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[男優] エドワード・エヴェレット・ホートン Edward Everett Horton  出演作品一覧|プロフィール|エピソード

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エドワード・エヴェレット・ホートン
Edward Everett Horton

1886年3月18日、アメリカ・ニューヨーク・ブルックリン生まれ。
1970年9月29日、アメリカ・カリフォルニア・ロサンゼルスで死去(がん)。享年84歳。
36歳の時スクリーン・デビュー。
1930年代の喜劇俳優として人気を得た。

今回は、ハリウッド黄金期のコメディにおいて「彼がいなければ映画が完成しない」とまで言われた、史上最高のバイプレーヤー、エドワード・エヴェレット・ホートンをご紹介します。

彼は、アステア&ロジャースのミュージカルやルビッチ作品に欠かせない、神経質でどこか世俗的な友人や執事、マネージャー役を極めた名優です。何かに驚いた時の「二度見(ダブル・テイク)」や、困惑した際の絶妙な「間」の取り方は、彼の代名詞。主役を完璧に引き立てながらも、一瞬で観客の視線を奪う独特のコメディ・センスは、まさに職人芸でした。生涯で150本以上の映画に出演し、常に画面に「洗練された混乱」をもたらした、コメディ映画の至宝です。


困惑と二度見の芸術家。エドワード・エヴェレット・ホートン、名脇役の神髄

ホートンの魅力は、英国紳士のような気品を漂わせながら、次の瞬間には滑稽なまでに狼狽してみせる、その「ギャップ」にあります。

彼は、主演スターが引き起こす騒動に巻き込まれ、眉をひそめながらも必死に取り繕おうとする役回りで、物語に最高のスパイスを加えました。巨匠エルンスト・ルビッチは、彼の持つ「知的な愚かさ」をこよなく愛し、自身の洗練されたコメディの世界に欠かせないピースとして重用しました。彼が画面に登場するだけで、観客は「これから楽しいドタバタが始まる」と確信したものです。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:エドワード・エヴェレット・ホートン・ジュニア
  • 生涯:1886年5月22日 ~ 1970年9月29日(享年84歳)
  • 出身:アメリカ・ニューヨーク州ブルックリン
  • 背景:大学卒業後、ブロードウェイの舞台でキャリアを積み、サイレント映画時代から活動。トーキー化とともに、その特徴的な声と喋りの技術を活かしてコメディの地位を確立しました。
  • 功績:ハリウッドで最も多忙な俳優の一人であり、彼が出演するだけで映画に「格」が出ると評されました。晩年はテレビのナレーター(『空飛ぶロッキーとブルウィンクル』など)としても愛されました。


1. ミュージカル・コメディの精華:コンチネンタル

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが主演した、RKOミュージカルの傑作です。ホートンは、アステアの友人である神経質な弁護士エグバートを演じました。

物語の狂言回しとして、勘違いや誤解をさらに複雑にする彼の演技は、アステアの優雅なダンスの合間に極上の笑いを提供しました。彼とアステアの軽妙なやり取りは、このコンビ作品の成功に不可欠な要素であり、ホートンは本作で「ミュージカル映画における最高のサイドキック(相棒)」としての地位を不動のものにしました。

2. ルビッチ・タッチの結晶:極楽特急

エルンスト・ルビッチ監督による、洗練された都会派コメディの金字塔です。ホートンは、ヒロインを巡って主人公の泥棒と競い合う、少し抜けたところのある富豪フランソワを演じました。

彼が演じるキャラクターは、騙されていることにも気づかずにプライドだけは高いという、実に愛すべき滑稽さに満ちていました。ルビッチの求める「上品なウィット」を体現した彼の演技は、ミリアム・ホプキンスやハーバート・マーシャルといった主演陣と完璧に調和し、映画史に残るアンサンブルを生み出しました。

3. 永遠のファンタジー:失はれた地平線

巨匠フランク・キャプラ監督が贈る、理想郷「シャングリラ」を舞台にした壮大なドラマです。ホートンは、秘境へと向かう飛行機に乗り合わせた古生物学者を演じました。

重厚で神秘的な物語の中で、彼が演じるキャラクターは唯一のコメディ・リリーフとして機能し、観客を緊張から解放する重要な役割を果たしました。非日常的な状況に置かれても、自分の専門知識や日常のこだわりを捨てきれない彼の姿は、人間の滑稽さと愛らしさを象徴しており、キャプラ監督のヒューマニズムに彩りを添えました。


📜 エドワード・エヴェレット・ホートンを巡る知られざるエピソード集

1. 独身貴族と「母への愛」

彼は生涯独身を貫きましたが、それは極度の女性嫌いだったからではありません。彼はジョージ・キューカーと同様、ハリウッドにおける自身のアイデンティティを慎重に守っており、サンフェルナンド・バレーに所有していた広大な邸宅(通称:ベル・ロックス)で、最愛の母親と多くの親族、そして犬たちと共に穏やかに暮らしていました。その邸宅は、多くのスターたちが訪れる憩いの場でもありました。

