ロディ・マクドウォール
Roddy McDowall

1928年9月17日、イギリス・ロンドン・ハーンヒル生まれ。
1998年10月3日、アメリカ・カリフォルニア・スタディオシティで死去(肺ガン)。享年70歳。
身長175cm。
父はスコットランド系商船員、母はアイルランド系。
10歳の頃から子役として活躍。
約150本の作品に出演している。
今回ご紹介するのは、あどけない瞳の天才子役から始まり、素顔を隠した特殊メイクの下でさえも圧倒的な知性を滲ませた名優、ロディ・マクドウォールです。
彼はハリウッドにおいて、子役から大人の俳優への転身を最も鮮やかに、そして誠実に成し遂げた一人です。繊細で知的な佇まいは、観客に深い安心感と信頼を与え続けました。特に『猿の惑星』シリーズで見せた、瞳の動きだけで複雑な感情を表現する演技は、まさに彼にしか到達できない職人技の極致。俳優としてだけでなく、写真家や映画保存家としても多大な功績を残した、ハリウッドの良心を象徴する存在です。
瞳に宿る知性と、不滅の仮面。ロディ・マクドウォール、銀幕の求道者
ロディ・マクドウォールの魅力は、その優雅な物腰と、どんな異端の役柄にも深い人間性を吹き込む確かな演技力にあります。
戦火のイギリスから渡米し、少年時代の純真な輝きで全米を虜にした彼は、成長とともにその知性をさらに研ぎ澄ませていきました。怪奇映画からSF、大作歴史劇まで、彼がスクリーンに登場するだけで、物語には独特の気品と説得力が生まれます。
多くのスターたちが私生活を切り売りする中で、彼は生涯を通じてプロフェッショナルな俳優としての矜持を守り抜き、映画という芸術そのものを愛し、守り抜こうとしました。
- ✦ PROFILE & BACKGROUND
- 🏆 主な功績・活動
- 1. 純真なる少年の光:わが谷は緑なりき
- 2. 知性を持つ猿の肖像:猿の惑星
- 3. 冷徹なる権力者の素顔:クレオパトラ
- 4. 勇気と友情の冒険:名犬ラッシー 家路
- 5. ホラーへの敬意:フライトナイト
- 📜 ロディ・マクドウォールを巡る知られざるエピソード集
- 📝 まとめ:知性の仮面を愛し続けた映画人生
- 1938 10歳
- 1941 13歳
- 1942 14歳
- 1943 15歳
- 1944 16歳
- 1945 17歳
- 1948 20歳
- 1960 32歳
- 1962 34歳
- 1963 35歳
- 1964 36歳
- 1965 37歳
- 1966 38歳
- 1967 39歳
- 1968 40歳
- 1969 41歳
- 1971 43歳
- 1972 44歳
- 1973 45歳
- 1974 46歳
- 1975 47歳
- 1976 48歳
- 1978 50歳
- 1979 51歳
- 1980 52歳
- 1981 53歳
- 1982 54歳
- 1985 57歳
- 1987 59歳
- 1988 60歳
- 1989 61歳
- 1990 62歳
- 1991 63歳
- 1992 64歳
- 1994 66歳
- 1995 67歳
- 1996 68歳
- 1997 69歳
- 1998 70歳
✦ PROFILE & BACKGROUND
- 本名:ロデリック・アンドリュー・アンソニー・ジュード・マクドウォール
- 生涯:1928年9月17日 ~ 1998年10月3日(享年70歳)
- 出身:イギリス・ロンドン
- 背景:9歳でイギリス映画デビュー後、第二次世界大戦を避けて家族で渡米。20世紀フォックスの看板子役として大ブレイクしました。大人になってからは舞台やテレビでも活躍し、キャラクター俳優として唯一無二の地位を築きました。
- 功績:エミー賞やトニー賞を受賞。俳優業の傍ら、映画産業の歴史保存に尽力し、その写真作品も高く評価されました。
🏆 主な功績・活動
| 年 | 出来事 | 備考 |
| 1941 | 『わが谷は緑なりき』出演 | 天才子役として世界的に知られる |
| 1963 | 『クレオパトラ』出演 | オクタヴィアヌス役で強烈な印象を残す |
| 1968 | 『猿の惑星』公開 | チンパンジーのコーネリアス役で伝説的な名演 |
| 1998 | アカデミー賞「ロディ・マクドウォール写真アーカイブ」 | 映画界への貢献を称え設立 |
1. 純真なる少年の光:わが谷は緑なりき
ジョン・フォード監督による、アカデミー作品賞受賞の名作です。ロディは、炭鉱町の貧しい家族の末っ子ヒューを演じました。
厳しい現実の中で、家族の絆と時代の移り変わりを見つめる少年の澄んだ瞳は、戦時下の観客の心に深い感動を呼び起こしました。モーリン・オハラら大人たちに囲まれながらも、物語の核として揺るぎない存在感を放った、子役時代の金字塔です。
2. 知性を持つ猿の肖像:猿の惑星
SF映画の歴史を塗り替えた傑作です。ロディは、チンパンジーの考古学者コーネリアスを演じました。
