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[女優] キャロル・ロンバード Carole Lombard

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キャロル・ロンバード
Carole Lombard

1908年10月6日、アメリカ・インディアナ生まれ。
1942年1月16日、アメリカ・ネバダ・ポトシ山で死去(飛行機墜落事故)。享年33歳。
身長168cm。
ドイツ・イギリス・スイス・ウェールズ系。
コメディエンヌとして活躍した。
ウィリアム・パウエルと離婚。
クラーク・ゲーブルと結婚したが、3年後に飛行機事故で亡くなった。

今回ご紹介するのは、透き通るようなブロンドの美貌を持ちながら、スクリーンでは激しい泥投げや取っ組み合いも辞さなかった「スクリューボール・コメディの女王」、キャロル・ロンバードです。

彼女は、ハリウッド黄金期において、美しさとユーモアが完璧に共存できることを証明した稀有なスターでした。その奔放で飾らない性格は「プロフェン(卑俗な言葉を操る淑女)」と親しまれ、共演者やスタッフからも絶大な信頼を寄せられていました。最愛の夫クラーク・ゲーブルとのロマンスを含め、公私ともに情熱的に生きた彼女の軌跡は、今なお弾けるような輝きを放っています。


弾ける機知と、銀幕の輝き。キャロル・ロンバード、不屈の女神

キャロル・ロンバードの魅力は、気品溢れる容姿を裏切るような、並外れたコメディ・センスと躍動感にあります。

サイレント映画のエキストラからキャリアを始め、交通事故による顔の傷という逆境を乗り越えてトップスターへと登り詰めた彼女。単なる「お人形」であることを拒み、マシンガントークと体当たりの演技で観客を爆笑の渦に巻き込みました。

戦時下において、一人の国民として最期まで責任を果たそうとした彼女の潔い生き様は、華やかなハリウッドの歴史の中でも、ひときわ気高く、そして切ない記憶として刻まれています。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:ジェーン・アリス・ピーターズ
  • 生涯:1908年10月6日 ~ 1942年1月16日(享年33歳)
  • 出身:アメリカ・インディアナ州フォートウェイン
  • 背景:12歳で映画デビュー。10代の頃に遭った交通事故で顔に深い傷を負いますが、巧みなメイクと照明技術、そして何より本人のガッツで克服。コメディ映画を中心に、1930年代のハリウッドで最高額の出演料を誇る女優となりました。
  • 功績:1936年『襤褸(ぼろ)と宝石』でアカデミー主演女優賞にノミネート。スクリューボール・コメディというジャンルを確立させた最大の功労者の一人です。


🏆 主な功績・活動

出来事備考
1934『特急二十世紀』公開コメディエンヌとしての才能が開花
1936『襤褸(ぼろ)と宝石』出演アカデミー賞主演女優賞ノミネート
1939クラーク・ゲーブルと結婚ハリウッド史上最も愛されたカップルの誕生
1942自由勲章(大統領自由勲章の前身)戦時債券販売への貢献により没後授与

1. コメディの開眼:特急二十世紀

ハワード・ホークス監督による、スクリューボール・コメディの先駆け的作品です。ロンバードは、わがままなブロードウェイ女優リリーを演じました。

ジョン・バリモア演じる演出家と繰り広げる、怒鳴り合い、泣き喚き、そして愛し合う猛烈な掛け合いは、彼女の「動」の魅力を爆発させました。この作品により、彼女は「美しいだけの女優」から「笑いを取れる大スター」へと進化を遂げたのです。

2. 洒脱なる人間模様:襤褸(ぼろ)と宝石

元夫のウィリアム・パウエルと共演した、洗練されたコメディの傑作です。

風変わりな富豪一家の娘アイリーンを演じました。浮世離れしたお嬢様の奔放さと、その裏にある純粋さをチャーミングに演じ分け、キャリア唯一のアカデミー賞ノミネートを果たしました。元夫パウエルとの息の合ったコンビネーションは、ハリウッドの成熟した人間関係を象徴するエピソードとしても有名です。

3. 風刺の極致:生きるべきか死ぬべきか

巨匠エルンスト・ルビッチ監督による、ナチス占領下のポーランドを舞台にしたブラック・コメディです。

劇団の看板女優マリアを演じ、ナチスを痛烈に皮肉る物語の中で、優雅かつ大胆な知性を見せました。彼女の遺作となりましたが、極限状態にあってもユーモアを忘れないその姿は、キャロル自身の精神性と重なり、今なお高く評価されています。

4. 嘘が織りなす狂騒曲:無責任時代

不治の病と誤診された女性が、ニューヨークで一大ブームを巻き起こす騒動を描いた作品です。

全編を通して生き生きとした表情を見せる彼女は、テクニカラーの初期作品において、その美しさがカラー映像に完璧に映えることを証明しました。周囲を翻弄しながらも憎めないヒロイン像は、彼女のパブリックイメージそのものでした。

