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天国は待ってくれる Heaven Can Wait 1943

1940

天国は待ってくれる [DVD]

天国は待ってくれる [DVD]

天国は待ってくれる
Heaven Can Wait

(アメリカ 1943)

[製作] エルンスト・ルビッチ
[監督] エルンスト・ルビッチ
[原作] レスリー・ブッシュ・フェキート
[脚本] サムソン・ラファエルソン
[音楽] アルフレッド・ニューマン
[撮影] エドワード・クロンジェイガー
[ジャンル] コメディ/恋愛


キャスト

ジーン・ティアニー 
(マーサ)

ドン・アメチー 
(ヘンリー・ヴァン・クリーヴ)

チャールズ・コバーン (ヒューゴ・ヴァン・クリーヴ)
マージョリー・メイン (マーサの母)
レアード・クリガー (閻魔大王)
スプリング・バイントン (バーサ・ヴァン・クリーヴ)
アリン・ジョスリン (アルバート・ヴァン・クリーヴ)
ユージーン・ポーレット (E・F・ストレイブル)



ストーリー

『天国は待ってくれる』は、1943年に公開されたアメリカのファンタジーコメディ映画。監督はエルンスト・ルビッチで、主演はドン・アメチーとジーン・ティアニー。エイブ・ブルガーの戯曲「Birthdays」を基にしたこの映画は、モーリス・ヴァルの原作「サミュエル・ラヴェル」という短編小説をもとに制作された。

物語は、エレガントで魅力的な放蕩者ヘンリー・ヴァン・クリーヴ(ドン・アメチー)が、自分の人生を振り返り、天国にふさわしい人物であるかどうかを判断するために地獄の門の前で悪魔に語るという形式で進む。ルビッチの代表作として、彼の独特のタッチ「ルビッチ・タッチ」が随所に見られる作品として高く評価されている。

映画は、ヘンリー・ヴァン・クリーヴが死亡後、地獄の門番であるサタン(閻魔大王)に出会うところから始まる。ヘンリーは、自分が天国にふさわしいとは思えないと告白し、地獄に入るために生前の行いを語り始める。

ヘンリーは裕福なニューヨークの家庭に生まれ、甘やかされて育つ。彼は幼少期から放蕩癖があり、何人もの女性と浮名を流してきた。やがて彼は美しいマーサ(ジーン・ティアニー)に出会い、彼女に一目惚れするが、マーサは既に彼のいとこと婚約している。しかし、ヘンリーは彼女を誘惑し、彼女は彼に心を奪われて婚約を破棄し、ヘンリーと結婚する。

結婚後、二人の間には幸せな時期もあったが、ヘンリーの浮気癖は収まらず、マーサは失望し、家を出ることを決意する。しかし、彼女は彼に未練があり、彼が本当に彼女を愛していることを証明できるならば戻ることを考えている。ヘンリーは彼女を取り戻そうと努力し、その過程で自分の愛情の深さに気付く。

エピソード

監督のエルンスト・ルビッチ
ルビッチは「ルビッチ・タッチ」と称される独特のウィットに富んだ演出スタイルで知られており、この映画でもその魅力が存分に発揮されている。ルビッチは撮影中にキャストとクルーを和ませるために、しばしば即興のユーモアを取り入れ、撮影現場の雰囲気を盛り上げたと言われている。

ドン・アメチーのキャスティング
ヘンリー役には、最初はロナルド・コールマンやフレデリック・マーチが考えられていたが、最終的にドン・アメチーが抜擢された。アメチーはルビッチと過去に何度か仕事をしており、その信頼関係がキャスティングに影響を与えたとされている。

ジーン・ティアニーの衣装
この映画でジーン・ティアニーが着用した豪華な衣装は、観客に大きなインパクトを与えた。特に、結婚式のシーンでのドレスは当時のファッションアイコンとされ、ティアニー自身がこのドレスを非常に気に入っていたと言われている。

製作当時の制約
第二次世界大戦中の製作であったため、資源の制約が多く、セットや衣装の製作には工夫が必要だった。特に豪華な舞踏会のシーンでは、実際には少ないエキストラを効果的に見せるための撮影技術が用いられた。



公開当時、『天国は待ってくれる』は批評家から高く評価され、「ルビッチの最も洗練された作品の一つ」と称賛された。特に、物語の流れとキャラクターの描写が、ルビッチならではの軽妙さと深みを兼ね備えている点が評価された。また、アメチーとティアニーの演技も絶賛され、特にアメチーの多面的なキャラクター表現が注目された。

一方で、映画のテーマに対しては、当時の保守的な層から批判もあった。ヘンリーの放蕩が美化されすぎているとする意見や、死後の世界をコメディの題材にすることに対する倫理的な懸念も一部で見られた。しかし、それらの批判を凌駕する形で、映画は観客に受け入れられ、ルビッチの代表作として後世に語り継がれている。

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