ニューヨーク・ストーリー
New York Stories
(アメリカ 1989)
[製作] バーバラ・デ・フィーナ/フレッド・フークス/ロバート・グリーンハット/チャールズ・H・ジョフィ/ジャック・ローリンズ/フレッド・ルース
[監督] マーティン・スコセッシ/フランシス・フォード・コッポラ/ウディ・アレン
[脚本] リチャード・プライス/フランシス・フォード・コッポラ/ソフィア・コッポラ/ウディ・アレン
[撮影] ネスター・アルメンドロス/ヴィットリオ・ストラーロ/スヴェン・ニクヴィスト
[音楽] カーマイン・コッポラ/キッド・クレオール
[ジャンル] オムニバス/ドラマ/コメディ
[受賞] アメリカン・コメディ賞 助演女優賞(ジュリー・カヴナー)
キャスト
第1話 ライフ・レッスン Life Lessons
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ニック・ノルティ
(ライオネル・ドビー)
パトリック・オニール (フィリップ・フォウラー)
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ロザンナ・アークエット
(ポーレット)
ジェシー・ボレゴ (ルーベン・トロ)
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スティーヴ・ブシェミ
(グレゴリー・スターク)
ピーター・ガブリエル
マーク・ブーン・ジュニア (ハンク)
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イレーナ・ダグラス
(ポーレットの友人)
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マーティン・スコセッシ
(男)
第2話 ゾーイのいない人生 Life Without Zoe
ヘザー・マコーム (ゾーイ)
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タリア・シャイア
(シャーロット)
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ジャンカルロ・ジャンニーニ
(クローディオ)
ジェームズ・キーン (ジミー)
ドン・ノヴェロ (ヘクター)
トム・マーディロシアン (ハシディズム)
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エイドリアン・ブロディ
(メル)
マイケル・ヒギンズ (強盗)
クリス・エリオット (強盗)
カーマイン・コッポラ (ストリートミュージシャン)
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キャロル・ブーケ
(ソロヤ王女)
第3話 エディプス・コンプレックス Oedipus Wrecks
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ウディ・アレン
(シェルドン・ミルズ)
メイ・クエステル (母)
マーヴィン・チャティノバー (精神科医)
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ミア・ファロー
(リサ)
ジェシー・ケオシアン (セイルおばさん)
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ジュリー・カヴナー
(トリーヴァ)
ポール・ハーマン (フリン刑事/ドアマンクリフォード/警官)
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マイク・スター
(ハードハット)
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キルスティン・ダンスト
(パーティ客)
概要
『ニューヨーク・ストーリー』(New York Stories)は、ニューヨークを舞台にした3つのオムニバス作品で構成される映画。
それぞれのエピソードをフランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ウディ・アレンという巨匠監督が手掛けた。
異なる視点やスタイルで描かれるニューヨークの人間模様が、独特のユーモアやドラマを交えて展開される。
ストーリー
1. ライフ・レッスン
監督:マーティン・スコセッシ
ニューヨークを拠点に活躍する成功した中年画家ライオネル(ニック・ノルティ)は、若い恋人でありアシスタントでもあるポーレット(ロザンナ・アークエット)を深く愛している。しかし、彼の愛はどこか自己中心的で、ポーレットに対する執着心が強い。彼女は自由を求めて彼のもとを去ろうとするが、ライオネルは必死に引き止める。ポーレットがライオネルのアトリエを去る準備を進める中、彼らの関係は次第に不穏な空気を帯びる。
ライオネルは彼女への愛と依存が、創作のインスピレーションの源になっていることを自覚している。しかし、ポーレットは彼の愛情が束縛でしかないと感じ、彼からの独立を目指す。芸術的な成功と個人的な孤独の間で揺れるライオネルと、自由を求めるポーレットの関係が、ニューヨークの芸術シーンを背景に展開される。
2. ゾーイのいない人生
監督:フランシス・フォード・コッポラ
12歳の少女ゾーイ(ヘザー・マコーム)は、ニューヨークの高級アパートメントで一人暮らしをしている。彼女の両親は世界中を飛び回るライフスタイルで、ほとんど家にいない。ゾーイは気ままな生活を送りつつも、どこか寂しさを抱えていた。
ある日、ゾーイのもとに謎めいた宝石が届く。宝石を通じてゾーイはユニークな人物たちと出会い、小さな冒険が始まる。その過程で、ゾーイは自分の成長や家族の絆について改めて考えるようになる。子どもならではの視点と好奇心が物語を彩り、軽快な冒険の中にささやかな感動が詰め込まれている。
3. エディプス・コンプレックス
監督:ウディ・アレン
弁護士のシェルドン(ウディ・アレン)は、婚約者と幸せに暮らしたいと願っているが、支配的な母親(メイ・クエステル)の干渉に頭を抱えている。彼の母親は何かにつけてシェルドンの人生に口を出し、婚約者を受け入れるどころか、何かにつけて批判してくる。
ある日、シェルドンは母親を連れてマジックショーを訪れる。そこで驚くべき出来事が起きる。母親が突然マジックのトリックで消えてしまうのだ。最初は安堵するシェルドンだが、母親がニューヨーク中の空に巨大な姿で現れ、彼を非難するという奇妙な事態に発展する。シュールな展開の中で、母親との関係や愛憎の絡み合いが描かれ、笑いと皮肉に満ちた物語となっている。
3つのエピソードは、それぞれ芸術、冒険、家族関係をテーマにしながら、ニューヨークという街の多面的な魅力を映し出している。
エピソード
- スコセッシは『ライフ・レッスン』を、自身の芸術と人間関係における葛藤を反映させた作品として捉えていた。
- 『ゾーイのいない人生』では、脚本を娘のソフィア・コッポラと共同執筆し、軽やかで夢のある雰囲気を創り出した。
- 『エディプス・コンプレックス』はアレン自身のユダヤ系文化や家庭内での体験が反映されており、彼の得意とする毒舌ユーモアが満載。
- ノルティは実際に画家としての技術を学び、アトリエでのシーンにリアリティを加えた。
- コッポラらしい壮大さを抑え、子ども目線の軽快な冒険を描いた異色の作品。
- 全エピソードに共通するのは、ニューヨークという街そのものが物語の重要な背景として機能している点。
- 『ライフ・レッスン』の中で描かれるアートシーンは、スコセッシが実際にニューヨークのアーティストたちと交流した経験から生まれた。
- アレンは撮影中に即興でいくつかのセリフを変更し、独特のコミカルなリズムを生み出した。
- ソフィアが本格的に脚本に関わった初めての作品であり、後の監督業へのステップとなった。
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