2. 「ダブル・テイク(二度見)」の創始者

ホートンは、ある出来事を見て一度通り過ぎ、その内容を理解した瞬間に驚いてもう一度見るという「ダブル・テイク」の技法をハリウッドに広めた人物と言われています。彼はこの動作をミリ単位の精度で計算しており、監督たちは「エドワードの二度見さえあれば、そのシーンは100点満点だ」と全幅の信頼を置いていました。

3. 舞台への執念:巡業の鬼

映画で多忙を極める傍ら、彼は舞台をこよなく愛していました。特に戯曲『春の序曲(Springtime for Henry)』には並々ならぬ愛着を持ち、30年以上にわたって全米を巡業。公演回数は3000回を超えたと言われています。映画で稼いだ資金を舞台の維持に充てることもあり、彼にとっての映画は、舞台俳優としての誇りを守るための手段でもありました。

4. ルビッチとの「暗黙の了解」

エルンスト・ルビッチ監督は、ホートンに対して細かな演出指示をほとんど出さなかったと言われています。ルビッチが「エドワード、いつものやつを頼むよ」と言えば、ホートンは即座にそのシーンに最適な「困惑」を表現しました。この二人の信頼関係こそが、1930年代のコメディに流れる独特の気品とリズムを作り上げました。

5. 「ベル・ロックス」と高速道路の戦い

彼の愛した邸宅「ベル・ロックス」は、ハリウッドの歴史そのものでしたが、1950年代の都市開発(ベンチュラ高速道路の建設)のルートにかかってしまいました。ホートンは政府を相手に激しく戦いましたが、最終的に邸宅の大部分が取り壊されることに。彼はこの出来事に深く落胆しましたが、残った一部の土地で最期まで誇り高く暮らし続けました。

6. 晩年の「ナレーションの神様」

映画出演が減った晩年、彼はアニメーション『空飛ぶロッキーとブルウィンクル』の中の「おとぎ話コーナー」でナレーターを務めました。その知性的でありながらどこかトボけた声は、子供たちの間で絶大な人気を博しました。映画からテレビへ、声だけで世代を超えて愛され続けた彼のキャリアは、まさにプロフェッショナルの鑑でした。


📝 まとめ:混乱を芸術に変えた脇役の巨人

エドワード・エヴェレット・ホートンは、主役を輝かせることが自分自身の最大の輝きであることを知っていた、稀有な俳優でした。

彼の遺した作品を観れば、映画における「脇役」がいかに重要であるかがわかります。彼が眉をひそめ、言葉に詰まり、そしてあの伝説的な「二度見」をするたびに、映画は活気づき、観客は笑顔になりました。彼は単なるコメディアンではなく、人間の「困惑」という感情をエレガントに、そして誰よりも面白く表現できる唯一無二の芸術家だったのです。

ハリウッド黄金期の華やかなパーティーの傍らで、いつも少し困った顔をして立っていた彼。その控えめながらも確固たる存在感は、これからもクラシック映画を愛するすべての人々の心の中で、最高のアクセントとして残り続けるでしょう。




[出演作品]


1922   36歳

Too Much Business

1924   38歳

叔父さん征伐     Helen’s Babies

1926   40歳

鵜の目鷹の目     Poker Faces

1927   41歳

おい待てタクシー!     Taxi! Taxi!

1929   43歳

恋の勝馬     The Hottentot
坊や     Sonny Boy

1931   45歳

結婚解消記     The Age for Love
月世界征服     Reaching for the Moon
犯罪都市     The Front Page
連隊の花形     Kiss Me Again
旦那様お留守     LonelyWives

1932   46歳

極楽特急     Trouble in Paradise

1933   47歳

生活の設計     Design for Living


恋の手ほどき     The Way to Love
不思議の国のアリス     Alice in Wonderland
坊やはお休み     A Bedtime Story

1934   48歳

お嬢様お耳拝借     Ladies Should Listen
接吻とお化粧     Kiss And Make-up
コンチネンタル     The Gay Divolcee
メリイ・ウイドウ     The Merry Widow

1935   49歳

カリアンテ     In Callente


西班牙狂想曲     The Devil Is A Woman
小さい親分     Little Big Shot
天国突進     His Night Out
春の宵     The Night Is Young

1937   51歳



典型紳士読本     The Perfect Specimen
誘拐団     Wild Money
ラジオの歌姫     Hitting a New High
天使     Angel

1938   52歳


裏町6人組     Little Tough Guys in Society

1941   55歳

幽霊紐育を歩く     Here Comes Mr. Jordan

1942   56歳

1944   58歳

ブラジル     Brazil

毒薬と老嬢     Arsenic and Old Lace

1946   60歳

婿探し千万弗     Cinderella Jones

1947   61歳

美人劇場     Ziegfeld Girl

1950   64歳

Holiday Hotel

1952   66歳

アイラブ・ルーシー     I Love Lucy
Broadway Television Theatre

1955   69歳

Max Liebman Presents: The Merry Widow

1956   70歳

Saturday Spectacular: Manhattan Tower

1957   71歳

The Story of Mankind

1961   75歳

ポケット一杯の幸福     Pocketful of Miracles

1963   77歳

1964   78歳

求婚専科     Sex and the Single Girl

1967   81歳

ポーリンの大冒険     The Perils of Pauline

1969   83歳

2000 Years Later

1970   84歳

The Name of the Game
Cold Turkey

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