エドワード・G・ロビンソン
Edward G. Robinson
1893年12月12日、ルーマニア・ブカレスト生まれ。
1973年1月26日、アメリカ・カリフォルニア・ハリウッドで死去(ガン)。享年79歳。
「犯罪王リコ」で主演に抜擢され、一躍スターの座についた。
ギャング映画で活躍。
エドワード・G・ロビンソンは、ルーマニア出身のアメリカの俳優であり、その独特の風貌と力強い演技でハリウッド黄金時代を象徴するスターの一人である。本名はエマニュエル・ゴールデンバーグで、ルーマニアのブカレストで生まれた。
ロビンソンは、10歳の時に家族と共にアメリカに移住し、ニューヨーク市で育った。彼はニューヨーク市立大学シティカレッジで学び、その後、アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツで演技を学んだ。彼の舞台デビューは1913年であり、その後ブロードウェイで成功を収めた。
1920年代には映画界に進出し、多くのサイレント映画に出演したが、彼の名声を確立したのは1931年の『犯罪王リコ』でのシーザー・エンリコ・バンディーロ役である。この作品でロビンソンはギャング映画のジャンルを確立し、その後も多くのギャング映画で主役を演じた。彼の鋭い目つきと威圧的な態度は、スクリーン上での彼のトレードマークとなった。
1930年代から1940年代にかけて、ロビンソンは『飾窓の女』、『深夜の告白』『キー・ラーゴ』など、多くの名作に出演した。特に『深夜の告白』では、彼は保険調査員バートン・キーズ役を演じ、その冷静な演技が高く評価された。
しかし、1940年代後半、彼はハリウッドの「赤狩り(レッド・スケア)」の影響を受け、共産主義者との関係を疑われた。この時期、彼は多くの政治的・社会的活動に関与しており、特に左翼団体との関わりが問題視された。ロビンソンはそのため、ハリウッド・ブラックリストに載せられることはなかったものの、キャリアに大きな打撃を受けた。彼は自身の無実を証明するために、公の場で証言し、共産主義とは無関係であることを強調した。
私生活では、グラディス・ロイドと結婚し、二人の間には息子が一人いたが、その後離婚した。離婚後、長年の友人であり共演者であったジェーン・ブロンデルとの関係がゴシップの対象となった。
ロビンソンのキャリアは長く、多様な役柄を演じたことで知られる。彼の演技力とカリスマ性は、多くの批評家や観客に高く評価された。また、彼は熱心な芸術収集家でもあり、多くの重要な芸術作品を所有していた。しかし、彼の収集活動もまた、時折スキャンダラスに報じられた。特に彼がナチス占領下のヨーロッパから持ち帰った芸術品については、その出所が疑われることもあった。
エドワード・G・ロビンソンは1973年にハリウッドで亡くなるまで、その演技力と個性的なキャラクターで映画史に大きな影響を与え続けた。彼の人生には成功と困難が交錯していたが、その力強い演技とスクリーン上の存在感は映画史において不朽の名声を得ている。
[出演作品]
1916 23歳
ARMS AND THE WOMAN
1923 30歳
ブライト・ショール The Bright Shawl
1929 36歳
壁の穴 The Hole in the Wall
1930 37歳
法の外 Outside the Law
1931 38歳
夜の大統領 Smart Money
特輯社会面 Five Star Final
1932 39歳
天晴れウォング The Hatchet Man
二秒間 Two Seconds
虎鮫 Tiger Shark
1933 40歳
笑ふ巨人 The Little Giant
1935 42歳
俺は善人だ The Whole Townn’s Talking
バーバリーコースト Barbary Coast
1936 43歳
弾丸か投票か Bullets Or Ballots
1937 44歳
倒れるまで Kid Galahad
最後のギャング The Last Gangster
1938 45歳
暗黒王マルコ A Slight Case of Murder
犯罪博士 The Amazing Dr. Clitterhouse
1939 46歳
旋律のスパイ網 Confessions of a Nazi Spy
1940 47歳
偉人エーリッヒ博士 Dr. Ehrlich’s Magic Bullet
顔役 Brother Orchid
ロイター特派員 A Dispatch from Reuter’s
1941 48歳
海の狼 The Sea Wolf
大雷雨 Manpower
1942 49歳
詐欺請負会社 Larceny, Inc.
運命の饗宴 Tales of Manhattan
1943 50歳
肉体と幻想 Flesh and Fantasy
1944 51歳
深夜の告白 Double Indemnity
飾窓の女 The Woman in the Window
1945 52歳
緑のそよ風 Our Vines Have Tender Grapes
緋色の街 スカーレット・ストリート Scarlet Street
1946 53歳
ストレンジャー The Stranger
1947 54歳
赤い家 The Red House
1948 55歳
夜は千の眼を持つ Night Has a Thousand Eyes
キー・ラーゴ Key Largo
1949 56歳
他人の家 House of Strangers
カンヌ映画祭主演男優賞
1953 60歳
目撃者は語らず Vice Squad
1954 61歳
死刑五分前 Black Tuesday
1955 62歳
欲望の谷 The Violet Men
消された証人 Tight Spot
暗黒の叫び A Bullet for Joey
法に叛く男 Illegal
地獄の埠頭 Hell on Frisco Bay
1956 63歳
十戒 The Ten Commandments
悪夢の殺人者 Nightmare
1959 66歳
波も涙も暖かい A Hole in the Head
1960 67歳
賭場荒し Seven Thieves
1961 68歳
青い目の蝶々さん My Geisha
1962 69歳
明日になれば他人 Two Weeks in Another Town
1963 70歳
逆転 The Prize
サミー南へ行く Sammy Going South
1964 71歳
ちょっとご主人貸して Good Neighbor Sam
暴行 The Outrage
シャイアン Cheyenne Autumn
1965 72歳
シンシナティ・キッド The Cincinnati Kid
1967 74歳
ブロンドの罠 L blonde de Pékin
盗みのプロ部隊 Ad ogni costo
奇想天外・泥棒大作戦 Operazione San Pietro
1968 75歳
大泥棒 The Biggest Bundle of Them All
怪盗大旋風 Never a Dull Moment
1969 76歳
マッケンナの黄金 Mackenna’s Gold
1970 77歳
ソング・オブ・ノルウェー Song of Norway
1973 80歳
ソイレント・グリーン Soylent Green
コメント