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ジーグフェルド・フォーリーズ Ziegfeld Follies 1945 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】

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天国から届いた豪華絢爛な贈り物、MGMミュージカル黄金時代の粋を極めた夢のレビュー。

伝説の興行師フローレンツ・ジーグフェルドが、天国から最高のスターを招集して新たなショーを演出するという設定で贈る、究極のオムニバス・ミュージカル。ジーン・ケリーとフレッド・アステアの唯一の歴史的共演から、ジュディ・ガーランドのコメディまで、MGMの全盛期を象徴する華麗なナンバーが次々と繰り広げられる、まさに『動く宝石箱』のような一作。

ジーグフェルド・フォーリーズ
Ziegfeld Follies
(アメリカ 1945)

[製作] アーサー・フリード
[監督]
ヴィンセント・ミネリ/レムエル・エアーズ/ロイ・デル・ルース/ロバート・ルイス/ジョージ・シドニー/ノーマン・トーログ
[脚本]
E・Y・ハーバーグ/カイ・ボルトン/ジョン・マーレイ・アンダーソン/ピーター・バー/アレン・ボレツ/アーヴィング・ブレシャー/エディ・カンター/エリック・チャレル/ハリー・クレイン/ロジャー・イーデンス/ジョゼフ・エロンズ/デヴィッド・フリードマン/デヴリー・フリーマン/エヴェレット・フリーマン/ルー・ホルツ/キャル・ハワード/アル・ルイス/マックス・リーブマン/ユージーン・ローリング/ウィルキー・C・マホーニー/ジャック・マクガワン/ウィリアム・ノーブル/ジェームズ・オハンロン/サムソン・ラファエルソン/フィリップ・ラップ/ウィリアム・ショー/ジョゼフ・シュランク/フランク・サリヴァン/ハリー・タジェント/チャールズ・ウォルターズ/エドガー・アラン・ウルフ
[撮影] ジョージ・フォルシー/チャールズ・ロシャー/ウィリアム・フェラーリ
[音楽] ロジャー・イーデンス/ヒュー・マーティン/ハリー・ウォーレン
[ジャンル] コメディ/ミュージカル
[受賞] カンヌ映画祭 ミュージカル映画賞

キャスト

ルシル・ボール
(特別出演)

ルシル・ブレマー (王女)
ファニー・ブライス (ノーマ)

キャスリン・グレイソン (特別出演)
レナ・ホーン (特別出演)

ジーン・ケリー
(紳士)

ジェームズ・メルトン (アルフレード)
ヴィクター・ムーア (弁護士の依頼人)
レッド・スケルトン (アナウンサー他)

ウィリアム・パウエル
(フローレンツ・ジーグフェルドJr.)

エドワード・アーノルド (弁護士)
マリオン・ベル (ヴィオレッタ)
シド・チャリシー (特別出演)

ヒューム・クローニン
(モンティ)

ウィリアム・フローリー (マーティン)
ロバート・ルイス (中国人紳士)
ヴァージニア・オブライエン (特別出演)


受賞・ノミネートデータ

受賞年部門結果
1947第2回カンヌ国際映画祭最優秀ミュージカル・コメディ賞受賞
1947第19回アカデミー賞室内装置賞(カラー)ノミネート

評価

ストーリーを持たない「純粋なレビュー」形式でありながら、MGMミュージカルの巨匠ヴィンセント・ミネリによる色彩と構図の美学が貫かれた傑作です。ジョージ・J・フォルシーらによる煌びやかなテクニカラー撮影は、当時の観客を現実から魔法の世界へと誘いました。

単なるスター紹介映画に留まらず、それぞれの才能を最大限に引き出す趣向を凝らした演出は、ミュージカル映画が最も贅沢だった時代の空気感を今に伝えています。特にアステアとケリーの共演は、映画史に残る「奇跡の数分間」として語り継がれています。


あらすじ:天国で描く新作レビュー

かつてブロードウェイを席巻した伝説の興行師フローレンツ・ジーグフェルド(ウィリアム・パウエル)は、天国の豪華な書斎から地上を眺め、新たなショーを構想する。彼は人形劇や思い出を辿りながら、現代の最高級のスターたちをキャスティングしていく。

