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ロスト・イン・トランスレーション Lost in Translation 2003



ロスト・イン・トランスレーション
Lost in Translation
(アメリカ・日本 2003)

[製作総指揮] フランシス・フォード・コッポラ/フレッド・ローズ
[製作] ソフィア・コッポラ/ミッチ・グレイザー/カラム・グリーン/井上潔/ロス・カッツ/スティーヴン・ノムラ・シブル
[監督] ソフィア・コッポラ
[脚本] ソフィア・コッポラ
[撮影] ランス・アコード
[音楽] ケヴィン・シールズ
[ジャンル] コメディ/ドラマ
[受賞]
アカデミー賞 オリジナル脚本賞
ゴールデングローブ賞 映画賞/男優賞(ビル・マーレイ)/脚本賞
英国アカデミー賞(BAFTA) 主演男優賞(ビル・マーレイ)/編集賞
全米映画批評家協会賞 男優賞(ビル・マーレイ)
NY映画批評家協会賞 男優賞(ビル・マーレイ)/監督賞


スカーレット・ヨハンソン
(シャーロット)

ビル・マーレイ
(ボブ・ハリス)

ジョヴァンニ・リビシ
(ジョン)


アンナ・ファリス (ケリー)
田所豊(ダイヤモンド・ユカイ) (CMディレクター)
林文浩 (チャーリー)
竹下明子 (通訳川崎)
藤原ヒロシ
桃生亜希子
藤井隆 (テレビ司会者(マシュー・ミナミ))


概要

『ロスト・イン・トランスレーション』(Lost in Translation)は、ソフィア・コッポラ監督による感動的なドラマ映画。

日本・東京を舞台に、異国で孤独を感じる中年俳優ボブ(ビル・マーレイ)と、若い女性シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)の心の交流を描く。

文化の違いや孤独感を背景に、人生の一瞬の輝きを捉えた繊細な物語。ビル・マーレイの演技や、東京の独特な雰囲気を活かした映像美が高く評価され、アカデミー賞脚本賞を受賞した。


ストーリー

ハリウッドの中年俳優ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、日本のウイスキー「サントリー」のCM撮影のために東京を訪れる。仕事は簡単なものの、言葉も文化も違う環境に馴染めず、時差ボケや孤独感に苛まれる日々を過ごしていた。

一方、若い女性シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は、写真家の夫とともに東京を訪れていたが、夫が仕事に追われて構ってくれず、自分の人生に迷いを感じていた。

ある夜、二人はホテルのバーで偶然出会い、言葉や年齢の違いを超えて心を通わせていく。東京の街を散策し、カラオケや居酒屋で共に過ごす時間の中で、二人はお互いの孤独を癒し合い、特別な絆を築く。

ボブは自身のキャリアと家庭に対する不満、シャーロットは自分のアイデンティティや未来への迷いを抱えながらも、二人の関係は深まっていく。しかし、二人にはそれぞれの生活があり、彼らの時間は限られている。東京の雑踏の中で、彼らは別れの時を迎え、それぞれの人生へと戻っていく。



エピソード

  • 映画の撮影は非常に短い期間で行われ、ソフィア・コッポラ監督は限られた時間の中で効率的かつクリエイティブにシーンを収めた。東京のロケーション撮影ではゲリラ的な手法も採用され、一部のシーンは許可を取らずに撮影された。

  • コッポラ監督は最初からボブ役にビル・マーレイを想定して脚本を書き、彼の出演がなければ映画を製作しないとまで考えていた。彼へのオファーを手紙とメールで送り続け、最終的に出演が決まった。

  • 当時18歳のヨハンソンは、シャーロット役を自然体で演じ、監督の「作り込まない演技」の指示に忠実に応えた。彼女がホテルの窓際でぼんやりする姿は、監督が彼女の自然な振る舞いを撮影したもの。

  • ジョシュ・ハートネットやソフィア・コッポラ自身が訪れるカラオケバーでインスピレーションを得たシーン。マーレイがエルヴィス・コステロの曲を歌ったのは彼自身の提案によるもの。ヨハンソンの歌う「Brass in Pocket」も即興的に決められた。

  • 撮影の舞台となる「パークハイアット東京」は、監督が実際に滞在した際の印象が強く影響している。高層階のラウンジやプールは映画の雰囲気を象徴する要素となった。

  • 日本を訪れた外国人の視点で描かれるユニークな文化のエピソード(居酒屋、温泉、通訳の不手際など)は、コッポラ監督自身の体験が色濃く反映されている。ただし、文化的な描写がステレオタイプだと指摘する批評もあった。

  • ボブがシャーロットに囁いた言葉は脚本に記載されておらず、ビル・マーレイ自身がアドリブで演じた。その内容は監督すら明かしておらず、映画を観る観客の想像力に委ねられている。

  • フランスのエレクトロデュオ「エア」やマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズなど、監督が個人的に愛するアーティストの楽曲が多く使用され、映画の感情的なトーンを引き立てている。

  • 本作の予算は400万ドルと低予算だったが、監督はその制約を逆手に取り、自然光やリアルなロケーションを活用することで、リアリティと美しさを兼ね備えた映像を作り出した。

  • マーレイはリラックスした現場の雰囲気を作り出し、ヨハンソンをはじめとするキャストやスタッフに信頼を寄せられた。彼の自然なユーモアは、台本にはない多くの瞬間を映画に加えた。

  • 撮影監督ランス・アコードとコッポラは、東京のネオンや光の反射を効果的に使用し、都会の孤独感や美しさを映像に落とし込んだ。

  • 映画全体で使用される台詞は少なく、キャラクター同士の沈黙や目線が感情を伝える重要な役割を果たしている。

  • 18歳のヨハンソンにとって、撮影初日にホテルのベッドシーンを撮るのは緊張感のある経験だったが、コッポラのサポートでリラックスして演じることができた。

  • 主要観光地だけでなく、ローカルな場所や日常の風景を取り入れることで、東京の魅力を新鮮な視点で描いた。



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