月下の恋
Haunted
(イギリス・アメリカ 1995)
[製作総指揮] フランシス・フォード・コッポラ/フレッド・フックス/ラルフ・カンプ/ジェフ・クリーマン
[製作] アンソニー・アンドリュース/ウィリアム・P・ガートリッジ/ルイス・ギルバート
[監督] ルイス・ギルバート
[原作] ジェームズ・ハーバート
[脚本] ティモシー・プレイジャー/ボブ・ケレット/ルイス・ギルバート
[撮影] トニー・ピアース・ロバーツ
[音楽] デビー・ワイズマン
[ジャンル] スリラー/恋愛
[受賞] ブリュッセル国際ファンタジー映画賞 銀賞
キャスト

エイダン・クイン
(デヴィッド・アッシュ)

ケイト・ベッキンセール
(クリスティーナ・マリエル)
アンソニー・アンドリュース (ロバート・マリエル)

ジョン・ギールグッド
(ドクター・ドイル)
アンナ・マッセイ (テス・ウェブ)
アレックス・ロウ (サイモン・マリエル)
ジェラルディン・サマーヴィル (ケイト)
ヴィクトリア・シャレット (ジュリエット・アッシュ)
リンダ・バセット (マダム・ブロンツキー)
概要
『月下の恋』(Haunted)は、ルイス・ギルバート監督によるゴシック・ホラー・ロマンス映画で、ジェームズ・ハーバートの小説を原作としている。
主演はエイダン・クイン、ケイト・ベッキンセイル、ジョン・ギールグッド。
霊の存在を否定する大学教授が、幽霊屋敷で不可解な出来事に巻き込まれ、次第に過去のトラウマや運命に引き寄せられる。幻想的で切ない愛の物語とホラーの要素が絡み合った作品。
ストーリー
1920年代のイギリス。大学教授であり、霊の存在を科学的に否定するデヴィッド・アッシュ(エイダン・クイン)は、超常現象を調査するために招かれ、レゲント・ホールと呼ばれる大邸宅を訪れる。依頼人は老婦人のマリーベル(アンナ・マッセイ)で、彼女は自宅で起きる奇怪な現象に怯えていた。
邸宅には美しい娘クリスティーナ(ケイト・ベッキンセイル)と彼女の兄ロバート(アンソニー・アンドリュース)、弟サイモン(アレックス・ロウ)が住んでおり、デヴィッドは彼らと交流を深める。しかし、調査を進めるうちに、レゲント・ホールには隠された秘密があり、住人たちも謎めいた過去を抱えていることに気づく。
デヴィッドは次第にクリスティーナに惹かれていくが、彼女には現実離れした雰囲気があり、彼を困惑させる。やがて、邸宅で起きる超常現象は、彼の過去のトラウマや亡き双子の姉との記憶を呼び起こし、現実と幻想の境界が曖昧になっていく。
物語はデヴィッドが真実を追い求め、クリスティーナやレゲント・ホールに隠された悲劇に向き合う中で展開される。愛と恐怖、そして過去に囚われた人々の運命が交錯する結末へと進んでいく。
エピソード
- レゲント・ホールの舞台は、イギリスの歴史的建造物を活用し、映画全体に不気味で美しい雰囲気を与えた。
- クリスティーナ役を演じたケイト・ベッキンセイルは、この作品で若手俳優としての存在感を強く印象付けた。
- デヴィッド役のエイダン・クインは、過去のトラウマと向き合う複雑なキャラクターを演じるために、心理学的な資料を読み込み、役に深みを与えた。
- 霧の演出が映画全体を包み、幻想的で不安定な空気を強調するために多用された。
- 映画の後半に登場するジョン・ギールグッドの演技は、物語に奥深さと驚きを与えた。
- ゴシックホラーのトーンを強調するため、撮影中も静けさと緊張感が保たれ、キャストがその空気に浸る環境が整えられた。
- 原作ではより恐怖が前面に出ているが、映画ではロマンスや美しい映像表現に重点が置かれている。
- 音楽は感情的な緊張感を高める重要な役割を果たし、場面ごとに観客の心を揺さぶる仕上がりとなっている。
- クインのナレーション風のセリフが、映画全体に幻想的で文学的な質感を与えている。
- 監督は、観客が最後まで真実を掴めないように意図的に曖昧さを残す演出を採用した。
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