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有頂天時代 Swing Time 1936 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】| フレッド・アステア | ジンジャー・ロジャース

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ステップ一つで世界は輝く。アステア&ロジャースが贈る、至高のミュージカル

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軽やかなステップ、心躍るメロディ。ギャンブラーのラッキーとダンス教師のペニーが織りなす、恋の駆け引きと極上のダンスシーン。ジェローム・カーンの名曲にのせて、アステア&ロジャース・コンビが到達した最高傑作。

有頂天時代
Swing Time
(アメリカ 1936)

[製作] パンドロ・S・バーマン
[監督] ジョージ・スティーヴンス
[原作]  アーウィン・ゲルシー
[脚本]  ハワード・リンゼイ/アラン・スコット/ドロシー・ヨスト/ベン・ホームズ/アンソニー・ヴィーラー/ライアン・ジェームズ
[撮影]  デヴィッド・エイベル/ジョージ・スティーヴンス
[音楽]  ジェローム・カーン/ナサニエル・シルクレット
[ジャンル]  コメディ/ミュージカル/恋愛
[受賞]  アカデミー賞 歌曲賞

キャスト

フレッド・アステア
(ジョン・‘ラッキー’・ガーネット)

ジンジャー・ロジャース
(ペネロープ・‘ペニー’・キャロル)


ヴィクター・ムーア (ポップ・エヴェレット)
ヘレン・ブロデリック (メイベル・アンダーソン)
エリック・ブロア (ゴードン)
ベティ・ファーネス (マーガレット・ワトソン)
ジョージ・メタクサ (リカルド・ロメロ)


受賞・ノミネートデータ

  • 1936年 第9回アカデミー賞
    • 受賞:歌曲賞(「今宵の君は / The Way You Look Tonight」)
    • ノミネート:ダンス監督賞
  • 評価
    • フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースによる全10作の共演作の中でも、ダンスの質、楽曲の素晴らしさ、洗練された演出のすべてにおいて頂点に立つ作品と評されています。アメリカ映画協会(AFI)の「ミュージカル映画ベスト25」にも選出されるなど、映画史に燦然と輝く名作です。


あらすじ:運命のステップ

ギャンブラーのラッキー(フレッド・アステア)は、故郷で結婚を控えていたが、仲間に嵌められて式に遅刻してしまう。怒った婚約者の父から「ニューヨークへ行って2万5千ドル稼いでこい。さもなくば結婚は認めん」と条件を出され、彼は都会へと向かう。

そこでラッキーが出会ったのは、ダンス教師のペニー(ジンジャー・ロジャース)。最初は反発し合う二人だったが、ラッキーの天才的なダンスの才能を知ったペニーは、彼とコンビを組んでオーディションを受けることに。共に踊るうちに二人の心は深く結ばれていくが、ラッキーには故郷に残した婚約者の存在が重くのしかかっていた。

ラッキーはペニーを愛しながらも、故郷での約束を果たすために金を稼ごうとする。しかし、金が貯まればペニーと別れなければならないという矛盾に苦しみ、わざとギャンブルで負けようとするなど騒動を巻き起こす。

紆余曲折を経て、故郷の婚約者には別の想い人がいることが判明。ラッキーを縛っていた約束は解消され、彼は晴れて自由の身となる。物語の最後、雪の降るニューヨークの街で、二人は互いの気持ちを確かめ合い、幸せな未来へとステップを踏み出すのだった。


エピソード・背景

  • 名曲の誕生
    ジェローム・カーン作曲の「今宵の君は(The Way You Look Tonight)」は、アステアがシャンプーの泡だらけになったロジャースに向けてピアノを弾きながら歌うシーンで使われ、アカデミー歌曲賞に輝くスタンダード・ナンバーとなりました。
  • ボージャングルへのオマージュ
    アステアが顔を黒く塗って踊る「ボージャングル・オブ・ハーレム」のシーンは、伝説的な黒人ダンサー、ビル・ロビンソンへの敬意を表したもの。アステア自身の影と対話するように踊る超絶技巧は圧巻です。
  • 完璧主義の代償
    クライマックスのダンス「ネバー・ゴナ・ダンス」の撮影では、アステアが納得するまで47テイクも重ねられました。撮影終了時、ジンジャー・ロジャースの靴は血で赤く染まっていたという逸話が残っています。
  • 監督ジョージ・スティーヴンス
    後に『シェーン』や『ジャイアンツ』を手がける名匠スティーヴンスが、ミュージカルに繊細なロマンスの機微を持ち込み、作品の品格を高めました。
  • 「有頂天時代」の邦題
    日本公開時のこのタイトルは、当時の都会的な憧れと、映画の持つ幸福感を完璧に表現した名訳として知られています。


まとめ:作品が描いたもの

本作が描くのは、言葉では伝えきれない愛の感情が、ダンスという究極の身体表現へと昇華される瞬間です。アステアとロジャースのダンスは、単なる挿入歌ではなく、それ自体が二人の対話であり、物語そのものとなっています。

エレガンスとユーモア、そして少しの切なさ。30年代のハリウッドが到達した、洗練された娯楽の粋がこの一本に凝縮されています。


〔シネマ・エッセイ〕

「ピック・ユアセルフ・アップ」で、ぎこちなかった二人が徐々にリズムを合わせ、最後には魔法のように完璧なステップを刻む。あの瞬間のカタルシスこそ、ミュージカル映画を観る最大の喜びです。

アステアの重力を感じさせない身のこなしと、それに完璧に呼応するロジャースのしなやかさ。二人の間には、計算を超えた「奇跡の相性」が流れています。モノクロの画面の中で、二人が踊るフロアがまるで銀河のように輝いて見えるのは、ジェンだけではないはずです。

「たとえ明日がどうなろうと、今宵の君は最高だ」。そんな甘いメロディに身を任せ、憂鬱な日常を忘れさせてくれる。これこそが、映画が私たちに与えてくれる最高の贈り物なのです。

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