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[女優] ベティ・デイヴィス Bette Davis

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ベティ・デイヴィス
Bette Davis

1908年4月5日、アメリカ・マサチューセッツ・ローウェル生まれ。
1989年10月6日死去(がん)。享年81歳。
本名ルース・エリザベス・デイヴィス。
身長161cm。
演劇学校を卒業後、舞台女優として活躍。
23歳の時「悪い妹」で映画デビュー。
「痴人の愛」で認められ、以後演技派女優としてトップを守った。
結婚歴4回。

今回は、ハリウッド史上最強の演技派であり、その強烈な個性と意志で映画界の常識を塗り替えた「銀幕の女王」ベティ・デイヴィスをご紹介します。

彼女は、単なる美貌を売りにする女優ではありませんでした。醜い役や嫌われ役も厭わず、魂を削るような演技で観客を圧倒。スタジオの横暴に立ち向かい、女性の権利と地位を勝ち取った闘士でもありました。その大きな瞳に宿る炎のような情熱と、数々のスキャンダラスな愛憎劇に彩られた、あまりにもドラマチックな人生に迫ります。


瞳に宿る不屈の炎。ベティ・デイヴィス、自由を勝ち取った女王

ベティ・デイヴィスの魅力は、型破りな力強さと、見る者を射抜くような鋭い眼差しです。

彼女は「ハリウッドで最も扱いにくい女優」と呼ばれましたが、それは彼女が作品の質に対して一切の妥協を許さなかったからです。美しいだけの人形であることを拒み、人間のエゴや狂気を剥き出しにする彼女の演技は、当時の映画界に衝撃を与えました。私生活でも恋多き女性でありながら、常に孤独と戦い、誇り高く生き抜いた彼女の姿は、今も多くの人々に畏敬の念を抱かせます。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:ルース・エリザベス・デイヴィス
  • 生涯:1908年4月5日 ~ 1989年10月6日(享年81歳)
  • 出身:アメリカ・マサチューセッツ州ローウェル
  • 背景:ブロードウェイでの活動を経てハリウッドへ。当初は「スターの器ではない」と過小評価されましたが、実力でその声を黙らせました。スタジオ・システムによる不当な契約に異を唱え、裁判を起こしてまで表現の自由を求めた勇気ある先駆者です。
  • 功績:アカデミー主演女優賞を2回受賞(『青春の抗議』『黒蘭の女』)。ノミネート回数は10回に及びます。


1. 執念が生んだ最高傑作:黒蘭の女

南北戦争直前の南部を舞台に、わがままな令嬢ジュリーが愛を失い、やがて自己犠牲の道を選ぶまでを描いた物語。 監督ウィリアム・ワイラーとの不倫関係による激しい情動が演技に投影されており、彼女の代表作となりました。社交界で禁じられていた「赤いドレス」で舞踏会に現れるシーンの反抗的な美しさは、ベティそのものを象徴しています。この作品で彼女は2度目のオスカーを手にしました。

2. 栄光と孤独の舞台裏:イヴの総て

落ち目になりかけた大女優マーゴと、彼女の座を狙う野心的な新人イヴの戦いを描いた業界ドラマの最高峰。 「シートベルトを締めなさい。今夜は荒れるわよ(Fasten your seat belts, it’s going to be a bumpy night)」という名台詞とともに見せる、誇り高くも傷つきやすいトップスターの姿は、まさにベティの真骨頂。実生活でもキャリアの過渡期にいた彼女が、その意地とプライドのすべてを込めた渾身の一作です。

3. 狂気の淵で踊る:何がジェーンに起ったか?

かつての子役スターが、不自由な体になった姉を屋敷に閉じ込め、狂気的な嫌がらせを続けるサイコ・スリラー。 白塗りの奇怪なメイクを自ら考案し、かつての美貌をかなぐり捨てた怪演は世界を震撼させました。長年の宿敵ジョーン・クロフォードとの共演でも話題を呼び、ベティはこれによって「ホラー・クイーン」としての新たな境地を切り開き、再起を果たしたのです。


🎭 ベティ・デイヴィスを巡る珠玉のエピソード集

1. ウィリアム・ワイラーとの「愛憎の結末」

『黒蘭の女』の撮影中、ベティは監督のウィリアム・ワイラーと深い不倫関係にありました。撮影現場でも激しく衝突し、一時は「二度と仕事はしない」とまで言い合いましたが、結果として彼はベティの魅力を最大限に引き出しました。ワイラーが別の女性と電撃結婚したことで関係は破綻しましたが、彼女は晩年まで「彼こそが最高の監督だった」と称え続けました。

2. ジョーン・クロフォードとの「世紀の不仲」

ハリウッド史上最大のライバル関係として知られるジョーン・クロフォードとの仲の悪さは伝説的です。『何がジェーンに起ったか?』の撮影中、ベティはジョーンの頭を本気で蹴飛ばし、ジョーンはベティが自分を持ち上げるシーンで重りを隠し持って腰を痛めさせたという逸話があります。二人の戦いは、彼女たちがどれほどスターとしてのプライドを賭けて生きていたかの裏返しでもありました。

3. 「ベティ・デイヴィスの瞳」という賛辞

彼女の大きな瞳は、時に「バグ・アイ(虫の目)」と揶揄されることもありましたが、彼女はその特徴を最大の武器に変えました。1981年にはジャッキー・デシャノンが彼女を称えた楽曲『ベティ・デイヴィスの瞳(Bette Davis Eyes)』を発表し、世界中で大ヒット。彼女の瞳は、意志の強さと知性の象徴として、永遠に映画史に刻まれました。

