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うたかたの恋 Mayerling 1936

1930

うたかたの恋

うたかたの恋
Mayerling
(フランス 1936)

[製作]  セイモア・メベンサル
[監督]  アナトール・リトヴァク
[原作]  クロード・アネ
[脚本]  ジョゼフ・ケッセル/イルマ・フォン・キューブ/マルセル・アシャール
[撮影]  アルマン・ティラール
[音楽]  アルトゥール・オネジェール/アン・メイ
[ジャンル]  ドラマ/恋愛/実話
[受賞]  NY批評家協会賞 外国語映画賞


キャスト

シャルル・ボワイエ
(ルドルフ皇子)

ダニエル・ダリュー
(マリー)


ジャン・ダックス (フランツ・ヨーゼフ皇帝)
ジャン・ドビュクール (ターフェ伯爵)
ガブリエル・ドルジア (エリザベート女王)
マルト・レーニエ (マリーの母エレーヌ)



ストーリー

「うたかたの恋」は、アナトール・リトヴァク監督によるフランスのドラマ映画。実際の歴史的事件「マイエルリンク事件」を題材に、オーストリア皇太子ルドルフとその恋人マリー・ヴェッツェラ男爵令嬢の悲恋を描いている。主演はシャルル・ボワイエとダニエル・ダリュー。

オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフ(シャルル・ボワイエ)は、政略結婚による結婚生活に不満を抱き、自由を求める日々を送っていた。彼は美しい若い貴族の娘、マリー・ヴェッツェラ(ダニエル・ダリュー)と出会い、二人は瞬く間に恋に落ちる。しかし、ルドルフの立場上、この関係は許されないものであり、二人は秘密裏に逢瀬を重ねることになる。

中盤では、ルドルフがマリーとの関係を通じて彼女に自身の政治的な苦悩や絶望感を打ち明けるシーンが描かれる。彼はマリーにとって、唯一の心の拠り所となり、彼女の無邪気さと純粋さに救われている。しかし、周囲の圧力や宮廷の期待が二人の関係に暗い影を落とし始める。

エピソード

シャルル・ボワイエの役作り:

ボワイエは、ルドルフ皇太子役を演じるにあたり、当時のオーストリア=ハンガリー帝国の政治的背景とルドルフの心理状態を徹底的に研究した。彼の演技は、ルドルフの内面的な葛藤と絶望感をリアルに表現している。


ダニエル・ダリューのブレイク:

ダリューは、マリー役で映画の成功を収め、一躍フランス映画界のスターとなった。彼女の無垢な美しさと感情豊かな演技が、マリーの純粋なキャラクターを魅力的に描き出した。

アナトール・リトヴァクの演出:

リトヴァクは、映画のロマンチックな要素を強調するために、柔らかい照明と繊細なカメラワークを採用した。また、彼はキャストとの緊密な協力を重視し、特にボワイエとダリューの間の化学反応を引き出すことに成功した。

歴史的な正確性とドラマ:

映画は、実際の歴史的事件に基づいているが、一部のドラマティックな要素が加えられている。特に、ルドルフとマリーの関係が強調され、彼らの恋愛の悲劇性が際立つように描かれている。

撮影地:

映画の撮影はフランスで行われたが、19世紀のオーストリアの宮廷や貴族社会の雰囲気を再現するために、豪華なセットと衣装が用意された。

音楽とスコア:

映画の音楽は、感情的なシーンを強調するために効果的に使用されており、特にルドルフとマリーのロマンチックなシーンでの旋律が印象的だ。

ボワイエとダリューの共演:

二人の共演は非常に成功し、後に他の作品でも再び共演することとなった。彼らの間の自然な演技の化学反応が映画のリアリズムを高めている。

リトヴァクの視覚的スタイル:

リトヴァクは、映画の視覚的な美しさにこだわり、細部に至るまで美術や衣装に注意を払った。これにより、映画は時代背景とキャラクターの心理状態を視覚的に伝えることに成功している。

映画の成功と影響:

「うたかたの恋」は、フランス国内外で成功を収め、特にそのロマンチックな悲劇性が評価された。映画は後にリメイクされ、何度も映像化されることとなる。


「うたかたの恋」は、シャルル・ボワイエとダニエル・ダリューの卓越した演技が光るクラシックなドラマ映画である。アナトール・リトヴァクの繊細な演出と、19世紀の宮廷生活を再現した美術・衣装が、映画に豪華さとリアリズムをもたらしている。

映画は、禁じられた愛の悲劇を描き、観客に深い感動を与える作品として評価されている。ルドルフとマリーの儚い恋愛は、今なお多くの観客の心に残る名作である。

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