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[女優] モーリン・オサリヴァン Maureen O’Sullivan 出演作品一覧|プロフィール|エピソード | ターザン

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モーリン・オサリヴァン
Maureen O’Sullivan

1911年5月17日、アイルランド・ボイル生まれ。
1998年6月23日、アメリカ・アリゾナ・スコッツデイルで死去(心臓発作)。享年87歳。
本名モーリン・ポーラ・オサリヴァン。
ダブリンの修道院を出て、ロンドン、パリで学ぶ。
ターザンの相手役としてスターになる。
ロンドンの学校ではヴィヴィアン・リーとクラスメイトだった。
ミア・ファローの母。

今回は、ジョニー・ワイズミュラーの隣で、気高くも愛らしい「ジャングルの女王」を演じ、世界中の観客を虜にしたアイルランド出身の女優、モーリン・オサリヴァンをご紹介します。

彼女は、映画史に残るヒロイン「ジェーン」役としてあまりに有名ですが、その実体はアイルランドの修道院学校で育った、非常に知的で育ちの良いお嬢様でした。ターザン映画で見せた野生的な魅力だけでなく、文芸大作や洗練されたミステリーでも確かな演技力を発揮し、ハリウッド黄金期を彩りました。

また、名女優ミア・ファローの母親としても知られ、私生活では名監督ジョン・ファローと生涯を添い遂げた、誠実で芯の強い女性でもありました。


瞳に宿る知性と情熱。モーリン・オサリヴァン、ジャングルの永遠の恋人

モーリン・オサリヴァンの魅力は、清楚な美しさの中にふとした瞬間に見せる、大胆な情熱とユーモアにあります。

彼女が演じたジェーンは、単にヒーローに守られるだけの存在ではなく、自らの意志でジャングルに留まり、ターザンを教育し、共に生きることを選ぶ「自立した女性」の先駆けでもありました。露出の多い衣装をさらりと着こなし、ワニやライオンが闊歩する過酷なロケ現場でも、常にエレガントな気品を失わなかった彼女。その自然体な美しさは、後の多くの女優たちに大きな影響を与えました。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:モーリン・ポーラ・オサリヴァン
  • 生涯:1911年5月17日 ~ 1998年6月23日(享年87歳)
  • 出身:アイルランド・ロスコモン州ボイル
  • 背景:アイルランドの社交界でスカウトされ、18歳でハリウッドへ。1932年に『類猿人ターザン』のヒロイン、ジェーン役に抜擢され一躍スターに。監督のジョン・ファローと結婚し、7人の子供を育てながら、舞台やテレビでも息の長い活躍を続けました。
  • 功績:ターザンシリーズ全6作でジェーンを演じ、その「健康的でセクシー、かつ知的なヒロイン像」を確立しました。晩年には、娘ミア・ファローと共演した『ハンナとその姉妹』で見事な復活を遂げました。


1. 運命の出会い:類猿人ターザン

モーリンが「ジェーン・パーカー」として初めて登場し、世界中にその名を知らしめた記念碑的な作品です。彼女が演じたジェーンは、文明社会の窮屈さに疑問を感じ、ジャングルの王者ターザンの中に「汚れなき真実」を見出すという、当時の観客が抱いていた自由への憧れを見事に体現しました。

当初、スタジオ側は彼女を単なる「悲鳴を上げるヒロイン」として扱おうとしましたが、モーリンは持ち前の知性を演技に込め、ターザンと言葉を通わせようと試みる献身的な姿を描き出しました。ジョニー・ワイズミュラーとの息の合った掛け合いは、単なる共演を超えて、異なる世界に生きる二人の魂が共鳴する瞬間を感じさせ、観客は彼女の瞳を通してターザンの優しさを発見しました。この一作によって、彼女は「銀幕の恋人」としての地位を不動のものにしたのです。

2. 伝説の美しさ:ターザンの復讐

シリーズ2作目にして、モーリンの野性的かつ優雅な魅力が最高潮に達した一作です。この作品では、文明社会の追手から逃れ、ジャングルでの生活を完全に受け入れたジェーンの幸福感が、彼女の瑞々しい演技によって表現されています。

