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[女優] イザベル・アジャーニ Isabelle Adjani

イザベル・アジャーニ
Isabelle Adjani

1955年6月27日、フランス・パリ生まれ。
本名イザベル・ヤスミン・アジャーニ。
アルジェリア人の父、トルコ・ドイツ系母を持つ。
14歳の時「小さな木炭商」で映画デビュー。
史上最年少(18才)でコメディ・フランセーズに入り、早くから舞台で成功をおさめる。
ダニエル・デイ・ルイスとの間に1児あり(2児の母)。


イザベル・アジャーニ(1955年6月27日生まれ)は、フランスを代表する女優の一人で、繊細かつ情熱的な演技で知られる。5度のセザール賞受賞というフランス映画史上最多記録を誇り、映画、演劇の両方で圧倒的な存在感を発揮してきた。美貌とミステリアスな雰囲気、強烈な役への没入で観客を魅了し続ける、まさに「唯一無二の女優」と言える。

イザベル・アジャーニは、パリでアルジェリア系の父とドイツ人の母のもとに生まれた。幼少期から演技に興味を持ち、14歳で映画デビューを果たす。最初は文学と演劇に没頭していたが、1972年にコメディ・フランセーズに入団し、最年少の劇団員として注目を浴びた。

彼女の映画キャリアを決定づけたのは、1975年の「アデルの恋の物語」(L’Histoire d’Adèle H.)。フランソワ・トリュフォー監督のこの作品で、ヴィクトル・ユゴーの娘アデルを狂気的なまでに愛に執着する女性として演じ、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされる。まだ20歳だったアジャーニは、世界的にその名を知られることとなった。

代表作とキャリアのハイライト

「アデルの恋の物語」(L’Histoire d’Adèle H., 1975年)

フランソワ・トリュフォー監督が手がけた伝記映画で、アジャーニはヴィクトル・ユゴーの娘アデルを演じ、愛に狂う女性を繊細かつ狂気的に表現。若干20歳でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

「ノスフェラトゥ」(Nosferatu: Phantom der Nacht, 1979年)

ヴェルナー・ヘルツォーク監督の吸血鬼映画で、クラウス・キンスキーと共演。古典的ホラーを現代風に昇華させたこの作品で、アジャーニの青白い美しさと妖艶な雰囲気が際立った。

「ポゼッション」(Possession, 1981年)

アンドレイ・ズラウスキー監督のカルト映画で、精神的に崩壊していく女性を鬼気迫る演技で体現。特にベルリンの地下鉄での発狂シーンは、映画史に残る狂気的な名演技として知られ、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。

「殺意の夏」(L’Été meurtrier, 1983年)

ジャン・ベッケル監督のサスペンス映画で、妖艶な女性を演じ、初めてセザール賞主演女優賞を受賞。この作品でアジャーニはセクシーな魅力と演技力を見事に融合させた。

「カミーユ・クローデル」(Camille Claudel, 1988年)

フランスの彫刻家カミーユ・クローデルの生涯を描いた作品で、アジャーニ自身がプロデュースも手がけた。ロダンとの愛と芸術に苦しむ女性の姿を迫真の演技で表現し、2度目のアカデミー賞ノミネート、セザール賞を受賞。

「王妃マルゴ」(La Reine Margot, 1994年)

パトリス・シェロー監督による歴史大作で、アジャーニはフランス王妃マルゴを演じ、王宮の陰謀に巻き込まれる女性の悲劇を壮絶な演技で表現。再びセザール賞主演女優賞を受賞。

「スカートデー」(La Journée de la Jupe, 2008年)

学校の教師が生徒を人質にとるという衝撃的な内容のドラマで、アジャーニは衝撃的な演技を披露し、セザール賞主演女優賞を受賞。50代に入ってもなおその演技力が健在であることを証明した。



イザベル・アジャーニの演技は、圧倒的な感情表現と身体的なエネルギーに満ちている。狂気に取り憑かれた女性や、激情に翻弄される女性を演じることが多く、特に「ポゼッション」や「アデルの恋の物語」では、現実と幻想の狭間を彷徨うような演技で観客を圧倒した。

