バットマン ビギンズ
Batman Begins
(アメリカ・イギリス 2005)
[製作総指揮] ベンジャミン・メルニカー/マイケル・E・ウスラン
[製作] ラリー・フランコ/ローン・オーリンズ/チャールズ・ローブン/エマ・トーマス/シェリル・A・トカッハ
[監督] クリストファー・ノーラン
[原作] ボブ・ケイン
[ストーリー] デヴィッド・S・ゴイヤー
[脚本] クリストファー・ノーラン/デヴィッド・S・ゴイヤー
[撮影] ウォーリー・フィスター
[音楽] ジェームズ・ニュートン・ハワード/ハンス・ジマー
[ジャンル] アクション/アドベンチャー/SF
[シリーズ]
バットマン(1989)
バットマン・リターンズ(1992)
バットマン・フォーエヴァー(1995)
バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!(1997)
バットマン ビギンズ(2005)
ダークナイト(2008)
ダークナイト ライジング(2012)
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)
スーサイド・スクワッド(2016)
レゴバットマン ザ・ムービー(2017)
ジャスティス・リーグ(2017)
ジョーカー(2019)
ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021)
THE BATMAN-ザ・バットマン-(2022)
ザ・フラッシュ(2023)
ザ・バットマン2(2027)
The Brave and The Bold
キャスト

クリスチャン・ベール
(ブルース・ウェイン/ バットマン)

マイケル・ケイン
(アルフレッド)

リーアム・ニーソン
(デュカード)

ケイティ・ホームズ
(レイチェル・ドーズ)

ゲイリー・オールドマン
(ジム・ゴードン)

キリアン・マーフィー
(ジョナサン・クレイン博士)
トム・ウィルキンソン (カルミネ・ファルコーネ)

ルトガー・ハウアー
(アール)
ライナス・ローチ (トーマス・ウェイン)
マーク・ブーン・ジュニア (フラス)

渡辺謙
(ラーズ・アル・グール)

モーガン・フリーマン
(ルシウス・フォックス)
ラリー・ホールデン (フィンチ)
ジェラルド・マーフィー (ジャッジスレッド)
コリン・マクファーレン (ローブ)
サラ・スチュワート (マーサ・ウェイン)
ガス・ルイス (ブルース・ウェイン – 8歳)
リチャード・ブレイク (ジョー・チル)
エマ・ロックハート (レイチェル・ドーズ – 8歳)
クリスティン・アダムス (ジェシカ)
キャサリン・ポーター (女性記者)
ジョン・ノーラン (フレデリックス)
ストーリー
ゴッサム・シティの富豪の息子ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、幼い頃に目の前で両親を強盗に殺害され、そのトラウマから恐怖に支配された青年へと成長した。彼は悪の根源を理解するために世界を放浪し、ヒマラヤの地で謎の男デュカード(リーアム・ニーソン)と出会う。影の同盟という組織で過酷な修行を積み、心身を鍛え上げたブルースであったが、組織の「悪を根絶するためにゴッサムを破壊する」という過激な思想に同調できず、本部を壊滅させて帰郷した。
腐敗した故郷に戻ったブルースは、忠実な執事アルフレッド(マイケル・ケイン)や応用科学部のフォックス(モーガン・フリーマン)の協力を得て、幼少期の恐怖の象徴であった「コウモリ」を自らのシンボルに選んだ。彼は最新鋭のスーツと特殊車両タンブラーを武器に、闇の騎士バットマンとして活動を開始する。やがて彼は、精神科医クレイン(スケアクロウ)(キリアン・マーフィー)が街の水道に幻覚剤を混入させ、住民を恐怖でパニックに陥れようとしている事実を突き止めた。
事件の背後には、死んだと思われていたかつての師、ラーズ・アル・グール(デュカード)がいた。ラーズは移動鉄道を利用して幻覚剤を街中に散布し、ゴッサムを崩壊させようと目論んでいた。バットマンは警官ジム・ゴードン(ゲイリー・オールドマン)の協力を得て鉄道を脱線させ、ラーズを車内に残したまま列車は崩落した。バットマンは街を救い、警察本部には彼を呼び出すための「バットシグナル」が設置された。ゴードンは新たな脅威として「ジョーカー」というカードを残す犯罪者の存在を告げ、バットマンは闇の中へと消えていった。
受賞・ノミネートデータ
- 第78回アカデミー賞(2006年)
- ノミネート:撮影賞
- 第59回英国アカデミー賞(BAFTA)
- ノミネート:視覚効果賞、美術賞、音響賞
- 第32回サターン賞
- 受賞:最優秀ファンタジー映画賞、主演男優賞(クリスチャン・ベール)、脚本賞
- MTVムービー・アワード(2006年)
- 受賞:最優秀ヒーロー賞(クリスチャン・ベール)
エピソード・背景
- クリスチャン・ベールの驚異的な肉体改造
前作『マシニスト』で30kg近く減量していたベールは、本作のためにわずか数ヶ月で約45kg増量し、バットマンにふさわしい強靭な肉体を作り上げました。 - CGを抑えた実写へのこだわり
クリストファー・ノーラン監督はリアリティを重視し、可能な限りCGを使わずに撮影を行いました。特殊車両タンブラーも実際に走行可能なものが製作され、シカゴの街を時速100km以上で走らせました。 - 「恐怖」という一貫したテーマ
本作は単なる勧善懲悪ではなく、ブルースが「自らの恐怖をいかにして敵に対する武器に変えるか」という心理的側面に焦点が当てられています。 - バットスーツの進化
本作のスーツは、それまでのラバー製から、より動きやすさを追求したネオプレン素材などが採用されました。それでも首を回すのが困難だったため、格闘シーンの振り付けには独自の工夫が凝らされました。 - 秘密のプロジェクト名
情報漏洩を防ぐため、撮影中の仮タイトルはノーラン監督の息子の名前をとって『Rory’s First Kiss(ロリーズ・ファースト・キス)』と名付けられていました。 - 影の同盟の撮影地
冒頭のヒマラヤのシーンは、実際にアイスランドの氷河で撮影されました。極寒の地での過酷な撮影が、組織のストイックな雰囲気を際立たせています。 - 音楽の共同作業
ハンス・ジマーとジェームズ・ニュートン・ハワードという2人の巨匠が共同でスコアを執筆しました。バットマンの二面性を表すために、それぞれが異なるテーマを担当するという異例の手法が取られました。
まとめ:作品が描いたもの
本作は、コミックヒーローの物語を「現実の世界で実際に起こり得るドラマ」として再構築することに成功しました。ブルース・ウェインがなぜ仮面を被る必要があったのか、その装備品がどこから来たのかというプロセスを丁寧に描くことで、キャラクターに深い実在感を与えています。
物語の核心にあるのは、逆境から立ち上がる不屈の精神です。「人はなぜ落ちるのか? それは這い上がるためだ」という父からの教えは、作品全体を貫く希望の象徴となりました。ヒーロー映画に芸術性と深い洞察力を持ち込み、後の映画界に多大な影響を与えた金字塔的な一作と言えるでしょう。


