ロンリー・ガイ
The Lonely Guy
(アメリカ 1984)
[製作総指揮] ウィリアム・E・マックエン/ドロシー・ワイルド/C・O・エリックソン
[製作] アーサー・ヒラー/ジュディ・ゴードン/ドロシー・ワイルド
[監督] アーサー・ヒラー
[原作] ブルース・ジェイ・フリードマン
[脚本] スタン・ダニエルズ/エド・ワインバーガー/ニール・サイモン
[撮影] ヴィクター・J・ケンパー
[音楽] ジェリー・ゴールドスミス
[ジャンル] コメディ
キャスト
スティーヴ・マーティン
(ラリー・ヒュバード)
チャールズ・グローディン
(ウォーレン・エヴァンス)
ジュディス・アイヴィ (アイリス)
スティーヴ・ローレンス (ジャック・フェンウィック)
ロビン・ダグラス (ダニエル)
マーヴ・グリフィン (本人)
Dr.ジョイス・ブラザーズ (本人)
キャンディ・ブロー (シュナイダー(双子))
ランディ・ブロー (シュナイダー(双子))
ジュリー・ペイン (レンタル員)
マディソン・アーノルド (孤独な警官)
ロニー・アンダーソン (本人)
アンディ・ガルシア
(男)
概要
『ロンリー・ガイ』(The Lonely Guy)は、アーサー・ヒラーが監督し、スティーヴ・マーティンが主演したコメディ映画。
孤独な中年男性が都会で愛を探しながら、ロンリー・ガイとしての人生をユーモラスに乗り越えていく様子を描く。
スティーヴ・マーティンのコミカルな演技が際立つ作品であり、都会生活者の孤独や恋愛の苦悩を風刺している。
ストーリー
主人公ラリー・ハバード(スティーヴ・マーティン)は、ニューヨークで働く冴えない男。ある日、長年付き合っていた恋人が他の男性と浮気していたことが発覚し、突然の別れを経験する。失意のラリーは、独りぼっちの生活を強いられることになる。
新たな生活を始めたラリーは、都会で孤独な人々が直面する様々な出来事を経験する。友人であり、同じく「ロンリー・ガイ」であるウォーレン(チャールズ・グローディン)から孤独者としての「心得」を学びつつ、カフェやパーティで新たな出会いを探す。しかし、うまくいかない恋愛や滑稽な失敗が続き、ラリーの孤独感は深まるばかり。
そんな中、ラリーは本を執筆することを決意。孤独な人々のためのガイドブック『ロンリー・ガイの手引き』を出版し、一躍有名人となる。これにより彼の生活は一変し、注目の的となる。しかし、名声を得ても真の愛を見つけることができず、彼の心は満たされない。
ラリーは女性アイリス(ジュディス・アイヴィー)と出会う。彼女との関係を築く中で、孤独とは単なる状況ではなく、自分自身の心の持ちようであることに気づく。アイリスとの幸せな生活を見つけることで、ラリーは自分の人生に新たな意味を見出していく。
エピソード
- スティーヴ・マーティンは、自身の得意とするシニカルなユーモアを活かし、ラリーの孤独と不器用さを絶妙に演じた。マーティンは脚本に積極的に関与し、自分の演技スタイルに合うように台詞やシーンをアレンジした。特に彼が登場する内省的なモノローグは彼自身の提案によるもの。
- チャールズ・グローディンは、マーティンとの掛け合いシーンで独特の間を活かし、コメディ要素を強調。彼のキャラクターが「ロンリー・ガイ」の哲学を教えるシーンは映画の名場面とされている。
- アイリス役は、劇中でラリーに希望を与える重要なキャラクター。演じたジュディス・アイヴィーは撮影中、孤独と愛について監督やマーティンと深く話し合い、キャラクターにリアリティを持たせた。
- 映画には孤独な人々のエピソードが多数挿入され、これらはキャストが撮影現場で実際に見聞きした話をもとに脚色されたという。
- 撮影地のニューヨークは、監督アーサー・ヒラーによる「孤独な都会人」の象徴として選ばれ、背景のビルや無機質な街並みがその雰囲気を引き立てた。
- 公園で一人ピクニックをするシーンでは、マーティンの即興演技が撮影現場のスタッフにも大ウケし、台本にはないカットがそのまま採用された。
- マーティンは撮影中、共演者やスタッフにジョークを飛ばし続け、現場を明るく盛り上げたという。特にジュディス・アイヴィーとは和やかな関係を築き、映画のラブストーリー部分にもその影響が表れている。
- 映画の音楽はヘンリー・マンシーニが担当し、シンプルながらも映画のユーモラスかつ切ない雰囲気を完璧に引き立てた。
感想
都会で孤独に向き合うラリーの姿はどこか愛おしくて、笑える部分も多かった。
彼の不器用な行動や恋愛へのチャレンジは、観ていると応援したくなるし、共感できるところもあった。孤独を前向きに楽しむヒントが詰まっていて、観終わった後に気持ちが軽くなる作品。
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