特に話題となったのが、大胆な露出を伴う衣装で水中を泳ぐシーンです。当時の検閲(ヘイズ・コード)に抵触するほど官能的であるとされましたが、モーリンの演技には決して卑猥さはなく、むしろ自然の一部として生きる人間の尊厳と解放感が満ちていました。

スタントを使わずに水中での撮影に挑む彼女のプロ根性と、ワイズミュラーと並んでも引けを取らない身体的な説得力は、後のアクションヒロイン像の原点となりました。彼女が見せた「ジャングルの生活を心から楽しむ笑顔」こそが、この非現実的な物語に生命を吹き込んだと言っても過言ではありません。

3. 都会派ミステリーの華:影なき男

「ジャングルの女王」という強烈なイメージを脱ぎ捨て、モーリンが性格俳優としての実力を証明した代表作の一つです。ウィリアム・パウエルとマーナ・ロイが演じる名探偵夫妻が活躍する都会派ミステリーの金字塔において、彼女は事件のきっかけを作る重要な令嬢ドロシーを演じました。

ジャングルの革衣装から一転、1930年代の最先端のモードに身を包んだ彼女は、都会的な洗練と、父を想う娘の繊細な心理を見事に演じ分けました。コミカルなテンポが求められるルビッチ流の会話劇の中でも、彼女の持つ天性の気品と、一瞬の表情で状況を物語る高い演技力は際立っていました。

この作品での成功により、彼女は「何でも演じられるオールラウンドなスター」として、ハリウッドのスタジオシステムの中でその価値をさらに高めることになったのです。

4. 古典文芸への挑戦:高慢と偏見

ジェーン・オースティンの名作小説の映画化において、主人公エリザベスの姉であり、心優しい美女ジェーン・ベネットを演じました。ターザン映画での野性味溢れるイメージとは真逆の、極めて保守的で淑やかな英国淑女の役どころです。

モーリンは、当時の社交界の複雑なエチケットや、言葉に出せない恋心を、控えめながらも豊かな表情で表現しました。彼女の持つ育ちの良さと、透明感のある美しさが最大限に活かされた作品であり、コスチューム・プレイ(時代劇)においても彼女が第一級の女優であることを証明しました。

5. 晩年の結実:ハンナとその姉妹

実の娘であるミア・ファロー、そして当時の義理の息子にあたるウディ・アレンと共演した、キャリア後期の傑作です。彼女はミア演じる主人公ハンナの母親役を演じ、かつての銀幕のスターとしてのオーラを保ちつつ、老いや家族の葛藤を抱える複雑な女性像をリアルに演じました。

劇中でピアノを弾きながら過去を回想するシーンなどは、彼女自身の長いキャリアと人生の深みが重なり合い、観客の胸を打ちます。若き日の「ジャングルの恋人」が、知性と気品を湛えたまま成熟した姿を見せたこの作品は、彼女の長い女優人生を締めくくるにふさわしい、感動的な一作となりました。


📜 モーリン・オサリヴァンを巡る知られざるエピソード集

1. チンパンジー「チータ」との戦い

画面上では仲良しに見えたターザンの相棒チーター(チンパンジー)でしたが、実際にはモーリンのことをあまり好いておらず、撮影中によく彼女を噛もうとしたり、意地悪をしたりしたそうです。彼女は後に「チーターは大嫌いだったわ。あの子は本当に意地悪な猿だったのよ!」とユーモアたっぷりに語っています。

2. 「ジェーン」を辞めたかった理由

シリーズがあまりに大ヒットしたため、モーリンはどこへ行っても「ジェーン」と呼ばれることに嫌気がさし、何度も降板を申し出ました。一度は、物語の中でジェーンが死ぬという脚本まで書かれましたが、ファンからの猛烈な抗議によりスタジオが断念。結局、彼女は10年にわたってこの役を演じ続けることになりました。

3. 厳格なカトリック教徒のジレンマ

露出の多い衣装で知られた彼女ですが、私生活では非常に厳格なカトリック教徒でした。夫ジョン・ファローとの結婚にあたっては、当時まだ離婚経験があった彼との結婚を教会に認めてもらうため、ローマ教皇庁にまで働きかけるほどの熱意を見せました。その誠実な人柄は、派手なスキャンダルが絶えないハリウッドにおいて異彩を放っていました。

