チェーン・リアクション
Chain Reaction
(アメリカ 1996)
[製作総指揮] アーウィン・ストフ/リチャード・D・ザナック
[製作] アンドリュー・デイヴィス/アーン・シュミット/マハー・アーマッド/カルロス・H・サンチェス/テレサ・タッカー・デイヴィス
[監督] アンドリュー・デイヴィス
[原作] アーン・シュミット/リック・シーマン/ジョッシュ・フリードマン
[脚本] J・F・ロートン/マイケル・ボートマン
[撮影] フランク・タイディ
[音楽] ジェリー・ゴールドスミス
[ジャンル] アクション/サスペンス
キャスト

キアヌ・リーブス
(エディ・カサリヴィッチ)

モーガン・フリーマン
(ポール・シャノン)

レイチェル・ワイズ
(リリー・シンクレア博士)

フレッド・ウォード
(FBI捜査官レオン・フォード)
ケヴィン・ダン (FBI捜査官ドイル)

ブライアン・コックス
(ライマン・アール・コリア)

ジョアンナ・キャシディ
(マギー)
チェルシー・ロス (エド・ラファティ)
ニコラス・ラドール (アリステア・バークレイ博士)
ツィー・マ (ルー・チェン)
クリストフ・ピエツィンスキー (ルーカス・スクレブネスキー)
ジュリー・R・パール (エミリー・パール)
ストーリー
シカゴ大学の研究チームに所属する技術者エディは、水を燃料に変える画期的な「水素エネルギー」の安定化という歴史的快挙を成し遂げる。世界を救うクリーンエネルギーの誕生に歓喜するチームだったが、その直後、研究所が何者かによって爆破され、指導教官の博士が殺害されてしまう。
さらに不可解なことに、エディと物理学者のリリーの家からは多額の現金や工作道具が見つかり、二人は爆破犯・スパイとしての濡れ衣を着せられてしまう。警察、FBI、そして謎の暗殺集団から追われる身となった二人は、凍てつくシカゴの街を逃げ回る。
エディは、プロジェクトの有力な出資者であり、父親のように慕っていたポール・シャノン博士に助けを求める。しかし、事態は思わぬ方向へ。シャノンは政府の影の組織「C-システマ」と繋がっており、エネルギー利権を独占し世界のパワーバランスを影で操ろうとする巨大な闇の一部だったのだ。
エディとリリーは捕らえられ、組織の極秘地下施設へと連行される。シャノンたちはエディに「エネルギーを安定させるための周波数」を教えるよう強要するが、エディは隙を突いて施設のコンピューターをハッキング。施設を自爆させるプログラムを起動し、さらに全ての研究データをインターネットを通じて世界中の研究機関に送信し始めた。
混乱に陥る施設から、エディとリリーは命がけで脱出。シャノンは、自分たちの組織が世論を操りきれなくなったことを悟り、自身の保身のために冷酷な隠蔽工作を指揮した部下を射殺する。直後、施設は大爆発を起こして崩壊した。
シャノンは生き残ったものの、陰謀は公になり、彼の権力は失墜する。エディとリリーは朝日の中で救出され、自分たちの発明が特定の権力者に独占されることなく、人類共通の財産として公開されたことに安堵し、静かに再会を喜び合う。
エピソード・背景
- モーガンの「グレー」な魅力
シャノン博士は完全な悪党ではなく、「世界を安定させるには管理が必要だ」という歪んだ正義感を持つ人物。モーガンの落ち着いた声が、その言い分に不思議な説得力を与えています。 - 監督アンドリュー・デイヴィスの真骨頂
『逃亡者』でも見せた、ハイテク機器とアナログな逃走を組み合わせた演出が光ります。特にシカゴの跳ね橋を使ったバイクのジャンプシーンは迫力満点です。 - 当時のハイテク描写
まだインターネットが普及しきっていない時代に、「データを一斉送信して独占を阻止する」という結末は、非常に先見性のあるアイデアでした。 - キアヌ・リーブスの身体能力
『スピード』後のキアヌは絶好調で、極寒のシカゴでのアクションを体当たりで演じています。
まとめ:作品が描いたもの
本作は、純粋な科学的探究心が、国家レベルの「欲望」や「支配」というチェーン・リアクション(連鎖反応)を引き起こしてしまう恐ろしさを描いています。エディという一介の青年が、かつての師や国家という巨大な壁を相手に、「真実を共有する」という方法で勝利するカタルシスが最大の魅力です。
善と悪の境界線に立つモーガン・フリーマンの複雑な演技が、単なるアクション映画に知的なスパイスを加えており、エネルギー問題がより深刻化している現代に観ても、多くのことを考えさせてくれる一作です。


