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キングコング King Kong 1933 |キャスト・あらすじ【ネタバレ】|

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摩天楼に吠える、悲しき野獣。映画の魔術が産み落とした世紀のスペクタクル

(字幕版)キングコング【1933年制作】

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未知の島スカル・アイランドから連れてこられた巨大な怪獣キングコング。都会のジャングル、ニューヨークで彼が求めたのは、一人の女性への純粋な愛だった。ストップモーション・アニメーションの神様レイ・ハリーハウゼンをも魅了した、特撮映画の原点にして頂点。

キングコング
King Kong
(アメリカ 1933)

[製作総指揮]  デヴィッド・O・セルズニック
[製作]  メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シェードサック
[監督]  メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シェードサック
[原作]  メリアン・C・クーパー/エドガー・ウォレス
[脚本]  ジェームズ・アシュモア・クリールマン/ルース・ローズ
[撮影]  エディ・リンデン/ヴァーノン・ウォーカー/J・O・テイラー/ケネス・ピーチ
[音楽]  マックス・スタイナー
[ジャンル]  SF/アドベンチャー/スリラー

キャスト

フェイ・レイ
(アン・ダロウ)


ロバート・アームストロング (カール・デナム)
ブルース・カボット (ジャック・オリスコール)
フランク・ライシャー (イングルホーン)
サム・ハーディ (チャールズ・ウエストン)


ストーリー

映画監督デナム(ロバート・アームストロング)は、野心的な新作撮影のために、無名の女優アン(フェイ・レイ)を連れて伝説の「骸骨島(スカル・アイランド)」へと向かう。島に上陸した一行は、巨大な壁の向こう側に住む先住民によってアンを拉致され、巨大な類人猿キングコングの「生贄」として捧げられてしまう。

アンを救い出そうとする一等航海士ジャック(ブルース・カボット)たちの前に、恐竜や巨大生物が次々と襲いかかる。一方、コングはアンを手にし、彼女を守るために恐竜と死闘を繰り広げるうちに、彼女に対して奇妙な愛着を抱き始める。デナムたちはガス弾でコングを制圧し、「世界の第八不思議」として見せ物にするためにニューヨークへと連れ帰る。しかし、興行の最中、カメラのフラッシュに激昂したコングは鎖を断ち切り、アンを探して大都会を破壊し始める。

コングはアンを奪い返すと、ニューヨークで最も高い建造物であるエンパイア・ステート・ビルの頂上へと登り詰める。迫り来る複葉機の編隊。コングは片手でアンを庇いながら、もう片方の手で空を舞う機体を叩き落とそうと必死に抗うが、機銃掃射を浴びてついに力尽きる。

地上へ落下したコング。その亡骸の周りに集まる人々。デナムは静かに呟く。「飛行機が殺したんじゃない。美女(ビューティ)が野獣(ビースト)を殺したんだ」。野性の王は、文明という名の残酷な檻の中で、純粋すぎる愛ゆえにその命を散らしたのだった。


エピソード・背景

  • 特撮の父、ウィリス・オブライエン
    ストップモーション・アニメーション(コマ撮り)の技術を極限まで高め、人形であるコングに「感情」を宿らせました。呼吸に合わせて動く毛並みや、指先の繊細な動きは、当時の観客を驚天動地させました。
  • フェイ・レイの悲鳴
    「絶叫クイーン」の代名詞となったフェイ・レイ。彼女の悲鳴の録音は、後に別の映画でも何度も使い回されるほど完璧なものでした。ちなみに、撮影で使われたコングの巨大な「手」のセットは、彼女にとって非常に心地よいソファーのようだったという逸話もあります。
  • 驚異の興行
    世界恐慌で倒産寸前だったRKO社を、この一本の特撮映画が救いました。あまりの迫力に、初日の劇場では失神者が続出したと言われています。
  • アドルフ・ヒトラーの愛好
    意外なことに、ヒトラーはこの映画を非常に気に入り、何度も繰り返し鑑賞していたという記録が残っています。
  • マックス・スタイナーの音楽
    映画音楽において、特定のキャラクターに特定の旋律を当てる「ライトモティーフ」の手法を本格的に導入。音楽が映画の恐怖と悲哀を倍増させました。
  • 修正と復元
    かつては、コングがアンの服を剥ぎ取るシーンや、谷底で巨大な昆虫が人間を襲うシーンなどが残酷すぎるとされカットされていましたが、後に復元され、完全な形での鑑賞が可能になりました。


まとめ:作品が描いたもの

『キングコング』が描くのは、未知なる自然への畏怖と、それを搾取し見せ物にする人間の傲慢さ、そして言葉を持たない野獣の切ないまでの愛です。コングは単なるモンスターではなく、観客が感情移入してしまう「悲劇の主人公」として描かれています。

文明の象徴である超高層ビルの上で、原始の王が最期を迎える構図は、現代社会における自然と文明の衝突を鮮烈に象徴しており、今なお多くのリメイク作を生み出し続けています。


〔シネマ・エッセイ〕

高層ビルの頂上で、襲いかかる飛行機を追い払いながら、ふと手の中のアンを優しく見つめるコングの瞳。あの何とも言えない表情に、この映画の切なさがすべて詰まっているように感じます。

映画とは、本来ありえないものを「本当にそこにいる」と信じさせてくれる魔法のようなものです。90年以上も前の白黒映画ですが、傷ついたコングが最後に力尽きていく手の動きを見ていると、どうしても胸が締め付けられてしまいます。

ジャングルで王様として生きていたコングが、都会に連れてこられ、ただ一人の女性を愛したために命を落としてしまう……。これは、世界で最も規模が大きく、そして最も悲しいラブストーリーなのかもしれません。

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