4. 娘ミア・ファローとの複雑で深い絆

娘のミアが女優として成功し、フランク・シナトラやウディ・アレンとの関係で世間を騒がせる中、モーリンは常に娘の最大の理解者であり続けました。ウディ・アレン監督の『ハンナとその姉妹』では、ミアの実の母親役として出演。劇中で見せた母娘のリアリティ溢れるやり取りは、映画ファンを大いに喜ばせました。

5. ターザンを「教育」した知性

劇中でターザンに言葉を教えるジェーンさながら、実際の撮影現場でも、アイルランド仕込みの美しい英語を話すモーリンは、スポーツ選手出身で演技に不慣れだったジョニー・ワイズミュラーに、台詞のタイミングや間の取り方をアドバイスしていました。彼にとってモーリンは、銀幕の恋人であると同時に、最高の演技の教師でもあったのです。

6. 100歳を前にした優雅な晩年

女優を引退した後も、彼女はブロードウェイの舞台に立ち続けたり、テレビ番組に出演したりと、生涯現役を貫きました。彼女は自分のキャリアを振り返り、「ターザン映画は私に自由をくれたわ。でも、私が本当に誇りに思っているのは、7人の子供を立派に育て上げたことよ」と語っています。その言葉通り、彼女の人生は愛情と誇りに満ちたものでした。


📝 まとめ:静かに輝き続けた、ジャングルの真珠

モーリン・オサリヴァンは、映画という夢の世界に、自然体な知性と確かな品格を吹き込んだ女優でした。

彼女の功績は、単に有名なキャラクターを演じたことだけではありません。それは、過酷な状況下にあっても自分を見失わず、愛する者のために強く、そして美しくあり続ける女性像を提示したことにあります。ターザンと共に駆け抜けた日々も、子供たちを育て上げた静かな日常も、彼女にとっては等しく大切な「自分の人生」でした。

彼女がスクリーンで見せたあの輝くような笑顔は、これからも映画を愛する人々の心の中で、永遠に色褪せることのない優雅な思い出として残り続けるでしょう。


[出演作品]

1930   19歳

我が心の歌     Song o’ My Heart
五十年後の世界     Just Imagine
春ひらく     Princess and the Plumber

1931   20歳

愉快な武士道     A Connecticut Yankee
摩天楼の悲劇     Skyline
天晴れ突貫大当り     The Big Shot

1932   21歳

類猿人ターザン     Tarzan the Ape Man


インチキ競馬     Fast Companions
摩天楼の狼     Skyscraper Souls
西部の渡り鳥     Robbers’ Roost

1933   22歳

海上御難の巻     The Cohens and Kellys in Trouble
酔いどれ船     Tugboat Annie
胡蝶となるまで     Stage Mother

1934   23歳



愛の隠れ家     Hide-Out
白い蘭     The Barretts of Wimpole Street

1935   24歳


空の軍隊     West Point of the Air
晩春     The Flame Within
アンナ・カレニナ     Anna Karenina


脱線僧正     The Bishop Misbehaves

1936   25歳

闇に叫ぶ声     The Voice of Bugle Ann
悪魔の人形     The Devil-Doll


1937   26歳


春に背くもの     Between Two Women

1938   27歳

響け凱歌     A Yank at Oxford
群衆は叫ぶ     The Crowd Roars

1939   28歳


1940   29歳


1941   30歳


1942   31歳


1948   37歳


1957   46歳


1965   54歳

お呼びの時間     Never Too Late

1982   71歳

仮面のレジデンス     Too Scared to Scream

1986   75歳

ハンナとその姉妹     Hannah and Her Sisters


ペギー・スーの結婚     Peggy Sue Got Married


1987   76歳

A.T./エイリアン・トラベラーズ     Stranded

1992   81歳

マッド・ポリス     With Murder in Mind
テキサスの風     The Habitation of Dragons

1994   83歳

Hart to Hart: Home Is Where the Hart Is

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