重厚な特殊メイクを施されながらも、その柔和な声と繊細な目の動きで、人間に勝る知性と優しさを体現。後に続くシリーズでも異なる役柄を演じ分け、「猿の惑星といえばロディ」と言われるほどのアイコンとなりました。
3. 冷徹なる権力者の素顔:クレオパトラ
エリザベス・テイラー主演の歴史超大作。ロディは、若き日のウァレリウス(後の皇帝オクタヴィアヌス)を演じました。
狡猾で冷静、目的のためには手段を選ばない冷徹な青年像を、持ち前の知的な演技で見事に描き出しました。煌びやかなスターたちの競演の中で、彼の抑えた演技が物語に重厚なリアリズムと緊張感をもたらしました。
4. 勇気と友情の冒険:名犬ラッシー 家路
世界中で愛される「ラッシー」シリーズの第1作。ロディは、愛犬ラッシーと心を通わせる少年ジョーを演じました。
貧しさゆえに手放さざるを得なかった愛犬への断ち切れない想いと、再会を信じるひたむきな姿。当時、同じく子役だったエリザベス・テイラーとの共演も話題となり、動物映画の枠を超えた普遍的な感動を呼びました。
5. ホラーへの敬意:フライトナイト
1980年代のホラーコメディの傑作です。ロディは、落ちぶれたホラー番組の司会者で、自称バンパイア・キラーのピーター・ヴィンセントを演じました。
かつての栄光にしがみつきながらも、真の恐怖に立ち向かう臆病な老俳優をコミカルかつ哀愁たっぷりに好演。自身のキャリアをセルフパロディにするような余裕と、ジャンル映画への深い愛が感じられる一作です。
📜 ロディ・マクドウォールを巡る知られざるエピソード集
1. 知性と才能の共鳴:エリザベス・テイラーとの不滅の友情
子役時代に『名犬ラッシー』で出会ったエリザベス・テイラーとは、生涯にわたる親友でした。華やかでスキャンダラスな生活を送るテイラーにとって、常に冷静で知的、そして誠実なロディは、ハリウッドで唯一心から信頼できる「魂の避難所」のような存在でした。ロディが亡くなる直前まで、二人の絆が揺らぐことはありませんでした。
2. 特殊メイクを芸術に変えた「呼吸」
『猿の惑星』の撮影では、毎日数時間のメイクを強いられましたが、彼は一度も不満を漏らしませんでした。それどころか、特殊メイクの下でどう表情を作れば感情が伝わるかを徹底的に研究し、チンパンジーらしい独特の「表情の癖」を編み出しました。その技術は、現代のモーションキャプチャ演技の先駆けとも言えるほど先駆的なものでした。
3. 写真家としてのもう一つの顔
彼はカメラの表側に立つだけでなく、裏側でも才能を発揮しました。撮影現場の合間に撮り溜めたスターたちの素顔は、後に何冊もの写真集として出版されました。彼の知的な眼差しが捉えた写真は、他のカメラマンには決して見せない、スターたちのリラックスした真実の姿を写し出しており、歴史的にも極めて貴重な資料となっています。
4. 映画保存の守護聖人
彼は古い映画フィルムの消失を危惧し、私財を投じて多くのクラシック映画の保存活動に協力しました。自宅には膨大な数のフィルムコレクションがあり、映画史への深い造詣は専門家も驚くほどでした。彼にとって、映画とは一時の流行ではなく、守り伝えるべき人類の遺産だったのです。
5. 静かなる最期
1998年、ガンのため70歳でこの世を去りました。亡くなる数日前まで、友人たちにユーモアを交えた手紙を送り続け、自らの死を静かに、そして気高く受け入れました。彼の死を悼み、ハリウッドの多くの劇場がその灯を消し、稀代の知性派俳優の旅立ちを惜しみました。
📝 まとめ:知性の仮面を愛し続けた映画人生
ロディ・マクドウォールは、その純真な少年の輝きを失うことなく、生涯を通じて一人の熟練した表現者であり続けた俳優でした。
その歩みは、子役という重圧を跳ね除け、特殊メイクという物理的な壁さえも演技の糧に変えながら、人間(あるいは猿)の本質を描き出そうとした誠実なプロセスでもありました。ジョン・フォードやエリザベス・テイラーといった伝説的な人々との深い交流を通じて、彼は銀幕に優雅な知性と、静かながらも力強い意志を刻み込みました。
70歳で幕を閉じたその生涯は、特殊メイクを脱ぎ捨てた後に見せる穏やかな微笑みのような、誠実で慈愛に満ちた、ひとつの高潔な俳優としての映画人生でした。
[出演作品]
1938 10歳
YELLOW SANDS
SCRUFFY
1941 13歳
わが谷は緑なりき How Green was My Valley
1942 14歳
激闘 Son of Fury: The Story of Benjamin Blake
1943 15歳
1944 16歳
1945 17歳
1948 20歳
マクベス Macbeth
海賊船 Kidnapped
1960 32歳
地下街の住人 The Subterraneans
誰かが狙っている Midnight Lace
1962 34歳
1963 35歳
1964 36歳
残虐療法 Shock Treatment
1965 37歳
偉大な生涯の物語 The Greatest Story Ever Told
第三の日 The third Day
シャム猫FBI/ニャンタッチャブル That Darn Cat!