4. スタジオへの「宣戦布告」

ワーナー・ブラザースとの契約が奴隷的であるとして、彼女は全盛期にイギリスへ渡り、スタジオを相手に裁判を起こしました。結果的に裁判には敗れましたが、この行動が後の「俳優の権利向上」に繋がり、スタジオによるスターの独占体制を崩す大きな一歩となりました。彼女は文字通り、ハリウッドの革命児だったのです。

5. 「仕事は私の恋人」

4度の結婚と離婚を繰り返し、私生活では常に波乱が絶えませんでしたが、彼女が最後に信じたのは自分自身の才能と仕事でした。娘から暴露本を書かれるという悲劇にも見舞われましたが、彼女は最後までタバコを片手に「私は自分の人生に後悔はない」と語り、気高く死を迎えました。

6. 批判を燃料に変える強さ

「美しくない」「声がうるさい」といった批判を受けるたびに、彼女はそれを逆手に取った演技で批評家たちを黙らせてきました。「女優は美しくある必要はない。真実であればいいの」という彼女の言葉は、今も多くの表現者に勇気を与え続けています。


📝 まとめ:嘘を拒み、真実を演じ抜いた女王

ベティ・デイヴィスは、ハリウッドの虚飾を剥ぎ取り、人間の剥き出しの感情をスクリーンに叩きつけた唯一無二の女優です。

彼女の激しい気性や、周囲との度重なる衝突は、すべて「より良い作品を作りたい」という純粋な情熱からくるものでした。誰に媚びることなく、自らの才能を信じて戦い抜いた彼女の歩みは、後世のすべての女優たちに「自由」という名の道を切り拓きました。あの大きな瞳が放つ光は、今もスクリーンを通じて私たちの魂を激しく揺さぶり続けています。


[出演作品]

1931   23歳

姉妹小町     Bad Sister
母性     Seed
ウォタルウ橋     Waterloo Bridge
懐しき故里     Way Back Home

1932   24歳

The Menace
The Man Who Played God
Hell’s House
母     So Big!
The Rich Are Always with Us
The Dark Horse
暁の耕地     The Cabin in the Cotton


春なき二万年     20,000 Years in Sing Sing

1933   25歳

落下傘     Parachute Jumper
The Working Man
Ex-Lady
失踪者三万人     Bureau of Missing Persons
Just Around the Corner

1934   26歳

めりけん商売     The Big Shakedown
流行の王様     Fashions of 1934
Jimmy the Gent
Fog Over Frisco
痴人の愛     Of Human Bondage

Housewife

1935   27歳

国境の町     Bordertown
The Gilr from 10th Avenue
Front Page Woman
特高警察     Special Anget
青春の抗議     Dangerous

1936   28歳


The Golden Arrow
マルタの鷹     Satan Met a Lady

1937   29歳

札つき女     Marked Woman
A Day at Santa Anita
倒れるまで     Kid Galahad
恋愛合戦     It’s Love I’m After
或る女     That Certain Woman

1938   30歳

黒蘭の女     Jezebel

黄昏     The Sisters

1939   31歳

愛の勝利     Dark Victory
革命児ファレス     Juarez
The Old Maid
女王エリザベス     The Private Lives of Elizabeth and Essex

1940   32歳

If I Forget You
凡てこの世も天国も     All This, and Heaven Too
月光の女     The Letter

1941   33歳


Shining Victory
The Bride Came C.O.D.
晩餐に来た男     The Man Who Came to Dinner
偽りの花園     The Little Foxes



1942   34歳




1943   35歳

ラインの監視     Watch on the Rhine
旧友     Old Acquaintance
Thank Your Lucky Stars

1944   36歳

愛の終幕     Mr. Skeffington
ハリウッド玉手箱     Hollywood Canteen 

1945   37歳

小麦は緑     The Corn Is Green

1946   38歳

盗まれた青春     A Stolen Life
愛憎の曲     Deception

1948   40歳

幸福への招待状     Winter Meeting
花嫁の季節     June Bride

1949   41歳


Breakdowns of 1949

1950   42歳

イヴの総て     All About Eve

1951   43歳

黄昏の惑い     Payment on Demand
Another Man’s Poison

1952   44歳

Phone Call from a Stranger
The Star

1955   47歳

ヴァージン・クイーン     The Virgin Queen
The 20th Century-Fox Hour

1956   48歳

Storm Center
The Catered Affair

1959   51歳

大海戦史     John Paul Jones
The Scapegoat
Wagon Train  (TV)

1961   53歳

ポケット一杯の幸福     Pocketful of Miracles



1962   54歳

何がジェーンに起ったか?     What Ever Happened to Baby Jane?



1963   55歳

禁じられた抱擁     The Empty Canvas
誰が私を殺したか?     Dead Ringer

1964   56歳

愛よいずこへ     Where Love Has Gone



1965   57歳

妖婆の家     The Nanny
The Decorator

1968   60歳

残酷な記念日     The Anniversary

1971   63歳

原潜ポラリスSOS     Madame Sin

1972   64歳

黒薔薇の女     The Judge and Jake Wyler

1976   68歳

家     Burnt Offerings

1978   70歳

続・星の国から来た仲間     Return from Witch Mountain
ナイル殺人事件     Death on the Nile



1980   72歳

呪われた森     The Watcher in the Woods

1982   74歳

チミノ夫人のピアノ(遠い道)     A Piano for Mrs. Cimino

1983   75歳

幸福の選択     Right of Way

1985   77歳

ミス・マープル/魔術の殺人     Murder with Mirrors

1986   78歳

ジョージアの熱い風     As Summers Die

1987   79歳

八月の鯨     The Whales of August


1989   81歳

おばあちゃんは魔女     Wicked Stepmother

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