恋人たちの予感
When Harry Met Sally…
(アメリカ 1989)
[製作] ノーラ・エフロン/スティーヴ・ニコライデス/ロブ・ライナー/アンドリュー・シェイマン/ジェフリー・ストット
[監督] ロブ・ライナー
[原作・脚本] ノーラ・エフロン
[撮影] バリー・ソネンフェルド
[音楽] ハリー・コニックJr.
[ジャンル] 恋愛/コメディ
[受賞] 英国アカデミー賞 オリジナル脚本賞
ビリー・クリスタル (ハリー・バーンズ)
メグ・ライアン (サリー・オルブライト)
キャリー・フィッシャー (マリー)
ブルーノ・カービー (ジェス)
スティーヴン・フォード (ジョー)
リサ・ジェーン・パースキー (アリス)
ミシェル・ニカストロ (アマンダ・リース)
グレッチェン・パーマー (スチュワーデス)
ハーリー・ジェーン・コザック (ヘレン・ヘルソン)
ケヴィン・ルーニー (アイラ・ストーン)
フランク・ラッツ (ジュリアン)
トレイシー・ライナー (エミリー)
カイル・T・ヘフナー (ゲイリー)
「恋人たちの予感」は、ロブ・ライナー監督によるロマンティックコメディの名作であり、ビリー・クリスタルとメグ・ライアンが主演を務める。
この作品は、ノーラ・エフロンが脚本を担当し、男女の友情と恋愛の境界線を描いた物語で、多くの観客に愛されている。
物語は1977年、シカゴ大学を卒業したばかりのハリー・バーンズ(ビリー・クリスタル)とサリー・オルブライト(メグ・ライアン)が、ニューヨークへ車で移動するところから始まる。
二人は初対面で、お互いに全く異なる恋愛観を持っていることに気づく。
ハリーは「男女の友情は成立しない」と主張し、サリーはそれに反発する。
ニューヨークに到着後、二人は別々の道を歩むことになるが、5年後に再会し、再び別れる。
その後、さらに5年が経過し、ニューヨークの書店で偶然再会する。
お互いの恋愛関係がうまくいかず、二人は次第に親しくなり、深い友情を築いていく。
ハリーとサリーは、互いの悩みや過去の恋愛経験を共有し、支え合うことで友情を深めていくが、次第にお互いに対する感情が友情以上のものへと変わっていく。
彼らは、自分たちの関係が単なる友達以上のものになる可能性について悩み始める。
有名なカフェのシーンの即興:
映画の中で特に有名なシーンで、サリーがカフェで偽のオーガズムを演じるシーンは、メグ・ライアン自身の提案によるものであった。このシーンは、ニューヨークのカフェ「カッツ・デリカテッセン」で撮影された。さらに、隣の席で「私も同じものを」と注文する女性は、監督ロブ・ライナーの実の母親エステル・ライナーである。
ビリー・クリスタルの即興:
ビリー・クリスタルが演じたハリーの多くの台詞や行動は即興であった。特に、ハリーが空港でサリーに対して冗談を言うシーンや、ペカンパイについて話すシーンは、クリスタルの即興演技であり、彼のユーモアと即興能力が光った瞬間である。
役柄のインスピレーション:
ノーラ・エフロンが脚本を書く際に、ロブ・ライナー監督の実生活の経験や性格を取り入れてハリーのキャラクターを作り上げた。ライナー自身も過去の恋愛経験や友情に関するエピソードを共有し、それが映画に反映されている。
リハーサルの重要性:
撮影前に俳優たちが集まり、長時間リハーサルを行った。これにより、キャスト間のケミストリーが強化され、特にビリー・クリスタルとメグ・ライアンの自然な掛け合いが可能となった。このリハーサル期間が映画の成功に大きく貢献したとされている。
タイトルの由来:当初の映画のタイトルは「ハリーとサリーの物語」(”How They Met and Other Stories”)であった。しかし、最終的に「恋人たちの予感」(”When Harry Met Sally…”)に変更された。
サウンドトラック:
映画の音楽は、ハリー・コニック・ジュニアが担当し、彼のジャズ風のサウンドトラックが映画の雰囲気を一層引き立てている。彼のアルバムは映画と共に大ヒットとなり、彼のキャリアを大きく後押しした。
キャスティングの裏話:
サリー役には、当初メグ・ライアンではなく、エリザベス・パーキンスが候補に挙がっていた。しかし、最終的にメグ・ライアンが選ばれ、その演技が映画の成功に大きく寄与した。
インタビューシーンの即興:
映画の中で挿入されるカップルのインタビューシーンの多くは、実際のカップルが話した内容を基にしているが、一部は俳優による即興で演じられたものである。これにより、シーンに自然な雰囲気が生まれた。
エンディングの変更:
映画のエンディングは、撮影中に変更された。当初のエンディングでは、ハリーとサリーは友人のままで終わる予定であったが、観客の期待に応える形で、二人が結ばれるエンディングに変更された。
「恋人たちの予感」は、ビリー・クリスタルとメグ・ライアンの魅力的な演技と、ノーラ・エフロンの巧みな脚本が融合したロマンティックコメディの名作である。この映画は、男女の友情と恋愛の微妙な関係を描き、多くの観客に共感と感動を与え続けている。また、数々のトリヴィアが映画の魅力を一層引き立てている。
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