ダンス・ウィズ・ウルブス
Dances with Wolves
(アメリカ 1990)
[製作総指揮] ジェイク・エバーツ
[製作] ケヴィン・コスナー/デレク・カヴァノー/ジム・ウィルソン/ボニー・アーノルド
[監督] ケヴィン・コスナー
[原作] マイケル・ブレイク
[脚本] マイケル・ブレイク
[撮影] ディーン・セムラー
[音楽] ジョン・バリー
[ジャンル] アドベンチャー/ドラマ/ウエスタン
[受賞]
アカデミー賞 撮影賞/監督賞/編集賞/作品賞/音響賞/脚色賞
ベルリン国際映画祭 銀熊賞
シカゴ批評家協会賞 撮影賞
セザール賞 外国語映画賞
ゴールデン・グローブ賞 監督賞/作品賞/脚色賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 監督賞/作品賞
ケヴィン・コスナー (ジョン・ダンバー/ダンシズ・ウィズ・ウルヴス)
メアリー・マクドネル (スタンズ・ウィズ・ア・フィスト/拳を突き上げる女)
グレアム・グリーン (キッキング・バード/蹴る鳥)
ロドニー・A・グラント (ウィンド・イン・ヒズ・ヘア/髪をなびかせる男)
フロイド・‘レッドクロウ’・ウェスターマン (10匹の熊)
タントー・カーディナル (ブラック・ショール)
ロバート・パストレッリ (ティモンズ)
チャールズ・ロケット (エルジン)
モーリー・チェイキン (ファンブロー)
「ダンス・ウィズ・ウルブス」は、ケヴィン・コスナーが監督・主演を務めた西部劇である。
この作品は、アメリカ南北戦争後の西部を舞台に、アメリカ先住民との交流と理解を描いた感動的な物語で、多くの賞を受賞した。
物語は南北戦争の激戦地から始まる。
北軍の中尉ジョン・ダンバー(ケヴィン・コスナー)は、負傷しているにもかかわらず、絶望的な状況の中で英雄的な行動を取る。その行動により名誉勲章を授与されるとともに、希望する任地への転属が認められる。ダンバーは西部の最前線の孤立した前哨基地を選び、一人で赴任することになる。
ダンバーは荒れ果てた前哨基地に到着し、周囲の自然や動物と静かに生活を始める。
彼は日記をつけながら基地を修復し、独りでの生活に順応していく。やがて、ダンバーはスー族のアメリカ先住民と接触するようになる。最初はお互いに警戒していたが、次第に信頼関係を築くようになる。
特に、スー族の戦士、蹴る鳥(グレアム・グリーン)や髪をなびかせる男(ロドニー・グラント)との関係が深まる。また、スー族に育てられた白人女性の拳を突き上げる女(メアリー・マクドネル)とも出会い、彼女を通じてスー族の言語と文化を学び始める。
ダンバーは、スー族との交流を通じて彼らの生活様式や価値観を理解し、深い敬意を抱くようになる。彼はスー族から「ダンス・ウィズ・ウルブス」という名前を与えられ、彼らの一員として受け入れられる。
ケヴィン・コスナーの挑戦:
ケヴィン・コスナーは本作で初めて長編映画の監督を務めたが、プロジェクトは当初から多くの困難に直面した。予算オーバーや過酷な撮影環境などがあり、彼自身の資金を投入することもあった。
言語の使用:
映画ではスー族の言語が多用されている。コスナーはリアリティを追求するために、俳優たちにスー語を学ばせ、映画の中で自然に話せるようにした。この点が映画のリアリティと文化的な深みを高めている。
動物のトレーニング:
劇中に登場するオオカミ(実際はハイブリッドの犬)は、特別に訓練を受けた動物である。撮影中、動物たちがケヴィン・コスナーに懐かず、食べ物で誘導するシーンもあったというエピソードがある。
撮影場所:
映画の多くはサウスダコタ州のバッドランズ国立公園で撮影された。この場所はその荒々しい美しさで知られており、映画の壮大な風景描写に貢献している。
小説の映画化:
本作はマイケル・ブレイクの小説を原作としている。ブレイクは映画の脚本も手掛けており、彼の詳細な描写と物語の構成が映画の成功に大きく寄与している。
長尺映画:
「ダンス・ウィズ・ウルブス」は上映時間が約3時間に及ぶ長尺映画である。これは当時としても非常に長い映画であり、観客に深い印象を残した。
音楽の評価:
ジョン・バリーが作曲した音楽は映画の感動的なシーンを一層引き立て、その美しいスコアは高く評価され、アカデミー作曲賞を受賞した。
文化的影響:
映画はアメリカ先住民の文化に対する理解を深める契機となり、その後の映画やテレビドラマにも影響を与えた。スー族の言語や文化が広く認知されるきっかけとなった。
撮影中の事故:
ケヴィン・コスナーは撮影中に馬から落ちて軽傷を負ったが、撮影を続行した。彼のプロ意識がスタッフやキャストに影響を与えた。
興行成績:
「ダンス・ウィズ・ウルブス」は公開後すぐに大ヒットし、全世界で4億ドル以上の興行収入を上げた。これは西部劇としては異例の成功であり、映画業界に大きな影響を与えた。
「ダンス・ウィズ・ウルブス」は、その感動的なストーリー、美しい映像、そして文化的な深みで観客を魅了し続けている。ケヴィン・コスナーの献身的な取り組みと、先住民文化に対する尊重が融合したこの映画は、映画史に残る名作として多くの人々に愛されている。
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