ルネ・クレール
René Clair
1898年11月11日、フランス・パリ生まれ。
1981年3月15日、フランス・パリで死去。享年82歳。
本名ルネ=リュシアン・ショメット(René-Lucien Chomette)。
26歳の時監督デビュー。
ルネ・クレールは、フランス出身の映画監督、脚本家、作家であり、その詩的でユーモラスな作品で広く知られている。彼の作品は、サイレント映画からトーキー、フランス映画からハリウッド映画まで、多岐にわたり、その多才な才能で映画史に大きな影響を与えた。
パリで生まれたクレールは、ジャーナリストや作家としてのキャリアをスタートさせたが、第一次世界大戦中に負傷し、その後映画の世界に転じた。
彼の映画デビューは1924年の短編映画『眠るパリ』であり、この作品で彼はその独特のスタイルとユーモアを早くも示した。
1920年代後半から1930年代初頭にかけて、クレールは数々のサイレント映画を手掛け、その中でも『巴里の屋根の下』(1930年)は、詩的な映像美と斬新なストーリーテリングで高く評価された。また、トーキーの初期においてもその斬新さを失わず、音楽と映像の融合を巧みに実現した作品である。
1931年の『ル・ミリオン』や1932年の『自由を我等に』などの作品では、クレールはさらにその才能を発揮し、社会風刺と詩的な要素を織り交ぜたコメディ映画を制作した。これらの作品は、クレールのユーモアセンスと視覚的なイノベーションを象徴するものであり、多くの観客に愛された。
1940年代には、クレールはハリウッドに渡り、アメリカ映画界でも活躍した。彼のハリウッド作品には、『奥様は魔女』(1942年)、『そして誰もいなくなった』(1945年)などがあり、これらの作品でも彼の独特のスタイルが光る。彼のアメリカでのキャリアは成功し、ハリウッドでもその名を広めた。
戦後、クレールはフランスに戻り、さらに多くの作品を手掛けた。彼の晩年の作品には、『沈黙は金』(1947年)、『夜ごとの美女』(1952年)などがある。彼の作品は、常に人間性や社会に対する鋭い洞察と温かいユーモアを持ち続けていた。
ルネ・クレールは、そのキャリアを通じて多くの映画賞を受賞し、フランス映画界における巨匠としての地位を確立した。その独特の詩的な映像とユーモアで今なお多くの映画ファンに影響を与え続けている。
[監督作品]
1924 26歳
幕間 Entr’acte
眠るパリ Paris qui dort
1925 27歳
Le fantôme du Moulin-Rouge
1926 28歳
Le voyage imaginaire
1927 29歳
La proie du vent
1928 30歳
イタリア麦の帽子 Un chapeau de paille d’Italie
Les deux timides
1930 32歳
巴里の屋根の下 Sous les toits de Paris
1931 33歳
ル・ミリオン Le Million
自由を我等に À nous la liberté
1932 34歳
1934 36歳
最後の億萬長者 Le dernier milliardaire
1935 37歳
幽霊西へ行く The Ghost Goes West
1938 40歳
Break the News
1941 43歳
焔の女 The Flame of New Orleans
1942 44歳
奥さまは魔女 I Married a Witch
1943 45歳
提督の館 Forever and a Day
1944 46歳
明日を知った男 It Happened Tomorrow
1945 47歳
そして誰もいなくなった And Then There Were None
1947 49歳
沈黙は金 Le Silence est d’or
ブリュッセル国際映画祭映画大賞
1950 52歳
悪魔の美しさ La Beauté du diable
1952 54歳
夜ごとの美女 Les Belles de nuit
1955 57歳
夜の騎士道 Les Grandes manoeuvres
1957 59歳
リラの門 Porte des Lilas
1960 62歳
フランス女性と恋愛 La Française et l’Amour
1961 63歳
Tout l’or du monde
1965 67歳
Les fêtes galantes
コメント