フェイブルマンズ
The Fabelmans
(アメリカ・インド 2022)
[製作総指揮] ジョシュ・マクラグレン/カーラ・ライジ
[製作] スティーヴン・スピルバーグ/トニー・クシュナー/クリスティ・マコスコ・クリーガー/ブリタニー・リンドマン/エマ・エルゴート
[監督] スティーヴン・スピルバーグ
[脚本] スティーヴン・スピルバーグ/トニー・クシュナー
[撮影] ヤヌシュ・カミンスキー
[音楽] ジョン・ウィリアムズ
[ジャンル] ドラマ
キャスト

ミシェル・ウィリアムズ
(ミッツィ・ファベルマン)

ポール・ダノ
(バート・ファベルマン)

セス・ローゲン
(ベニー・ローウィ)
ガブリエル・ラベル (サミー・ファベルマン)
マテオ・ゾリアン (少年サミー)
キーリー・カーステン (ナタリー・ファベルマン)
アリーナ・ブレイス (少女ナタリー)
ジュリア・バターズ (レジー・ファベルマン)
バーディ・ボリア (少女レジー)
ジャド・ハーシュ (ボリス)
ソフィア・コペラ (リサ・ファベルマン)
ジーニー・ベルリン (ハダッサ・ファベルマン)
ロビン・バートレット (ティナ・シルトクラウト)
サム・レヒナー (ローガン・ホール)
オークス・フェグリー (チャド・トーマス)
クロエ・イースト (モニカ・シャーウッド)
イザベル・クスマン (クラウディア・デニング)
チャンドラー・ラヴェル (レニー)
グスタボ・エスコバル (サル)
ニコラス・カントゥ (ハーク)
クーパー・ドッドソン (ターキー)
ガブリエル・ベイトマン (ロジャー)
スティーヴン・マシュー・スミス (アンジェロ)
ジェームズ・アーバニアク (校長)
アレックス・キハーノ (コーチ)
グレッグ・グランバーグ (バーニー・フェイン)

デヴィッド・リンチ
(ジョン・フォード)
ストーリー
物語は、少年サミーが両親に連れられて映画館で観た戦争映画に強い衝撃を受けるところから始まる。列車事故の場面が頭から離れず、彼はその恐怖と興奮を再現するために8ミリカメラを手にする。家族を役者に見立て、模型を使って撮影を重ねるうちに、サミーは「現実を切り取り、組み替える」映画の魔法に夢中になっていく。理知的な父と、芸術的な感性を持つ母という対照的な両親のもとで、彼の映画愛は静かに育っていくのである。
一家は父の仕事の都合で転居を繰り返し、サミーは新しい土地になじめず孤独を深めていく。その逃げ場となるのが映画制作であり、ボーイスカウト仲間と撮った戦争映画や西部劇は、周囲からも一目置かれる存在となる。しかし、編集作業の中で偶然映像に映り込んでいた母の姿から、サミーは家族の中に隠されていた感情と関係性に気づいてしまう。カメラは嘘をつかず、少年にとってあまりにも重い真実を突きつける道具となる。
高校時代、反ユダヤ的ないじめに遭いながらも、卒業映画の制作を通じて周囲との関係を逆転させていくサミーは、映画が持つ影響力と危うさを身をもって知ることになる。両親の別離という現実を受け止め、父の望む安定した道と、母から受け継いだ創作への衝動の間で揺れ動いた末、彼は映画の世界に進む決意を固める。これは成功譚というより、映画とともに傷つき、成長していく一人の少年の記録であり、スピルバーグ自身が半生を振り返りながら綴った、少し照れくさくてとても誠実な映画愛の物語である。


