぶつかり合いながらも、魂の深いところで繋がり続ける姿は、観る者の心に「自分らしく生きる勇気」を強く訴えかけます。


〔シネマ・エッセイ〕

空高く舞い上がるエルファバの姿と、それを見送るグリンダの瞳。そのコントラストの中に、この物語のすべてが凝縮されているようでした。緑色の肌というだけで疎外されてきた少女が、初めて自分を認めてくれる友に出会い、そして世界の歪みに気づいていく。その過程で奏でられる音楽は、もはや単なる旋律ではなく、彼女たちの魂の叫びそのものでした。

シンシア・エリヴォの圧倒的な声量は、抑圧された者たちの怒りと希望を代弁し、アリアナ・グランデが演じるグリンダの脆くも美しい気高さは、社会の期待に応えようともがく私たちの姿を映し出しているかのようです。二人が共に歌うとき、そこには魔法を超えた真実の友情が立ち現れます。それは決して甘いだけのものではなく、互いの道が異なることを受け入れる、痛みと強さを伴ったものでした。

エメラルド・シティの輝きの裏に潜む闇を暴き、一人で空へと飛び立つエルファバ。彼女が歌う「Defying Gravity」の力強い旋律は、劇場の空気を震わせ、観る者すべての胸を熱くさせます。重力に逆らい、運命に抗い、たとえ世界を敵に回しても自分の信じる道を行く。その高潔な決意は、現代を生きる私たちにとっても、暗闇を照らす一筋の光のように感じられるのです。

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