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君去りし後 Since You Went Away 1944

1940

君去りし後(字幕版)

君去りし後(字幕版)

君去りし後
Since You Went Away

(アメリカ 1944)

[製作] デヴィッド・O・セルズニック
[監督] ジョン・クロムウェル
[原作] マーガレット・B・ワイルダー
[脚本] デヴィッド・O・セルズニック
[撮影] スタンリー・コルテス/リー・ガームス
[音楽] マックス・スタイナー
[ジャンル] ドラマ/戦争
[受賞] アカデミー賞 作曲賞


キャスト

クローデット・コルベール
(アン・ヒルトン)

ジェニファー・ジョーンズ
(ジェーン・ヒルトン)

ジョゼフ・コットン
(トニー・ウィレット)

シャーリー・テンプル
(ブリジット・‘ブリッグ’・ヒルトン)

モンティ・ウーリー (スモレット大佐)
ライオネル・バリモア (クラーギーマン)
ロバート・ウォーカー (ウィリアム・G・スモレット)
ハティ・マクダニエル (フィデリア)
アグネス・ムーアヘッド (エミリー・ホーキンス)
ガイ・マディソン (ハロルド・スミス)
アラ・ナジモワ (ゾシア・コスロウスカ)



ストーリー

『君去りし後』は、1944年に公開されたアメリカの戦時ドラマ映画で、監督はジョン・クロムウェル。脚本はデヴィッド・O・セルズニックによるもので、彼は映画のプロデューサーでもある。第二次世界大戦中のアメリカの家庭が戦争によってどのように影響を受けたかを描いている。主演はクローデット・コルベール、ジェニファー・ジョーンズ、ジョセフ・コットン、シャーリー・テンプル。

物語は、夫が戦地に赴いた後に、家族とその周囲が日常生活に適応しながら、戦争の影響に直面する姿を描いている。この映画は、戦時下のアメリカにおける愛、犠牲、忍耐をテーマにした作品で、1944年のアカデミー賞で8部門にノミネートされた。

物語は、アン・ヒルトン(クローデット・コルベール)が、夫ティムが第二次世界大戦のために従軍した後、二人の娘と共に生活を続ける姿から始まる。アンは戦時中の困難な状況にもかかわらず、家庭を守り、娘たちと共に前向きに生きようとする。娘のジェーン(ジェニファー・ジョーンズ)は、戦争の現実を前に急速に成長し、若い兵士トニー・ウィルキンス(ロバート・ウォーカー)との恋愛を通じて大人への階段を登る。しかし、戦争が二人の関係に暗い影を落とし、未来に対する不安が募っていく。

中盤では、アンの旧友であり、戦争から一時的に帰還したビル・スマイリー(ジョセフ・コットン)が登場。ビルはアンと娘たちにとって心の支えとなるが、戦争が彼にもたらした精神的な疲労が表れている。アンはビルとの再会に安らぎを感じつつも、夫ティムへの忠誠心を持ち続ける。

エピソード

デヴィッド・O・セルズニックの脚本
『君去りし後』の脚本は、プロデューサーであり脚本家でもあるデヴィッド・O・セルズニックによって書かれた。セルズニックは、特にアメリカの家庭生活や人間関係に焦点を当てた感動的な物語を描くことに定評があり、本作でも彼の人間ドラマに対するこだわりが強く表れている。

クローデット・コルベールのキャスティング
主演のクローデット・コルベールは、セルズニックがこの役に理想的だと考えた女優だった。当時、彼女はすでにキャリアの絶頂にあり、この役で再び彼女の演技力が証明された。また、コルベールはこの作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

ジェニファー・ジョーンズとロバート・ウォーカーの共演
ジェニファー・ジョーンズとロバート・ウォーカーは、映画撮影中に夫婦であったが、私生活では関係が破綻しつつあった。撮影中、二人はすでに離婚寸前で、撮影現場でも緊張した雰囲気があったと言われている。これが彼らの最後の共演となった。

シャーリー・テンプルの転機
シャーリー・テンプルは本作で「子役スター」から脱却を図り、より成熟した役を演じた。彼女の演技は好意的に受け取られ、子役から成人女優への移行を成功させるきっかけとなった。

映画音楽
作曲家のマックス・スタイナーが映画の音楽を担当し、彼の感動的で壮大なスコアが映画の感情的な高まりを引き立てた。スタイナーのスコアはアカデミー賞を受賞、映画全体の雰囲気に大きく貢献している。



『君去りし後』は、公開当時大きな成功を収め、特に戦時中の家庭生活をリアルに描写したことで多くの共感を呼んだ。批評家たちは、映画が感傷的になりすぎず、戦時下の現実的な苦しみと希望をバランスよく描いている点を称賛した。クローデット・コルベールの母親役は非常に高く評価され、彼女の静かで力強いパフォーマンスは映画の中心的な魅力とされた。

一方で、物語の展開が長く感じられるという意見もあった。約3時間にわたる作品のため、一部の観客や批評家は、映画のテンポがやや遅いと感じる部分があった。しかし、それを上回る形で、映画のキャラクター描写や家族の絆に対する感動的なアプローチは高く評価された。

また、映画が当時の観客に与えた感情的なインパクトは大きく、特に戦争に従事する兵士の家族にとって、映画は励ましと共感を提供する作品として広く愛された。

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