また、彼女の美しさは冷たさと脆さを同時に感じさせる独特の魅力があり、これがミステリアスな役柄によく合う。そのため、ホラーやスリラー、歴史ドラマでの出演が多い。


イザベル・アジャーニはプライベートでは謎めいた存在であり、私生活については多くを語らない。しかし、過去にはさまざまな著名人と交際し、ゴシップ誌を賑わせた。

  • ダニエル・デイ=ルイスとの関係
    イギリスの俳優ダニエル・デイ=ルイスとの間に息子がいるが、デイ=ルイスは妊娠中に彼女を突然捨てたとされ、当時のメディアを騒がせた。
  • ジャン=ミシェル・ジャールとの破局
    フランスの電子音楽家ジャン=ミシェル・ジャールとの交際も話題になったが、破局後に彼女は「彼が私の心を引き裂いた」と語り、波紋を呼んだ。
  • アルジェリア系フランス人としてのアイデンティティ
    彼女はアルジェリア系移民の血を引いており、自身の出自について複雑な思いを抱えていたと語ることがある。フランス映画界では白人中心のキャスティングが続いていたため、彼女の存在は異色だった。


エピソード

ハリウッドへの拒絶
アジャーニはハリウッドからのオファーを何度も断っており、フランス映画にこだわる姿勢を貫いてきた。

セザール賞受賞回数歴代最多
彼女はフランスのアカデミー賞にあたるセザール賞を5回受賞しており、これは歴代最多記録。

映画界からの一時引退と復帰
2000年代に入り、一時期スクリーンから遠ざかっていたが、2008年に「スカル・ラブ」で華々しく復帰。


[出演作品]

1970 年    15 歳

小さな木炭商  Le Petit Bougnat

1972 年    17 歳

夏の日のフォスティーヌ  Faustine et le bel été

1974 年    19 歳

平手打ち  La gifle

1975 年    20 歳

アデルの恋の物語  L’histoire d’Adèle H.

1976 年    21 歳

テナント/恐怖を借りた男  Le Locataire
バロッコ  Barocco
イザベル・アジャーニの女泥棒  Violette et François

1979 年    24 歳

ザ・ドライバー  The Driver
ノスフェラトゥ  Nosferatu: Phantom der Nacht
ブロンテ姉妹  Les Soeurs Brontë

1980 年    25 歳

Clara et les Chics Types

1981 年    26 歳

カルテット  Quartet

  カンヌ国際映画祭女優賞

ポゼッション  Possession

  カンヌ国際映画祭女優賞
  セザール賞主演女優賞

パリ風亭主操縦法  L’année prochaine… si tout va bien (別題:抱きしめたい)

1982 年    27 歳

イザベル・アジャーニ 炎のごとく  Tout feu, tout flamme
死への逃避行  Mortelle randonnée
アントニエッタ  Antonieta

1983 年    28 歳


殺意の夏  L’été meurtrier

  セザール賞主演女優賞

1985 年    30 歳

サブウェイ  Subway

1987 年    32 歳

イシュタール  Ishtar

1988 年    33 歳

カミーユ・クローデル  Camille Claudel

  ベルリン国際絵外債女優賞
  セザール賞主演女優賞

1993 年    38 歳

可愛いだけじゃダメかしら  Toxic Affair

1994 年    39 歳

王妃マルゴ  La Reine Margot

  セザール賞主演女優賞

1995 年    40 歳

百一夜  Les Cent et une nuits

1996 年    41 歳

悪魔のような女  Diabolique

1998 年    43 歳

パパラッチ  Paparazzi

2002 年    47 歳

愛のはじまり  La repentie
イザベル・アジャーニの 惑い  Adolphe

2003 年    48 歳

ボン・ヴォヤージュ  Bon voyage
イブラヒムおじさんとコーランの花たち  Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran

2008 年    53 歳

スカートデー  La journée de la jupe

  セザール賞主演女優賞

2009 年    54 歳

マムート  Mammuth

2011 年    56 歳

ザ・フォース  De force

2012 年    57 歳

David et Madame Hansen

2016 年    61 歳

Carole Matthieu

2022 年    67 歳

苦い涙  Peter von Kant
Mascarade
Diane de Poitiers

2024 年    69 歳






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