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赤ちゃん教育 Bringing Up Baby 1938

1930

赤ちゃん教育(字幕版)

赤ちゃん教育
Bringing Up Baby
(アメリカ 1938)

[製作] ハワード・ホークス
[監督] ハワード・ホークス
[原作] ヘイジャー・ワイルド
[脚本] ダドリー・ニコルズ/ヘイジャー・ワイルド
[撮影] ラッセル・メティ
[音楽] ロイ・ウェッブ
[ジャンル] 恋愛/コメディ


キャスト

ケーリー・グラント
(デヴィッド)


チャールズ・ラグルズ (アップルゲイト)
ウォルター・キャトレット (スローカム)
バリー・フィッツジェラルド (ゴガーティ)
メイ・ロブソン (エリザベス伯母)
フリッツ・フェルド (Dr.ラーマン)
レオナ・ロバーツ (ゴガーティ夫人)
ジョージ・アーヴィング (ピーボディ)
ヴァージニア・ウォーカー (アリス・スワロー)
ジョン・ケリー (エルマー)



ストーリー

『赤ちゃん教育』は1938年に公開されたアメリカのスクリューボール・コメディ映画。監督はハワード・ホークスで、主演はケイリー・グラントとキャサリン・ヘプバーン。映画は、ヒョウと恐竜の骨を巡る騒動に巻き込まれる古生物学者と自由奔放な女性の物語を描いている。

デヴィッド・ヒューレイ(ケーリー・グラント)は、真面目な古生物学者で、恐竜の骨の研究に没頭している。ある日、彼は社交的で奔放なスーザン・ヴァンス(キャサリン・ヘプバーン)と出会い、彼女の無計画な行動に巻き込まれてしまう。スーザンは、ブラジルから贈られたヒョウ「ベイビー」を世話しており、ベイビーを彼女の叔母に届けようとしている。

デヴィッドはスーザンの魅力に次第に惹かれていくが、彼女のトラブルメーカーぶりには手を焼く。スーザンはデヴィッドの婚約者に彼が不真面目だと思われるように画策したり、ヒョウのベイビーを逃がしてしまったりする。デヴィッドは彼女に振り回されながらも、次第に自分の人生の堅苦しさに気付き始める。

中盤では、デヴィッドとスーザンが逃げ出したベイビーを追いかけて田舎の警察に捕まるシーンが描かれ、二人は誤解と勘違いの中でさらに混乱に巻き込まれていく。

エピソード

監督とグラントの初共演:
監督のハワード・ホークスと主演のケーリー・グラントは、この作品で初めて共演した。二人はその後も多くの作品で協力している。

キャサリン・ヘプバーンの挑戦:
キャサリン・ヘプバーンは、コメディ演技に慣れておらず、撮影初期にはそのアプローチに苦労していたが、ハワード・ホークスの指導で、彼女は次第にコメディのセンスを開花させた。

「ゲイ」という言葉の使用:
映画の中でケイリー・グラントが「I just went gay all of a sudden!」と発言するシーンは、アメリカ映画で「ゲイ」という言葉が同性愛を示す意味で使用された初期の例として知られている。

撮影中の危険:
ケイリー・グラントは、共演したヒョウに対してかなりの恐怖心を持っていた。ヒョウが予想外の行動を取ることが多く、撮影中に幾度か危険な状況が生じた。

商業的失敗から評価の逆転:
映画は公開当初、商業的には成功しなかったが、その後の評価ではコメディ映画のクラシックとして高く評価されるようになった。

特撮技術の使用:

ヒョウとのシーンでは、特撮技術が多用された。安全のため、キャストとヒョウが同じシーンに映らないように工夫されている。

批評家の評価:
当時の批評家からは賛否両論があったが、現在ではスクリューボール・コメディの傑作として広く認められている。

映画の影響:
『赤ちゃん教育』は、後のコメディ映画に多大な影響を与え、特にリズミカルな台詞と物理的なコメディの融合が特徴とされている。

眼鏡:
撮影中、RKO の幹部はこの映画が商業的に失敗する運命にあると不満を漏らし、ハワード・ホークスに、ロマンスを増やしてスラップスティックを減らすよう要求し、ケーリー・グラントの眼鏡を外すよう指示したが、彼はそれを無視した。

コメディー演技:
キャサリン・ヘプバーンはそれまでコメディーに出演したことがなく、ハワード・ホークスと、彼がコメディーのためだけに雇った数人のベテランのヴォードヴィリアン(喜劇俳優)から指導を受けていた。ケーリー・グラントは元ヴォードヴィリアンだったため、すでにコメディーに精通していた。

失敗談からヒント:
スーザンのドレスが破れるシーンは、ケーリー・グラントに起こった出来事からヒントを得たもの。ある夜、彼はロキシー劇場で、ズボンのジッパーが下がっていたため、女性のドレスの背中に引っかかってしまった。グラントは衝動的に彼女の後を追ったのだ。この話をハワード・ホークスに話すと、ホークスはそれを気に入り、映画に取り入れた。

ヒョウ:
キャサリン・ヘプバーンはヒョウに襲われそうになった。彼女はスカートをはいて、スカートが美しく揺れるように小さな金属片で裏打ちされていた。ヘプバーンが急に振り向くと、ヒョウは彼女の背中に飛びかかった。調教師の鞭が介入してヘプバーンは助かった。ヒョウはその後自由に動き回ることは許されず、ヘプバーンはヒョウの周りではより慎重になった。



『赤ちゃん教育』はそのテンポの速い会話と物理的なコメディの融合で絶賛されている。ケーリー・グラントとキャサリン・ヘプバーンの相性は抜群で、二人の異なるキャラクターが見せる絶妙なコメディタイミングが見どころ。特にヘプバーンのコメディエンヌとしての演技は高く評価されており、彼女の自由奔放で愛らしいキャラクターは映画の中心的な魅力となっている。

当初、映画は興行的には成功しなかったが、その後の再評価により、スクリューボール・コメディの名作として認識されるようになった。

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