アニー
Annie
(アメリカ 1982)
[製作] キャロル・ソビエスキ/レイ・スターク
[監督] ジョン・ヒューストン
[原作] ハロルド・グレイ/トーマス・ミーハン
[脚本] キャロル・ソビエスキ
[撮影] リチャード・ムーア
[音楽] ラルフ・バーンズ
[ジャンル] ミュージカル
キャスト

アルバート・フィニー
(オリヴァー・‘ダディ’・ウォーバックス)

キャロル・バーネット
(ミス・アガサ・ハニガン)
アン・ラインキング (ミス・グレイス・ファレル/グレイス・ウォーバックス夫人)

ティム・カリー
(ルースター・ハニガン)
バーナデット・ピーターズ (リリー)
アイリーン・クイン (アニー)
ジェフリー・ホルダー (パンジャブ)
ロジャー・ミナミ (ジ・アスプ)
トニ・アン・ジソンディ (モリー)
ロザンヌ・ソレンティーノ (ペッパー)
ララ・バーク (テシー)
エイプリル・ラーマン (ケイト)
ロビン・インニコ (ダフィ)
ルーシー・スチュワート (ジュリー)

エドワード・ハーマン
(フランクリン・デラーノ・ルーズヴェルト)
ロニー・アンダーソン (シスター)
ストーリー
1933年、世界恐慌下のニューヨーク。赤毛の少女アニー(アイリーン・クイン)は、強欲な施設長ミス・ハニガン(キャロル・バーネット)が支配する過酷な孤児院で、いつか本当の両親が迎えに来てくれると信じて暮らしていた。ある日、大富豪ウォーバックス(アルバート・フィニー)の秘書グレース(アン・ラインキング)が、「イメージアップのために1週間だけ孤児を屋敷に招待したい」と孤児院を訪れ、元気いっぱいなアニーを選び出す。
最初は子供嫌いだったウォーバックスも、アニーの純粋で前向きな姿に次第に心を開き、彼女を養女にしたいと願うようになる。しかし、アニーの両親への想いを知った彼は、多額の懸賞金をかけて彼女の両親を捜索することを決意する。これを知ったミス・ハニガンの悪党の兄ルースター(ティム・カリー)と愛人のリリー(バーナデット・ピーターズ)は、懸賞金を目当てに両親の偽造書類を仕立て、アニーを連れ去ってしまう。
偽の両親だと見抜いた他の孤児たちの協力により、誘拐が発覚。ルースターはアニーを連れて鉄橋の上へと逃げ込むが、駆けつけた警察とウォーバックスによってアニーは無事に救出される。ハニガンら悪党たちは一網打尽となり、アニーは本物の「家族」となったウォーバックス、そして仲間の孤児たちと共に、豪華なパーティーを開いて幸せな未来への第一歩を踏み出す。
受賞・ノミネートデータ
- 第55回アカデミー賞(1983年)
- ノミネート:美術賞、編曲・歌曲賞
- 第40回ゴールデングローブ賞(1983年)
- ノミネート:主演女優賞(アイリーン・クイン)、助演女優賞(キャロル・バーネット)
- 興行・評価
- 公開当時、子供から大人まで楽しめる娯楽作として大ヒットを記録。主題歌「Tomorrow」は、時代を超えて希望の象徴となる名曲となった。
エピソード・背景
- 巨匠ジョン・ヒューストンの挑戦
『マルタの鷹』などの硬派な作品で知られるジョン・ヒューストン監督が、70代半ばにして初めて手掛けたミュージカル映画として大きな話題を呼びました。 - アイリーン・クインの抜擢
全米から約8,000人が参加したオーディションを経て、当時9歳だったアイリーン・クインがアニー役に選ばれました。彼女の歌唱力と豊かな表情は観客を魅了しました。 - 圧倒的なセットの規模
ウォーバックスの豪邸のロケ地には、ニュージャージー州にあるモンマス大学のウィルソン・ホールが使用されました。その豪華絢爛な内装は、当時の大富豪の生活を見事に再現しています。 - 伝説的な悪役の演技
キャロル・バーネットが演じたミス・ハニガンは、滑稽さと恐ろしさが同居する強烈なキャラクターとして人気を博し、彼女のキャリアを代表する役の一つとなりました。 - 名曲「Tomorrow」の力
劇中でアニーが歌う「Tomorrow」は、不況に苦しむ当時のアメリカ社会への応援歌としての側面もあり、映画の枠を超えて世界中でカバーされるスタンダードナンバーとなりました。 - クライマックスのアクション
舞台版にはない、ヘリコプターや高い鉄橋を使ったクライマックスの追跡シーンは、映画ならではのダイナミックな演出としてジョン・ヒューストンがこだわった部分です。
まとめ:作品が描いたもの
本作は、どんなに過酷な状況にあっても「明日」という希望を捨てない少女の姿を通じ、家族とは血の繋がりだけではなく、心の繋がりによって形成されるものであることを教えてくれます。大富豪ウォーバックスが、富よりもアニーとの絆に価値を見出していく過程は、物質主義への批評的な視点も含んでいます。
煌びやかなダンスシーンやキャッチーな音楽の裏側に、世界恐慌という厳しい時代背景を据えることで、物語に深みと説得力を与えている、ミュージカル映画の金字塔です。


