マルセル・カルネ
Marcel Carné
1906年8月18日、フランス・パリ生まれ。
1996年10月31日、フランス・オードセーヌ・クラマールで死去。享年90歳。
父は家具職人。
20代の頃から俳優、助監督等でキャリアを積み、30歳の頃長編「ジェニイの家」で監督デビューし、以後次々と名作を発表したフランス映画界が誇る名監督。
マルセル・カルネは、フランスの映画監督で、詩的リアリズムの代表的な人物として知られている。彼の作品は1930年代から1940年代にかけて、フランス映画の黄金期を築き上げ、多くの名作を生み出した。
カルネは、パリで生まれ、父親の跡を継いで家具職人になることが期待されていたが、映画への情熱を追求することを決意。彼は映画雑誌の編集者として働きながら、写真の夜間講座に通い、やがて映画業界に足を踏み入れる。1920年代後半、フランソワーズ・ロゼーの紹介でカルネはジャック・フェデーやルネ・クレールなどの監督の下で助監督を務め、その才能を磨いていった。
カルネの最初の監督作品は『ジェニイの家』で、彼の名を広めるきっかけとなった。その後、彼は脚本家ジャック・プレヴェールとのコラボレーションで、『霧の波止場』、『北ホテル』、そして『天井桟敷の人々』などの傑作を生み出した。これらの作品は、詩的リアリズムのスタイルを確立し、カルネの名をフランス映画史に刻むものとなった。
カルネの作品は、深い人間性や社会問題を扱った内容が特徴で、特に『天井桟敷の人々』はフランス映画の中で最も偉大な作品の一つとされている。しかし、彼のキャリアは第二次世界大戦後に陰りを見せ、後半の作品は批評家や観客からの評価が低迷した。また、彼の同性愛は当時の社会では公にされなかったものの、彼の人生やキャリアにおいて影響を与えていたとされる。
カルネのキャリアは、フランス映画の黄金時代と密接に結びついており、彼の作品は今もなお多くの映画ファンに影響を与え続けている。彼は1996年にパリ近郊のクラマールで90歳で亡くなり、モンマルトル墓地に埋葬された。
[監督作品]
1936 30歳
ジェニイの家 Jenny
1937 31歳
おかしなドラマ Drôle de drame
1938 32歳
霧の波止場 Le quai des brumes
1939 33歳
陽は昇る Le jour se lève
1942 36歳
悪魔が夜来る Les visiteurs du soir
1945 39歳
天井棧敷の人々 Les enfants du paradis
1946 40歳
枯葉~夜の門~ Les portes de la nuit
1947 41歳
La fleur de l’age
1950 44歳
港のマリー La Marie du Port
1951 45歳
愛人ジュリエット Juliette ou La clef des songes
1953 47歳
1954 48歳
われら巴里っ子 L’air de Paris
1956 50歳
遥かなる国から来た男 Le pays d’où je viens
1958 52歳
危険な曲り角 Les tricheurs
1960 54歳
広場(ひろっぱ) Terrain vague
1963 57歳
Du mouron pour les petits oiseaux
1965 59歳
マンハッタンの哀愁 Trois chambres à Manhattan
1968 62歳
若い狼たち Les jeunes loups
1971 65歳
Les assassins de l’ordre
1974 68歳
La merveilleuse visite
1977 71歳
L Bible
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