サンセット物語 Inside Daisy Clover
1966 38歳
スター誕生の夢 Lord Love a Duck
怪鳥人間バットマン Batman(TV)
1967 39歳
ザ・スパイ L’espion
黄金作戦 追いつ追われつ The Adventures of Bullwhip Griffin
太陽の恋人クール・ワンズ The Cool Ones
1968 40歳
1969 41歳
強奪超特急 Midas Run
海軍てんやわんや騒動記 Hello Down There
ザ・ダムド/あばかれた虚栄 Angel, Angel, Down We Go
1971 43歳
課外教授 Pretty Maids All in a Row
新・猿の惑星 Escape from the Planet of the Apes
恐怖のエアポート Terror in the Sky
ベッドかざりとほうき Bedknobs and Broomsticks
1972 44歳
ロイ・ビーン The Life and Times of Judge Roy Bean
1973 45歳
刑事コロンボ Columbo: Short Fuse (TV)
スパイ大作戦 Mission: Impossible (TV)
刑事マクロード/潜入捜査 McCloud (TV)
三十四丁目の奇蹟 Miracle on 34th Street
1974 46歳
恐怖のエレベーター/高層ビルパニック The Elevator
ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー Dirty Mary Crazy Larry
探偵スヌープ姉妹 The Snoop Sisters: Black Day for Bluebeard (TV)
猿の惑星 Planet of the Apes (TV)
1975 47歳
1976 48歳
大洪水 Flood! (TV)
ライネマン・スパイ作戦 The Rhinemann Exchange (TV)
探偵ハート&ハート Hart to Hart (TV)
1978 50歳
サイレントフルート Circle of Iron
バグダッドの盗賊 The Thief of Bagahdad (TV)
スペースキャット The Cat from Outer Space
1979 51歳
1980 52歳
エヴァ・ライカーの記憶 The Memory of Eva Ryker
1981 53歳
オリエンタル探偵殺人事件 Charlie Chan and the Curse of the Dragon Queen
処刑教室 Class of 1984
1982 54歳
1985 57歳
不思議の国のアリス Alice in Wonderland
1987 59歳
1988 60歳
フライトナイト2 バンパイアの逆襲 Fright Night Par 2
1989 61歳
新80日間世界一周 Around the World in 80 Days (TV)
1990 62歳
ピンク・ノーベンバーを追え!? Going Under
パニック・イン・ザ・タワー Shakma
1991 63歳
都合のわるい女/ジェラシー・ゲーム An Inconvenient Woman
デッドリー・ゲーム/復讐の標的 Deadly Game
1992 64歳
ダブルトラブル バーバリアン刑事 Double Trouble
シドニー・シェルダン/時間の砂 The Sands of Time
タイムマシーンにお願い Quantum Leap (TV)
1994 66歳
ダーク・ミラー/悪魔の囁き Mirror, Mirror 2: Raven Dance
1995 67歳
エイリアン・ウィズイン The Alien Within
グラスハープ/草の竪琴 The Grass Harp
1996 68歳
ラスト・パーティ It’s My Party
1997 69歳
ジャングル・ブック/少年モーグリの大冒険 The Second Jungle Book: Mowgli & Baloo
1998 70歳
SOMETHING TO BELIEVE IN
バグズ・ライフ A Bug’s Life