幕が開くと、そこは色彩の洪水。ルシル・ボールが鞭を振るう華麗なオープニング、エスター・ウィリアムズが水中を舞う幻想的なアクア・バレエ、ジュディ・ガーランドが映画スターを風刺するコミカルな一幕、そしてレナ・ホーンが情熱的に歌い上げる「ラヴ」。次々と趣向を変えたナンバーが披露され、ショーのクライマックスでは、ついにタップダンスの二大巨星が同じ舞台に立つ瞬間が訪れる。

数々の豪華な演目のトリを飾るのは、フレッド・アステアとジーン・ケリーによる「バビットとブロマイド(The Babbitt and the Bromide)」のナンバー。二人の紳士が出会い、再会を繰り返すというコミカルな設定の中で、軽やかなアステアのタップと、力強くダイナミックなケリーのステップが火花を散らす。

最後は、泡の中から現れる美女たちの幻想的なフィナーレ。天国のジーグフェルドは満足げに微笑み、自身の「美(グロリファイング)」の哲学が永遠であることを確信しながら、雲の上の華麗な幕は閉じられる。ストーリーはなくとも、そこには「美しさこそが最高のエンターテインメントである」という揺るぎない確信だけが残されていた。


エピソード・背景

  • アステアとケリーの唯一の共演
    二人が映画全盛期に共に踊ったのは、本作のこのナンバーだけです(後にドキュメンタリー『ザッツ・エンタテインメント』で司会として並びますが、踊ったのはこの時のみ)。
  • ヴィンセント・ミネリの色彩感覚
    撮影のジョージ・J・フォルシーらと組み、セットや衣装の色調を完璧にコントロール。特にレナ・ホーンの「ラヴ」での赤い背景の使い方は芸術的と評されました。
  • ジュディ・ガーランドのコメディ
    歌だけでなく、スターを風刺する長い台詞のコメディ・ナンバー「名無しのスター(A Great Lady Has An Interview)」で、彼女の多才な演技力が証明されました。
  • 撮影の技巧
    チャールズ・ロッシャーによるエスター・ウィリアムズの水中撮影は、当時の最新技術を駆使。光が透ける水の青さは、カラー映画の魔法そのものでした。
  • レニー・ヘイトンの音楽監督
    既存の名曲をオーケストレーションし直し、ショー全体のテンポと豪華さを音楽面で統一。MGMサウンドの最高峰を構築しました。
  • 豪華なカメオ
    1シーンだけ登場するスターも多く、MGMがいかに「空に輝く星よりも多くのスター」を抱えていたかを誇示する作品でもありました。
  • 当初のタイトル案
    当初はさらに多くのナンバーが撮影されていましたが、上映時間の都合でカットされ、後に別の映画に転用されたシーンも多く存在します。

まとめ:作品が描いたもの

『ジーグフェルド・フォーリーズ』は、第二次世界大戦終結前後の人々に「夢の純粋な形」を提示しました。戦争の影を一切排除し、ただひたすらに美しく、楽しく、贅沢な時間を共有すること。それは映画というメディアが果たしうる、最も幸福な役割の一つでした。

名撮影や名音楽監督が結集して作り上げたこの「動く宝石箱」は、娯楽の真髄を極めた一作です。この物語は、個別の人生を描くのではなく、エンターテインメントを愛するすべての魂へ捧げられた、永遠に終わることのない「美の祭典」の記録と言えるでしょう。


〔シネマ・エッセイ〕

ジョージ・J・フォルシーのカメラが捉える、サテンのドレスの光沢と羽飾りの舞い。ヴィンセント・ミネリの指揮のもと、銀幕はキャンバスへと変わり、レニー・ヘイトンの音楽がその色彩を躍動させます。アステアとケリーのステップが響き合う瞬間、私たちは二つの異なる「完璧さ」が融合する魔法を目撃するのです。

ストーリーがないからこそ、一コマ一コマに宿る「美」への執念が際立ちます。泡が弾けるフィナーレを見つめるとき、私たちはかつて映画館が「夢の工場」と呼ばれていた理由を心から理解します。

天国のジーグフェルドが見つめていたのは、単なるショーではなく、人間の創造力が生み出せる最高の華やぎでした。映画が終わった後、私たちの瞳には鮮やかなカラーの残像が残り、日常の景色がほんの少しだけ、この夢の欠片で彩られたように感じられるのです。

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