ファイティング・タイガー
Man of Tai Chi / 太極侠
(アメリカ・中国・香港 2013)
[製作総指揮] チャン・ダーシン/ハン・サンピン
[製作] レモア・シヴァン
[監督] キアヌ・リーヴス
[脚本] マイケル・G・クルーニー
[撮影] ポール・キャメロン
[ジャンル] アクション/ドラマ
キャスト
タイガー・チェン (タイガー)

キアヌ・リーヴス
(ドナカ・マーク)
カレン・モク (チン・シー刑事)
ユエ・ハイ (ヤン老師)
マイケル・トング (シェク・クワン刑事)
サイモン・ヤム (ワン警視)
チン・イー (チン・シャ)
平田康之 (痩せた男)
ブライアン・シスウォージョー (ゴン)
サム・リー (タク・ミン)
ジュウロン・グオ (ティン・ルー老師)
ファン・ジャン・シャン (ワン・イー)
ジーハン・シャ (リー・ホン)
クン・ジュ (チョウ・ピン)
イコ・ウワイス (ギラン)
タン・ウェイ・ヤ (チェンの父)
ヨ・ナ (チェンの母)
ハオ・ヤン (協会主任)
ウェン・ホァン・リュウ (宅配業者)
概要
『ファイティング・タイガー』(Man of Tai Chi / 太極侠)は、2013年公開のアクション映画。キアヌ・リーヴスが初監督を務め、主演はタイガー・チェン、共演にキアヌ・リーヴス自身、カレン・モク、サイモン・ヤム、イコ・ウワイスなど。伝統武術・太極拳を使う若者が、違法な地下格闘トーナメントに巻き込まれるというストーリーで、カンフー映画の要素とモダンな映像表現が融合した作品。
ストーリー
チェン・リンフー(タイガー・チェン)は、伝統的な太極拳を学ぶ青年。彼は武道の奥深さを尊重しながらも、現代社会の中で自分の居場所を見つけられずにいた。そんな彼に目をつけたのが、謎の大富豪であり地下格闘トーナメントを主催するドナカ・マーク(キアヌ・リーヴス)だった。
ドナカは、純粋な武道家であるチェンを試すべく、違法なファイトクラブに勧誘。最初はためらっていたチェンだったが、師匠の寺が資金難に陥っていることを知り、金のために戦いに身を投じることを決意する。
戦いを重ねるうちに、彼の太極拳は本来の「防御とバランスを重視する武術」から、より攻撃的なものへと変化していく。ドナカはそんな彼の変貌を喜び、さらに過激な試合を要求。チェンは次第に、自分の道を見失い、戦いの快楽に溺れていく。
一方、香港警察の捜査官スン・ジンシー(カレン・モク)は、ドナカの違法組織を追っており、チェンが巻き込まれていることを知る。彼女は彼に協力を求めるが、チェンはドナカへの忠誠と自分の信念の間で葛藤する。
最終的に、ドナカはチェンを「最強の戦士」にするため、彼を精神的にも追い詰める。しかし、チェンは最終決戦の場で自らの武道の原点を思い出し、ドナカに挑む。太極拳の真髄を取り戻したチェンは、激闘の末にドナカを打ち倒し、違法なファイトクラブの終焉を迎える。
チェンは「武道とは何か?」という問いの答えを見つけ、師匠のもとへと帰るのだった。
エピソード
キアヌ・リーヴスの監督デビュー作
長年のカンフー映画好きだったキアヌが、ついに監督に挑戦。
主演タイガー・チェンはキアヌの旧友
彼は『マトリックス』三部作のスタントマンで、キアヌのカンフー指導も担当していた。
本物の太極拳をフィーチャー
映画では、単なるアクションではなく、太極拳の哲学と精神性も表現されている。
ドナカ役は当初別の俳優が候補だった
しかし、キアヌ自身が「悪役を演じたほうが作品に深みが出る」と考え、自ら演じることに。
アクション監督はユエン・ウーピン
『マトリックス』や『グリーン・デスティニー』の伝説的アクション監督が参加。
イコ・ウワイスが出演
『ザ・レイド』シリーズで知られるアクションスターがライバル役として登場。
撮影は中国・香港で行われた
東洋と西洋の文化が融合した独特の雰囲気を出すために選ばれた。
香港の地下格闘クラブを参考に
監督は実際の地下格闘試合をリサーチし、リアリティを追求。
タイガー・チェンの実力
彼は本物の武道家であり、映画のほとんどのスタントを自らこなした。
キアヌのアクションも本格的
監督としての役割だけでなく、自身の戦闘シーンにも力を入れた。
「戦いの中での変化」がテーマ
主人公の心の変遷が、戦闘スタイルの変化に現れるように設計。
カンフー映画の影響
キアヌはブルース・リーやジャッキー・チェンの映画を参考にしたと語っている。
スローモーションとワイヤーワークのバランス
『マトリックス』のような過剰なワイヤーワークを避け、リアルな動きを強調。
ドナカのキャラクターはキアヌのアイデア
「完全な悪ではなく、チェンを試す存在」として設定。
撮影中の負傷
タイガー・チェンは何度か怪我をしながらも、撮影を続行。
音楽は東洋と西洋のミックス
伝統的な中国音楽と現代的なテクノサウンドを組み合わせた。
地下格闘の照明演出
試合のシーンは、より「ゲームのような世界観」を作るために照明を工夫。
キアヌの悪役演技が話題に
彼の「冷酷な笑顔」が新境地だったと評価された。
CGは最小限
できるだけ本物のアクションを見せるため、CGの使用を制限。
キアヌの次回作への影響
本作の経験が、『ジョン・ウィック』シリーズのアクションにも活かされた。
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