5. 愛情の攻防戦:スミス夫妻

あのアルフレッド・ヒッチコックが唯一手掛けた、純粋なスクリューボール・コメディです。

結婚が法的に無効だったと知った夫婦の騒動を描きました。サスペンスの神様ヒッチコックを相手にしても、彼女の天真爛漫な魅力は衰えず、大人の男女の可笑しみと愛しさをスクリーンいっぱいに表現しました。


📜 キャロル・ロンバードを巡る知られざるエピソード集

1. トップスター同士の華麗なる恋愛

キャロルの人生において、クラーク・ゲーブルとの愛は伝説となっています。1932年の共演を機に数年後から交際をスタート。当時のハリウッドで「キング」と呼ばれたゲーブルと、「コメディの女王」キャロルの結婚は、全米が祝福する世紀のカップルとなりました。二人は豪華なパーティーよりも、農場での素朴な生活や狩猟を楽しみ、互いを「パ(パパ)」、「マ(ママ)」と呼び合うほど深い絆で結ばれていました。ゲーブルは彼女の没後、何度も結婚を繰り返しましたが、最期に埋葬を望んだのはキャロルの隣でした。

2. 「傷」を「個性」に変えたガッツ

10代の頃に自動車事故でフロントガラスを突き破り、顔に大きな傷を負ったキャロル。当時の医療技術では「女優生命の終わり」を意味しましたが、彼女は麻酔なしでの縫合手術に耐え、傷が目立たないような照明やメイクの研究を自ら行いました。この不屈の精神が、後の彼女の「恐れを知らない演技」の土台となったのです。

3. 男勝りなプロフェッショナル

彼女は現場のスタッフ全員の名前を覚え、誰に対しても分け隔てなく接することで有名でした。男勝りな口調で冗談を飛ばし、現場の空気を常に明るく保つ彼女は、監督たちからも「最も仕事がしやすい女優」として愛されました。

4. 戦時下の献身

第二次世界大戦中、彼女は熱心に戦時債券の販売活動に従事しました。亡くなる直前に行われたキャンペーンでは、地元のインディアナ州でわずか数日のうちに200万ドル(当時)もの債券を売り上げました。彼女は「私はスターとしてではなく、一人のアメリカ人としてここに来ている」と語り、その使命感は多くの人々を動かしました。

5. 翼に消えた女神

1942年、債券販売の帰路に就いた飛行機が山に激突。33歳の若さでこの世を去りました。愛するゲーブルのもとへ一刻も早く帰るために、鉄道ではなく飛行機を選んだと言われています。彼女の死は全米に衝撃を与え、フランクリン・ルーズベルト大統領から「彼女はわが国の自由のために戦った」とその功績を讃えられました。


📝 まとめ:鮮やかな閃光を放ち続けた映画人生

キャロル・ロンバードは、その圧倒的な美貌と、誰よりも深い笑いの理解をもって、ハリウッドの黄金期に新しい女性像を提示した女優でした。

その歩みは、事故の後遺症や業界の固定観念に屈することなく、一人の表現者として、また一人の自立した女性として、情熱の赴くままに生を全うした不屈のプロセスでもありました。クラーク・ゲーブルとの深い愛や、戦時下の献身的な活動を通じて、彼女は銀幕の内外に、真の気高さとは何かを刻み込みました。

33歳で幕を閉じたその生涯は、全力で駆け抜け、最高に美しい笑顔のまま、夕映えの空に消えていった一人の伝説的な俳優としての映画人生でした。



[出演作品]

1921   13歳

陰陽の人     A Perfect Crime

1925   17歳

恋と巧名(勇猛果敢)     Hearts and Apurs
勇猛果敢     Brave and Bold
雷鳴轟く     Durand of the Bad Lands

1928   20歳

浮かれ街道     Power
無頼漢     Me, Gangster

1930   22歳

アリゾナ怪盗異聞     The Arizona Kid
令嬢暴力団     Safety in Numbers


1931   23歳

街の紳士     Man of the World
成金ボーイ ニューヨークへ行く(愛欲の果て)     Ladies’ Man
悪魔が跳び出す     Up Pops the Devil
失はれし抱擁     I Take This Woman

1932   24歳

恋を喰べる女     No One Man
明日は晴れ     Sinners in the Sun
紅蘭     No More Orchids
心の青空     No Man of Her Own

1933   25歳

競馬天国     From Hell to Heaven
死霊の復讐(殺人魔の魂 )     Supernatural
鷲と鷹     The Eagle and the Hawk
白い肉体     White Woman

1934   26歳


恋と胃袋     We’re Not Dressing


街で拾った女     Lady by Choice
スピード花嫁     The Gay Bride

1935   27歳



1936   28歳


姫君海を渡る     The Princess Comes Across
襤褸と宝石     My Man Godfrey


1937   29歳

スイング     Swing High, Swing Low
無責任時代     Nothing Sacred
真実の告白     True Confession

1938   30歳

婚約リレー     Fools for Scandal

1939   31歳

貴方なしでは     Made for Each Other

1940   32歳

病院の一夜     Vigil in the Night

1941   33歳


1942   34歳

生きるべきか死ぬべきか     To Be or Not to Be


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