マルタの鷹
The Maltese Falcon
(アメリカ 1941)
[製作総指揮] ハル・Ｂ・ウォリス
[製作] ヘンリー・ブランク
[監督] ジョン・ヒューストン
[原作] ダシール・ハメット
[脚本] ジョン・ヒューストン
[撮影] アーサー・エディソン
[音楽] アドルフ・ドイッチ
[ジャンル] クライム／ミステリー
キャスト
ハンフリー・ボガート
（サム・スペード）
メアリー・アスター
（ブリジット・オショーネシー）
グラディス・ジョージ （アイヴァ・アーチャー）
ピーター・ローレ （ジョエル・カイロ）
バートン・マクレーン （ダンディ）
リー・パトリック （エフィー・ペリーン）
シドニー・グリーンストリート （カスパー・ガットマン）
ウォード・ボンド （トム・ポルハウス）
エリシャ・クック・ジュニア （ウィルマー・クック）
ジェームズ・バーク （ルーク）
マーレイ・アルパー （フランク・リックマン）
ジョン・ハミルトン （ブライアン）
ストーリー
『マルタの鷹』は1941年に公開されたアメリカのフィルム・ノワール映画。監督はジョン・ヒューストン、主演はハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、ピーター・ローレ。映画は、ダシール・ハメットの同名小説を原作とし、探偵サム・スペードが絡む複雑な事件を描く。ボガートの代表作の一つとして知られ、フィルム・ノワールの名作とされる。
物語は、サンフランシスコの私立探偵サム・スペード（ハンフリー・ボガート）が、美しい女性ルース・ワンダリー（メアリー・アスター）から依頼を受けるところから始まる。ルースは、妹を探してほしいとスペードに依頼するが、これは偽名であり、彼女の本当の名前はブリジッド・オショネシーだった。
スペードの相棒であるマイルズ・アーチャー（ジェローム・コウアン）は、依頼を引き受けた夜に殺され、スペードはこの事件に巻き込まれる。調査を進めるうちに、スペードは奇妙な人物たちと出会う。特に、ジョエル・カイロ（ピーター・ローレ）とカスパー・グットマン（シドニー・グリーンストリート）が、伝説的な「マルタの鷹」という宝物を追っていることが明らかになる。
中盤では、スペードはブリジッドやカイロ、グットマンと駆け引きを繰り広げ、彼らの真の意図と「マルタの鷹」の秘密を探ろうとする。彼は警察の疑惑と脅威に晒されながらも、冷静な判断と鋭い直感で事件を解決に導こうとする。
エピソード
監督デビュー作:
この映画はジョン・ヒューストンの監督デビュー作であり、彼のキャリアにおける重要な作品となった。
ハンフリー・ボガートの代表作:
ボガートの演じるサム・スペードは、彼の代表的な役柄となり、彼のスター性を確立した。
シドニー・グリーンストリートのデビュー:
カスパー・グットマン役のシドニー・グリーンストリートは、この映画が映画デビュー作であり、後に多くのノワール作品で重要な役割を果たすことになる。
フィルム・ノワールの先駆け:
『マルタの鷹』は、フィルム・ノワールのジャンルを定義する作品の一つとされ、暗い雰囲気と複雑なストーリーが特徴。
アカデミー賞ノミネート:
映画は第14回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞（シドニー・グリーンストリート）、脚色賞にノミネートされた。
撮影技術:
撮影監督のアーサー・エディソンは、シャドウとライトのコントラストを巧みに使い、映画の暗く不吉な雰囲気を強調した。
インターネット・ムービー・データベース:
映画は多くの「最高の映画」リストにランクインしており、特にフィルム・ノワールの代表作として評価されている。
キャストの化学反応:
ボガート、アスター、ローレ、グリーンストリートの演技は、映画の緊張感とダイナミズムを高めている。
セットデザイン:
映画のセットは、サンフランシスコの都市景観を忠実に再現し、物語のリアリティを高めている。
音楽:
映画音楽はアドルフ・ドイチュが担当し、緊迫感とドラマを効果的に演出している。
ジョン・ヒューストンのカメオ: ヒューストンは映画の冒頭でカメオ出演しており、エレベーターの前で待つ男として登場する。
公開後の影響:
映画は公開後に批評家と観客から高い評価を受け、後の多くのノワール作品に影響を与えた。
文化的な影響:
『マルタの鷹』は、ポップカルチャーや他の映画、テレビドラマにも多大な影響を与え、現在も多くの映画ファンに愛されている。
『マルタの鷹』は、その複雑なストーリーと深みのあるキャラクター描写で、フィルム・ノワールの傑作とされている。ハンフリー・ボガートの冷徹で魅力的な探偵サム・スペード役は、彼のキャリアを象徴するものとなり、メアリー・アスターやシドニー・グリーンストリートの演技も高く評価された。ジョン・ヒューストンの巧みな演出とアーサー・エディソンの撮影技術が、映画の暗く不吉な雰囲気を完璧に作り上げている。『マルタの鷹』は、映画史における重要な作品として、今なお多くの映画ファンと批評家に愛され続けている。
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